ふるさと再発見  松平文庫のさまざまな文献の中の一群に、松平氏として初めて島原の藩主となった松平忠房(まつだいら ただふさ)(1619〜1700)ゆかりの古写本群があります。しかしながら、それらの本を書き写した日付や入手した日付は、本の中や文献にあまり記されていません。それでも、忠房にゆかりのある書物だとわかるのは、これらの末尾に蔵書印が押印されているからです。忠房の蔵書印は「尚舎(しょうしゃ)源忠房」と 「文庫」の印がセットになって押されています。忠房の家系( 深溝松(ふこうず)平家)の当主は、忠房の父・忠利(1582〜1632)以降、代々「主とのもの殿頭かみ」という官職を名乗っています。主殿頭は、皇室の事務をつかさどる宮内省の管轄である「主殿寮(とのものりょう)」の長を意味します。「尚舎」は、主殿寮を中国風に呼んだ名称(唐名(とうみょう))である「尚舎局」に由来します。唐名は、正式な文書には用いられないので、なじみの薄い名称ですが、水戸徳川家が代々名乗った官職「中納言」の唐名である「黄門」を聞いたことはありませんか。「幕府」も、実は将軍(征夷大将軍)の唐名です。また、松平氏が源氏に由来する家柄であると伝えられていることから、「源忠房」と名乗っています。もう一つの印 「文庫」についてですが、今のところは、文庫とは文献の集まりを示す言葉と考えられ、実際に書物を収める建物の「文庫(ふみのくら)」を特設していたかについては、まだ解明されていません。 (松平文庫学芸員 吉田 信也(よしだ しんや)) (写真)土佐日記(松平文庫蔵) クローズアップ 沖縄三線(さんしん)サークル  三会公民館の一室から、素敵な弦の音色と歌声が聞こえてきます。今回、紹介するのは「沖縄三線サークル」の皆さんです。三線とは、沖縄民謡などの歌を歌いながら演奏する三本の弦からなる楽器のことです。  この会は、「沖縄の三線を楽しく・面白く」をモットーに約1年前に発足。講師の高山淳嗣さんの指導のもと、会員は20代から80代までと年齢層は幅広く、昼と夜の部を合わせて20人程度。  活動は月に2回、民謡や童謡、ポップスなどさまざまな曲を歌いながら三線を楽しく演奏している そうです。現在、11月に開催される三会ふれあいフェスティバルでの発表に向けて練習中とか。  楽器の演奏は難しいと思われがちですが、三線は比較的簡単で取り組みやすいそうです。  代表の北浦さんは「会員さんの年齢も幅広く、色々な人と出会え、色々な話が聞けて楽しいです。また、指先を使うので老化防止に役立ちますし、ゆっくりと落ち着いた音色が魅力的ですね。」と話してくれました。会員さんにお話しを聞くと、「沖縄が大好きで始めました。沖縄が身近に感じられて大変嬉しい。これからもずっと続けていきたいですね。」と話してくれました。  沖縄の雰囲気を味わってみたい人、興味のある人は気軽に見学してみてはいかがでしょうか。 ▼問い合わせ先…北浦昌子(きたうらまさこ)さん(64−1543) (写真)沖縄三線サークル集合写真 (写真)演奏の様子