平成26 年度 施政方針(要旨) 「街が賑わい 人がふれあい 支えあう」市民が主役のまちづくり  島原市は、人口減少や高齢化が全国平均を上回るペースで進行するなど厳しい状況が続いていますが、今こそ市民力を結集し、島原の持つ個性を活かしながら、「街が賑わい 人がふれあい 支えあう」市民が主役の島原市を創りたいと考えています。そのため、重点分野として「7つの施策」を掲げ、実現を目指して取り組みを進めます。 【7つの施策】 1.市民目線に立った行財政改革の推進 2.産業の振興と島原地域ブランドの確立 3.歴史と文化を活かした観光都市づくりと交流人口の拡大 4.子育てにやさしいまちづくり 5.高齢者や障がい者などを思いやる福祉の充実 6.島原の将来を担う子どもを育てる教育の充実 7.安全で安心して暮らせる快適なまちづくり ※施政方針の全文については、市ホームページをご覧ください (写真)島原市長 古川 骼O郎 1 総務部門  行政改革は、定員管理の適正化や民間活力の導入など、行政サービスの質の向上を目指します。  行政評価は、行政評価委員会などを活用し、事務事業評価と併せて効率的な予算編成に反映させます。  公の施設への指定管理者制度の活用は、施設利用者懇話会(仮称) を開催し、サービス水準の向上と制度の効果的な運用に努めます。  電子行政の推進は、フェイスブックを活用し、市民と行政が一体となった情報発信に努めます。  地域の活性化は、町内会・自治会の加入促進を図るとともに「地域おこし協力隊事業」により都市住民を協力隊員として受け入れるなど、地域力のさらなる向上を目指します。  婚活支援は、地元で頑張る若者達に「めぐり逢いの場」を提供します。  いじめ問題は、「いじめ防止条例」を制定し、いじめ根絶を目指します。  半島地域の振興は、「島原道路」の全線早期整備など要望を続けるとともに、半島振興法の延長に向け、離島振興法に準じた支援制度の構築を強く国に訴えます。  地域公共交通は、地域の実情に合った公共交通のあり方を検討し、公共交通の確保と利用促進に取り組みます。  島原鉄道は、鉄道事業の存続と安全性の確保に向け、関係自治体と一体となって支援します。  姉妹都市である京都府福知山市とは、友好親善訪問を実施します。また、大分県豊後高田市との兄弟都市交流も継続して実施します。  市庁舎の建設は、基本構想を策定した後、設計プロポーザルにより設計者を選定し基本設計業務などに取り組みます。  市税などの収納は、収納率の維持・向上に努めます。その一環として、ファイナンシャルプランニング委託事業(家計診断の専門家が生活設計の見直しなどの相談や提案)を実施します。  地籍調査事業は、平成26年度から白山地区に着手します。  窓口業務は、さわやかな接客サービスを追求し“おもてなし”の心を持ってお迎えいたします。  消費生活センターは、消費トラブルの未然防止に向け啓発活動を推進します。 (写真)市民窓口サービス課の窓口の様子(親しみやすい窓口を目指します) 2 福祉保健部門  障がい者福祉対策は、介護給付事業や訓練等給付事業などを実施するとともに、障がい者就労施設などからの物品などの調達を推進します。  重度心身障害者福祉タクシー助成事業は、鉄道、バスへの拡大を実施します。  高齢者福祉対策は、高齢者福祉交通機関利用助成事業などを実施します。  児童福祉対策は、子育て世帯臨時特例給付金の支給や、「すこやか子育て支援事業」、「すこやか赤ちゃん支援事業」を実施します。また、「島原市子ども・子育て支援事業計画」の策定に取り組みます。  低所得者対策は、「臨時福祉給付金」の支給や、ハローワークおよび社会福祉協議会と連携し支援します。  医療対策は、島原病院の医師確保や診療科目の充実を図るため、長崎大学や長崎県病院企業団などに要望を行います。  救急医療対策は、日曜・休日の在宅当番医制と病院群輪番制や歯科休日診療当番医制に助成します。  小児の診療体制の確保・充実は、小児の休日診療事業を医師会などと共同で実施するとともに、小児医療学講座を開設し島原病院の小児科の再開を図ります。  国民健康保険事業は、適正な事業運営を心がけるとともに、滞納処分を含めた収納対策に取り組みます。  市民皆様の健康増進を目的に、各種がん検診や人間ドック、高齢者の方の介護予防事業などに取り組みます。  母子保健事業は、健康診査や相談・指導事業のほか、むし歯予防のためのフッ素塗布事業に取り組みます。  