ふるさと再発見  松平家忠と『家忠日記』 歴史を継承するということ  松平家忠(いえただ)(1555〜1600年)は、松平島原藩の初代・忠房(ただふさ)の祖父です。三河国深溝(ふこうず)(現愛知県額田郡幸田町深溝)を本領とし、徳川家康の家臣として、織豊(しょくほう)期(織田信長・豊臣秀吉の時代)の数々の戦に参陣しました。1600年(慶長5年)、伏見城(現京都市伏見区)の城番であった家忠は、関ヶ原の戦いの直前に西軍の猛攻を受け、討死します。  家忠は日記を記しており、現在駒澤大学にその原本が伝えられています。織豊期の武士の日記がまとまって現存しているのは、薩摩の『上井覚兼(うわいかっけん)日記』と、この『家忠日記』のみで、当時の武家社会の一端を映し出す貴重な資料です。  この日記には、日本史上でも注目されるような記述が数多く見られます。例えば、日記の中で、主君・家康に対する家忠の呼び方が「家康」から「家康様」に変化しており、家康の地位が向上した事がうかがえます。  孫の忠房の時に『家忠日記』の整理が行われます。その際、『家忠日記』の記事以降の出来事を書き加える形で『家忠日記増補追加』が編述され、忠房自身も跋文(ばつぶん)(あとがき)を添えています。  原本が納められた桐箱の上うわぶた蓋には、家忠から8代後の島原藩主・松平忠馮(ただより)の署名があります。『家忠日記』は、歴史を後世に伝えようと志す、忠房や忠馮といった子孫の思いと、その大さを改めて感じさせてくれます。 (松平文庫学芸員 吉田 信也(よしだしんや)) (写真)『家忠日記増補追加』(松平文庫蔵) クローズアップ FMしまばら  88・4MHZ(メガヘルツ)をご存じでしょうか。今回、紹介するのはコミュニティFM局「FMしまばら」です。同局は防災・防犯体制の確立を主な目的として平成19年に開局。放送時間は午前7時から午後10時まで(災害時は24時間体制で対応)、ラジオパーソナリティーは12人在籍されています。  市民の生活に密着した身近な生活情報をはじめ、行政情報や市のイベント、防災防犯や災害情報などをリアルタイムで配信中。番組は、全て自主製作で生放送されており全国的にも珍しいそうです。  放送局長の辻野さんは「市民の皆さんが楽しくなるような番組づくりに努めています。ラジオをお聴きいただくのはもちろんですが、市民の身近な情報発信の場として、ボランティアやサークル活動など情報発信したい人はぜひご活用ください。」と話してくれました。また、パーソナリティーの一人からは「島原の情報を分かりやすくお伝えし、市民の皆さんをはじめ、多くの人に島原の魅力を発信していきたいです。ラジオを身近な存在に感じてもらえると嬉しいですね。」と話してくれました。 「FMしまばら」は、しまばらの季節ごとの旬の情報が満載のほか、月1回の「市長の元気トーク」(9ページ参照)も配信中です。ぜひ、皆さんお気軽にお聴きください。なお、「FMしまばら」ではスポンサー(広告)やスタッフを随時募集中。 ▼問い合わせ先 FMしまばら(電話62−0885) (写真)インタビューの様子