つなごう!未来へ 島原半島世界ジオパーク62 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ▼雲仙火山最初期の姿を伝える地層群 龍石海岸 毎月、島原半島内のジオサイトやその見どころを紹介するこのコーナー。今回は南島原市西有家町にある龍石海岸です。 ●龍石海岸の地層 国道251号を、有家から北有馬方面に向かって進むと、海に突き出た岬があります。美しい地層が見えるこの場所が龍石海岸です。海の中にたまった地層(写真@)を覆っている、軽石をたくさん含んだ黄色っぽい地層(写真A)が、約50万年前に活動を開始した雲仙火山の最初期の地層だと言われているのですが、なぜそのようなことが分かるのでしょうか。  「噴火直後の活火山に穴をあけ、マグマの通り道を調べる」という画期的な研究(雲仙科学掘削計画)が、平成11年から6年間、雲仙火山地域で行われました。その中で、地面に直接穴をあけ、島原半島の地下の地層の積み重なりを調べたところ、地下およそ1200mのところに、龍石海岸で見られるような軽石を含む地層が発見されました。この地層が、雲仙火山と異なる成分を示す火山噴火の地層をじかに覆っていたことが、龍石海岸で見られる地層が雲仙火山最初期のものであることの根拠の一つになっています。  では、雲仙火山の最初期の噴火は、いったいどのようなものだったのでしょうか。軽石は、マグマ全体が一気に泡立ち、爆発的に火口から飛び出すような、激しい噴火によってできます。つまり雲仙火山は、爆 発的な噴火によって誕生したのです。  しかし、爆発的な噴火は、雲仙火山の場合は初期だけで、その後は現在のように、主に溶岩ドームを成長させるような活動に変わりました。噴火によって火口の近くにたまった土砂は、雨のたびに土石流となっ て山の斜面を流れ下りました。これが幾度となく繰り返され、雲仙火山は次第に大きな裾野を引くようになりました。この裾野の一部が龍石海岸に到達して地層(写真B)がたまったことにより、海に突き出た岬ができたのです。 (写真)龍石海岸の露頭 ●琴平神社  地域の人は、須川港を出入りする船舶の安全を祈願するために、この岬の上に琴平神社を建立しました。琴平神社は、今も有明海を行き来する船の往来の安全を祈り続けています。  次回は「島原城」を紹介します。 (写真)岬状の地形を利用して建立された琴平神社 ▼島原城特別入館割引券(50%割引)×4枚 有効期限 平成27年3月末まで有効 ※本券の利用は島原市民に限ります ※1枚につき1名様ご利用できます ※他の割引との併用は不可 ※コピー不可