予防接種事業は、定期予防接種、高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種や乳幼児・児童に対するインフルエンザ予防接種の助成を実施します。 (写真)赤ちゃん(すこやか赤ちゃん支援事業) 3 環境部門  環境保全は、より一層の省エネ推進や資源物の回収に取り組みます。  新エネルギーの導入促進は、バイオマスエネルギー実証事業の成果を基に、メタン発酵処理施設などの事業化を目指します。  生活環境の向上は、野犬捕獲、不法投棄の監視および回収、河川などの水質浄化対策を行うほか、小・中学生を対象に環境教育を推進します。  廃棄物処理は、生ごみ堆肥化講習会を実施するほか、保育園や小学校などで実施している生ごみ堆肥化による野菜づくりを拡充するとともに、古紙類など資源物回収の周知に努めます。  し尿処理は、3カ年の計画で汚泥再生処理施設を整備します。 (写真)島原市浄化苑 4 農林水産部門 農業は、日本一豊かな産地を目指し、生産基盤の整備を推進します。  担い手対策は、青年就農者の確保や農地集積・集約化を進めます。  イノシシによる農作物被害は、進入防止柵と箱ワナを設置します。  なお、捕獲されたイノシシ肉の利活用についても調査を行います。  畜産関係は、「長崎和牛」のブランド確立に向けて、広報・宣伝に努めます。  耕地関係は、三会原第3地区や宇土山地区の基盤整備事業を支援するとともに、三会原第4地区、大三東地区についても新規採択に向け取り組みます。  林業関係は、松林を守るため、湊島や有明町水之出口地区などの松くい虫防除対策・被害木駆除を引き続き実施します。  水産関係は、藻場の再生や、新田町地先のスクイにアマモ場の造成に取り組みます。  養殖漁業は、トラフグやノリ、ワカメ、コンブなどの品質や生産性の向上を目指し、ジオアワビの養殖にも取り組みます。  漁港海岸の高潮対策は、三会漁港、松尾漁港において消波ブロックの製作と設置に取り組みます。大三東漁港は、産地水産業強化支援事業を活用して、漁港の適正な水深を確保します。  猛島漁港は、施設機能保全診断を行います。 なお、平成26年度は、新穀を宮中に献上する伝統の「宮中献穀」を、長崎県の代表として本市が実施することになっております。 (写真)漁港海岸の高潮対策(三会漁港) 5 商工観光部門  商工・物産および観光の振興は、若者の定住化と交流を推進する「しまばらまるごとブランド化」を念頭に、各施策に取り組みます。  本市経済の発展は、新たな企業の立地や既存地場企業の活力増大のため、企業立地促進・雇用創出事業をさらに推進します。  中心市街地商店街の活性化対策は、観光客の誘客に対応できる商店街を目指す研究事業に後継者と一体となって取り組みます。  金融面は、島原市中小企業振興資金の利用促進を図ります。また、新たに島原市中小企業振興利子補給事業を創設します。  しまばらの物産流通は、本市産品の知名度の向上、新商品の開発、販路の拡大の3本柱を基本に、事業の展開を推進します。  本市産品の知名度の向上は、大手百貨店などにおいて物産展を開催します。  新商品の開発は、農畜水産物を活用し「島原地域ブランド確立事業」を実施します。  販路の拡大は、都市圏において開催される「オープンマーケット」を活用します。  観光行政の推進は、市を上げて“おもてなし”の心を持って取り組みます。  島原城は、天守閣復元50周年記念事業を展開します。今後は、築城400周年に向けて、松平七万石のルーツの掘り起しを行います。  島原半島世界ジオパークは、韓国済州島と姉妹ジオパーク提携、香港ジオパークと協力協定を締結しました。今後、外国人観光客の誘致などに取り組みます。  交流人口の拡大は、九州新幹線を視野に入れた誘客対策や九州新幹線長崎ルートの開業を見据えた取り組みを行います。  観光客の受け入れ態勢は、“おもてなし”の意識高揚や気運の醸成を図ります。さらに、島原城七万石武将隊による“おもてなし”や甲冑体験、しまばら湧水館における郷土料理の調理体験などを展開します。  スポーツ・キャンプやコンベンションの誘致は、Jリーグなどのキャンプ誘致やがまだすリーグの開催などを積極的に行います。  各種まつり・イベントは、本市独自のまつりを目指して、調査・検討チーム「(仮称)100年まつりをつくる会」の発足に向け取り組みます。   温泉給湯事業は、「島原市温泉給湯事業審議会」の提言を踏まえ、加温設備の見直しと給湯管の全面的な布設替えに取り組みます。 (写真)物産展の様子(全国各地で物産展を開催) 6 建設部門  活力ある地域づくりと安全で快適なまちづくりのためには、幹線道路の整備は必要不可欠であります。  