ふるさと再発見 『探索書』に遺された、築城間もない島原城の姿  今回は島原城にまつわる2つの資料を紹介します。  いずれも、外部の何者かが内密に調査をさせ、記録・報告させた、いわゆる『探索書』と呼ばれるもので、九州各地の城の様子がつぶさに記されています。その中には、島原城も含まれており、内容が寛永年間(島原の乱以前)と推定されることから、築城間もない島原城の様子という大変貴重な情報を、これらの資料はもたらしてくれています。  『隣国様子聞合帳(りんごくようすききあわせちょう)(神戸大学蔵)』は豊後・岡藩(大分県竹田市など)の藩主である中川家に伝来した資料です。本丸と二の丸の間に高々と石垣が見えることや、二の丸にある殿様の百疋馬屋(ひゃっぴきうまや)に繋げられた馬の様子などが簡潔に記されています。  もう一つの資料『筑前筑後肥前肥後探索書』の原本は、忍者の里としても知られる甲賀・水口(滋賀県甲賀市)にあったもので、現在は写本が長崎歴史文化博物館に伝わっています。  注目すべきは、簡略ながら絵図が描かれていることです。外郭にはすでにいくつもの櫓が築かれていることや、三の丸屋敷があったところには「侍町」と表記されるなど、さまざまな情報が図示されています。また本文の記述も石垣の高さや堀の幅を間数で記すなど具体的に記されています。  いずれの資料も翻刻さていますので、ぜひご覧ください。 (松平文庫学芸員 吉田 信也(よしだ しんや)) (図面)筑前筑後肥前肥後探究書(『九州史料叢書』16)より クローズアップ 「絵手紙教室」  今回、紹介するのは、はがきに絵を描き、言葉を添え、真心こもった手紙を作る「絵手紙教室」の皆さんです。  絵手紙教室は、平成13年にスタートし、22人の会員が月2回(第2・4水曜日)活動を行っています。  絵手紙に描く題材は、イワシやツバキなど旬な素材を選び、色付けが終わると、贈る相手のことを思い、一言メッセージを添えているそうです。  上手く書けるかどうかではなく、受け取った人に喜んでもらいたいという気持ちで筆を走らせ、約2時間で作品ができあがるそうです。  できあがった作品は、相手に贈るほか、白山公民館に展示したり、公民館まつりなどにも出展し、見る人たちの心を和ませてくれています。  会員の人に伺うと「年賀状を絵手紙で出したら、すごく好評だった」、「孫に出したら、孫から手紙が返ってきた」、「普段見慣れた風景の見方が変わり、楽しみが増えた」など絵手紙を贈る方も貰う方も絵手紙を通じ、優しい気持ちになれるようです。  皆さんも、「心の贈り物」を通じ、優しい気持ちを相手に伝えてみてはいかがでしょうか。 ▼問い合わせ先 白山公民館(63-2221) (写真)絵手紙教室会員の集合写真 (写真3枚)絵手紙作成の様子など