ふるさと再発見  「華夷変態(かいへんたい)」と「唐人風説書(とうじんふうせつがき)」  今回紹介する『華夷変態』と『唐人風説書』は、表題は異なりますが、内容的には一連の資料だと思われます。  いわゆる鎖国期に唐船がもたらした海外情報の報告書(唐船風説書)を収めたものです。延宝2年から享保13年まで(1674〜1728年)、合わせておよそ2200通の風説書が収められています。  序文によると、華(明朝)から夷(清朝)に移り変わった状況を著すもの、という意味で『華夷変態』と名付けられました。  現在、この資料がまとまって残っているのは、筆写した大学頭(幕府の学問所の統括者)・林家より伝来した国立公文書館・内閣文庫と島原にある松平文庫だけです。また、風説書の原文書は現存しておらず、この時代の外交について知る上でも大変貴重な資料です。  冒頭には中国における明朝から清朝への政権交代に関する記事が載せられ、本国の資料にも現存しないような民間の風聞なども含まれます。  政治的なことだけではありません。例えば、積み荷の品目や、南方で洪水のため、黒砂糖の生産量が少なかったこと、途中天候が悪く、急きょ対馬に寄港し、水や野菜をもらったことなど、交易の様子が目に浮かぶような記事も多く収められています。  島原藩は長崎の巡視や番船の派遣など、西国の譜代大名として特別な役割を幕府より命ぜられていました。いずれも長崎における島原藩の位置づけを象徴する資料といえます。 (松平文庫学芸員 吉田 信也(よしだ しんや)) (写真:肥前島原松平文庫蔵) クローズアップ  「白山元気会」  今回、紹介するのは「健康維持・老化予防」を目的に活動している「白山元気会」の皆さんです。  この会は、平成21年に発足し、当初8人からのスタートだったそうですが、評判がよく、口コミなどで現在は74人の会員がいます。  会員の年齢は66〜93歳で、健康体操や頭の体操、童謡・唱歌の合唱などを主に行い、健康維持に役立てています。  取材当日、白山公民館に入ると、2階から賑やかな話し声と笑い声が聞こえてきました。皆さん、開始時間前から楽しい時間を過ごされているようです。  体を動かすだけでなく、仲間と顔を合わせ、話し合う時間も健康維持の秘訣なのかも知れませんね。  代表者の荒木学さんは「自分自身の健康維持・老化防止だけでなく、会員相互の親睦・融和を通じて仲間作りを続けたい」と話してくれました。  また、会員の皆さんからは「毎週火曜日が待ち遠しい」、「体調が良くなった」という声が多く聞かれました。  このような取り組みが評価され、平成24年には「介護予防推進フォーラム」において県知事賞を受賞されました。  この会に参加したい人は、誰でも参加できるそうです。体を動かしたい人や仲間を作りたい人は、一度、参加してみてはいかがでしょうか。 ▼問い合わせ先 荒木学さん(63−0503)、白山公民館(63−2221) (写真:白山元気会 集合写真) (写真2枚:活動の様子)