つなごう!未来へ 島原半島世界ジオパーク57 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ●仁田峠と紅葉 〇イチョウの葉が黄色くなる理由  毎月、島原半島内のジオサイトやその見どころを紹介するこのコーナー。今回は仁田峠の紅葉について紹介します。  木の葉の中には、色のもとになる2つの物質が含まれています。一つは緑色のクロロフィル、もう一つは黄色のカロテノイド(カロチン)です。通常は、カロテノイドよりクロロフィルの方が多く含まれているので、葉は緑色をしています。ところが秋になり、気温が下がってくると、緑色のクロロフィルが分解されて量が減り、隠れていたカロテノイドが目立つようになるため、葉は黄色くなります。カエデの一部やイチョウの葉が黄色くなるのはこのためです。 〇日当たりのよい葉はきれいに赤く染まる  一方、気温が下がってくると、樹木は同時に葉からの水分の余分な蒸散を防ぐために、葉の付け根を締め、木の幹と葉との養分の行き来を断ち切ります。すると、それまで光合成によって葉の中に蓄えられていた樹木のエネルギー分(糖分)と、葉の中にあるタンパク質(アミノ酸)がくっついて、アントシアニンという物質ができます。 これは熟したリンゴやブドウなどに含まれる赤や紫の色素で、太陽光に当たる場所ほどアントシアニンがたくさん作られることから、日当たりのよい枝の葉はきれいに赤く染まります。 〇ジオの恵み  紅葉する木はまとめて落葉樹と呼ばれるのに対し、一年中緑色の葉を付けている木は常緑樹と呼ばれます。標高約1000mの仁田峠周辺は、カエデやヤマボウシなどの落葉樹と、モミやツガなどの常緑樹が混在する気候条件下にあり、多種多様な植物が生えています。これら多様な植物が生えているからこそ、毎年秋には赤、黄、緑に彩られた山の美しい紅葉が楽しめるのです。 この紅葉は、まさに雲仙火山の噴火が創り上げた絶妙な自然環境が、私たちにくれた贈り物と言えるでしょう。  国の天然記念物に指定されている「普賢岳紅葉樹林」を見に、仁田峠に出かけてみませんか。  次回は「島原半島が生まれた場所・早崎半島」を紹介します。 (写真)妙見岳の美しい紅葉 ●「阿蘇ジオパークジオツアー」参加者募集  世界ジオパークに認定された「阿蘇ジオパーク」を楽しむジオツアーを開催します。現地ガイドの説明を聞きながら、日本最大規模のカルデラの絶景を楽しんでみませんか?  と き 12月7日(日)8時集合 19時30分解散  ところ 阿蘇(熊本県)  集合・解散場所 島原市役所 東側駐車場  定 員 40人(先着順)  参加費 大人3500円、小学生2000円、3歳以上の幼児      1000円(参加費には集合場所からの交通費、昼食代、ガイド料、保険料を含む)  申込方法 11月21日(金)までに島鉄観光(63-2341)へ電話で申し込んでください  問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会(65-5540)