島原城天守閣復元50 周年記念特集B  島原を象徴するランドマーク「島原城」の天守閣が昭和39年に復元され、本年4月で50周年を迎えました。そこで今月号でも前月号に引き続き、島原城を特集します。  郷土の歴史家で、現在、島原城専門員として展示資料の解説などを行っている松尾卓次さんによる寄稿記事。島原城の築城から現在までの変遷について、その歴史的背景や裏話も交えた解説となっています。(今月は「B島原城天守閣の復元」を紹介します) 問い合わせ先 しまばら観光おもてなし課(63-1111 内線213) (写真)島原城専門員 松尾 卓次さん 「島原城復元 50 周年」 B島原城天守閣の復元1876(明治9)年に解体された島原城は、1964(昭和39)年に復元する。当時の絵図面や藩日記、古記録を元に築城時と同じ姿の天守閣が現れた。建築費約9000万円也。その費用の3分の1は島原市民と出身者の寄付によるもので、城にかける熱い思いが込められた昭和の城造りであった。  昭和32年、島原市は島原城址公園10カ年計画を立て、同年建設省の認可を受けた。計画の主な内容は、総工費1億円で、城址全体を公園化し、本丸に天守閣、3層櫓、透かし塀などを復元する。その実現を目指して、まず三層の西の櫓が昭和35年2月完成。いよいよ次は天守閣の番と、計画概容が発表された。設計は東京工業大学教授藤岡通夫博士で、旧藩時代の古記録や「ありし日の島原城」絵などを参考にして図面を引く。  その構想は、地下1階、地上5階、鉄筋コンクリート造りの天守閣を復元する。高さ33.6m、延べ面積1952.2平方メートル。 利用計画として、博物館史料館、郷土物産館などを主体に観光ムードを盛り上げた個性ある観光会館として活用する。東京オリンピッ ク大会までには実現させる。  いよいよ島原人の夢の実現へ向かう。島原城天守閣復元期成同盟会が生まれ、3000万円を目標に基金募集が始まった。また島原 新聞社の提唱による瓦一枚運動が始まった。  昭和38年3月23日に起工式が行われて、翌39年4月10日に落成式を迎えた。1000人が参列して盛大に挙行された。このとき旧藩 主の御子孫さまから島原城の宝刀である神気・神息と松平文庫が島原市に寄贈された。また多くの方々から展示史料が寄せられた。  復元された島原城天守閣館内は資料館になっていて、1階はキリシタン史料室、2階は郷土史料室、3階は民俗室、4階は観光と物産コーナー・休憩室、5階は展望所となっている。  その後、城址公園の充実を図るために、昭和47年11月辰巳櫓(西望館として)が、丑寅櫓(民具館)が昭和55年5月に完成した。新しくは観光復興記念館が平成8年5月にできている。  この50年間に約1735万人が島原城に訪れ、約1037万人が登閣した。現在も、島原城は島原のシンボルとして、地域の活力と誇りの源としてでーんと立つ。島原城と島原城下町の今日性は失われることはなく、むしろ輝いている。改めて仰ぎ見る島原城である。    復元50周年を迎えた島原城では年間通して記念行事や催し物をいっぱい計画しています。その時はぜひお出かけください。   島原城入館料 大人540円、小人270円  下記割引券持参で島原市民は50%割引になります ※車で入場する際は駐車場代が別途必要です 島原城特別入館割引券 4枚 特別入館割引券50%割引 ※本券の利用は島原市民に限ります ※1枚につき1名様ご利用できます ※他の割引との併用は不可 ※コピー不可 島原城 有効期限 平成27年3月末まで有効 島原市