「島原道路」の出平町から有明町間は、国土交通省や長崎県と連携を図り、全線早期完成に向け積極的に推進します。  船津地区の高潮対策は、高潮堤防案の早期事業化に取り組みます。  公営住宅は、第7期工事の21戸の完成を目指します。  建築物の安全性の確保は、戸建て木造住宅、不特定多数者や身体に障がいをお持ちの方などが利用する民間の建築物の耐震診断、住宅のリフォーム工事費用の助成を行います。  都市計画道路は、霊南山ノ神線の整備を計画的に進めるとともに、長池三会線の延伸の要望を行います。  景観の形成・保全は、街なみ環境整備事業によるまちづくりに住民と協働で取り組みます。  鯉の泳ぐまちでは、地域の中核となる施設の整備を行います。  水無川、中尾川などの砂防指定地内の利活用は、ジオを体感できるウォーキング・ランニングコースなどを整備します。  生活排水対策は、「島原市生活排水処理基本計画」による浄化槽整備を推進します。  下水道計画の見直しは、国の制度や財政措置の状況を見極めながら取り組みます。 7 消防防災部門 防災対策は、「災害に強い人づくり・まちづくり」を推進するとともに、災害に強い島原市の実現を目指します。特に、溶岩ドームは、雲仙復興事務所と九州大学地震火山観測研究センターなどと連携し防災監視・観測体制の強化に努めます。また、防災行政無線のデジタル化へ向けた整備を行います。  防災避難訓練は、安中地区を対象に溶岩ドーム崩落を想定して実施します。  消防団員の確保は、地元町内会・自治会および消防団後援会との連携・協力を図るとともに、事業所などの理解を得ながら取り組みます。  自主防災組織は、自主防災会ごとに地域防災マップを作成します。 (写真)防災行政無線 8 教育部門  教育は、噴火災害復興の体験から学んだ「生命(いのち)・きずな・感謝の心」の精神を引き継ぎ、心豊かで活力ある生涯学習社会の構築に努めます。  学校教育は、知・徳・体の調和のとれた児童生徒の育成を目指します。  具体的には、少人数授業などを充実させ、確かな学力を身につけさせる教育活動を推進します。さらに、市独自の学力テストを実施します。  いじめ・不登校問題は、各中学校に心の教室相談員を配置するなど、早期発見・早期対応、未然防止に努めます。  国際化への対応は、外国語指導助手や外国語活動支援員を配置し、国際理解教育および外国語教育を推進します。「中学生海外訪問交流事業」は、シンガポールを訪問します。  特別支援教育の充実は、全小・中学校に特別支援教育支援員を配置します。  小・中学校の施設整備は、非構造部材の耐震化について、小学校5校、中学校2校の設計および小学校4校、中学校3校の工事を実施します。  小学校校庭の芝生化は、第四小学校において、エコ芝生化に取り組みました。今後も、小学校の校庭の芝生化に努めます。  社会教育は、「島原市ココロねっこ運動」 の充実を図ります。また、「スクールキッズ」事業を、小学生を対象に夏休み期間中に実施します。  文化財は、松平文庫の整理保存・活用などに取り組みます。特に、島原城は、石垣調査や石垣復旧に伴う発掘調査の成果を活かし、長崎県の文化財指定を目指します。さらに、愛知県幸田町との歴史・文化交流を図るとともに、深溝本光寺の島原藩主の墓地から出土した貴重な宝物展の開催を検討します。  文化振興は、自主文化事業、美術展、音楽祭などを開催します。  スポーツ振興は、平成新山島原学生駅伝などを開催するとともに、有名なスポーツ選手が直接学校を訪問し、児童生徒との交流を深める「夢の教室」を開催します。そして、総合型地域スポーツクラブを展開し、誰もがスポーツに親しめる社会づくりの実現に努めます。  国体の開催は、全市民による“おもてなし”の心で、コンパクトな中にも魅力あふれる大会開催を目指します。 (写真)校庭芝生化(四小) 9 水道部門  市民の皆様に、100%天然地下水の水道水を、安心して使用してもらうため、島原市水道事業基本計画に基づき事業を推進します。  今後は、島原地区簡易水道の統合、民営水道区域の取込みならびに施設の更新・耐震化、新規水源の開発および取水から配水システム再構築のための事業を進めます。  水道料金は、平成26年度から市内水道事業において統一料金とします。  以上が、平成26年度における各部門の主要な施策です。    厳しい財政状況の中でありますが、全職員一丸となって、時代の要請と市民の期待に応えるため全力を傾注します。市民皆様には、市政の推進に一層のご支援ご協力をお願い致します。