ふるさと再発見  『代官当用(だいかんとうよう)』 知識と経験の生かし方  松平文庫に伝わる資料の中には、島原藩の「代官」が業務をする上で必要としていた書類も数多くあります。今回紹介する資料もその一つです。  時代劇でも、どちらかといえば悪役でよく登場してなじみのある代官ですが、藩内の村々を担当し、年貢の徴収や村内の訴訟を扱うなど、むしろ村のさまざまな問題事を解決するのが代官の主な役割でした。特に島原は、豊前・豊後(今の豊後高田市など)にも藩領があったので、いわば「転勤」や「単身赴任」をするような代官もいました。  代官は村内の様子や過去の出来事をつぶさに記録しました。  村の祭礼や年貢の徴収、巡見や参勤といった幕府や藩の役人の村内通行など、村における多種多様な事例に、これらの記録を参考にしながら対処していったのです。  今風にいえば「業務マニュアル」のようなものでしょうか。しかし、お上からマニュアルが与えられるのではなく、受け持った代官が独自に村の歴史や地理について記録し、解釈しながら業務の中で生かしていったという姿勢に、今の私たちが見習うべき点があるのかもしれません。  普賢山や妙見山で殺生を禁じる石碑が築かれたこと、杉谷村の池普請(いけぶしん)、九十九島に観音様を祀る祠を一村一祠、計三十三祠建立する願が出されたこと…。  ほんの一部ですが、これらの「地域の歴史」が見出されます。島原という地域のことを知る上で、今なお生かされるべき資料です。 (松平文庫学芸員 吉田 信也) (写真 『代官当用』(松平文庫蔵)) クローズアップ エコクラフトサークル (写真)集合写真  今回、紹介するのは「親睦を第一に和気あいあいと楽しく」をモットーに活動しているエコクラフトサークルの皆さんです。  エコクラフトとは、紙ひもを編んでバックやかごなどを作る手芸のことです。  このサークルは、会員相互の親睦と安中婦人会活動の活性化を目的として今年4月に発足。  現在の会員数は12人で60代前後を中心に活動されています。  坂本ミサ子さんと大町ユミ子さんの指導のもと、月2回(第1・3金曜日)9時から12時まで安中公民館で和やかなムードの中、作品づくりに取り組んでいます。  出来上がった作品は公民館まつりなどに出展しているそうです。  代表者の川本まなみさんは「島原の婦人会では各地区それぞれ独自の活動があります。年々、会員数が減少する中、このサークル活動を通して、婦人会の存在を一人でも多くの人に知って頂き、活動が活発になれば嬉しいです」と話してくれました。  会員の皆さんからは「作品づくりは時間を忘れて夢中になれます。自分好みにアレンジしてオリジナル作品を作れるところが魅力的です。また、手先を使うので頭の体操になりますし、ストレス発散にも最適ですね」と話してくれました。  エコクラフトは一見難しそうですが、実際やってみると誰でも簡単に作れるそうです。  サークルでは会員を随時募集中です。興味がある人は一度見学してみてはいかがでしょうか。 ▼問い合わせ先 安中公民館(63−2253) (写真)作品づくりの様子