つなごう!未来へ 島原半島世界ジオパーク47 島原半島ジオパーク推進連絡協議会(65-5540) ジオパークであり続けるための取り組み 地域振興@  ジオパークに認定された地域は、 @「大地の遺産」の保全 A「大地の遺産」を用いた教育活動 B「大地の遺産」を活用した観光振興 を行うことが求められます。  では、これら3つの取り組みを行うと、私たちの地域にどのような変化が起こるのでしょうか。  例えば、ジオパークの見学を目的に島原半島を訪れた観光客がいたとします。観光に訪れた人が島原半島をジオパーク的な視点で楽しむためには、何が必要でしょうか。  私たちは、まず観光客に「今いる場所がジオパークである」ことを知らせなければなりません。そのためには、ジオパークの歓迎看板が必要です。次に、その観光客がジオパークに関する情報を得るための場所として、ジオパークの拠点施設が必要です。  拠点施設で得た情報を基に、観光客はジオパークの見どころ「ジオサイト」を巡ります。  現地に不慣れな観光客をスムーズにジオサイトまで導くためには、ジオサイトの位置を示した総合案内板や案内標識、さらには地図入りのパンフレット類が必要です。  最後に、ジオサイトにたどり着いた観光客が、説明者なしでもその場所を楽しめるよう、現地での解説板も必要となります。  これら以外にも、ジオパークをさらに深く楽しみたい人のための冊子(ガイドブック)や、ジオパークに関連した郷土のお土産品があれば、観光客は島原半島をジオパーク的視点で楽しみ、その思い出を自宅に持ち帰ることができます。  このように、ジオパークに認定されれば、町の中にジオパークの看板が立ち、色々な場所でジオパークという文字やロゴマーク、マスコットを目にするようになります。これが目に見える地域の変化です。  しかし、ジオパークに関する冊子や、現地に設置した解説板の内容が、地層や石、火山の噴火に関する専門的な事ばかりだったらどうでしょうか。これでは、観光客はジオパークを楽しむことはできません。ジオパークの「売り」は「かんざらしは島原大変があったからこそ生まれた」、「観光名所のミヤマキリシマの群落は、雲仙火山の火山活動がなければ維持できない」、「阿蘇山の巨大噴火がなければ、原城はそこになかったかもしれない」といった、自然の営みと人々との関わりを描写した「物語」です。  観光客が島原半島をジオパーク的視点で楽しむためには、これらの物語が分かりやすく書かれた冊子や看板を整備するだけでなく、この物語を観光客に正しく楽しく伝える人材が必要不可欠です。  地域の皆さんが、自分の住んでいる地域に誇りを持ち、それを自分の言葉で発信していくといった、目に見えない変化も求められるのです。  ジオパークで大切なのは「人」だと言われます。いくら学術的価値を持った素晴らしい景色があっても、そこに「人」がいなければジオパークにはなれません。ジオパークという仕組みを活用して地域を元気にしていく主人公は、地域に住む皆さんなのです。  ジオパークという仕組みを活用して、地域を元気するには、どうしたらいいのでしょうか。  次回は、ジオパークを活用した具体的な地域活性化の取り組みを紹介します。 (写真)総合案内板 (写真)歓迎看板 (写真)ジオサイトに設置してある解説版