●ふるさと再発見 ○稲葉信通(いなば のぶみち)が留守番した島原城  1668年(寛文8)2月、島原藩主 高力高長(こうりき たかなが)が改易(かいえき)(領地を没収する刑罰)に処せられます。同年4月、島原城の受取を命ぜられた、豊前中津藩主 小笠原長勝(おがさわら ながかつ)(本丸担当) と肥前平戸藩主 松浦鎮信(まつら しげのぶ)(二の丸担当) に城が引き渡されます。   そして翌月21日、在番を命ぜられた豊後臼杵(ぶんごうすき)藩主 稲葉信通(いなば のぶみち)に引き継がれました。  後年に編纂されたものですが、歴代臼杵藩主の事績が記録された『稲葉家譜』から信通が島原城の留守番をしていた頃の様子を垣間見ることができます。  5月7日に臼杵を出立した信通は12日は深江村に入り、その庄屋宅が島原城に入るまでの本陣となりました。入城の際には1600人余りの家臣を率いています。  留守の間についての記述は決して多くありませんが、島原城の修復を行ったことや、原城の視察、温泉山(うんぜん)(雲仙)に登り、絵師に山境を描かせ、後日清書したものを温泉山(うんぜんやま)の一乗院に贈ったことなど、これまで島原ではあまり知られていなかったことが記載されています。  そして、12月に日向飫肥(ひゅうがおび)藩主 伊東 祐実(いとうすけざね)と交替し、信通の島原城在番の任務は解かれます。  現在、臼杵市で稲葉家文書の本格的な調査・目録化が進められています。この機会に描かれたと思われる島原城や島原半島の絵図もあります。藩主不在の空白期のことについて、さらに解明していくためにも、この調査の完了が待たれるところです。 (松平文庫学芸員 吉田信也(よしだ しんや)) (写真)『稲葉家譜』影写本(えいしゃぼん)の写真(東京大学史料編纂所HPより) ●クローズアップ  ○「健康づくり推進員」  (写真)健康づくり推進員の集合写真  今回、紹介するのは市民の健康づくりのために活動している「健康づくり推進員」の皆さんです。  「健康づくり推進員」は、平成23年から活動が始まりました。現在、69人の推進員が市民の健康づくりのため、運動の普及や各地区の家庭を訪問して、特定健診の受診を勧める活動などを行っています。  健康づくり推進員連絡会の会長である坂本梓さんに話を伺うと、「保健センターの転倒予防教室をきっかけとして自分の健康を意識するようになりました。そして、周りの人にも健康になってもらいたいと思うようになり、健康づくり推進員になりました。皆さんも若いうちから健康に対する意識を持って、健診などを積極的に受けてほしいです」と話してくれました。  また、推進員の中島弘子さんに話を伺うと「推進員の活動を通じて、いろんな人と知り合い、話ができることが楽しいですよ」と笑顔で話してくれました。  市保健センターでは、「健康づくり推進員の皆さんの活動のおかげで、毎年、特定健診の受診率が上がってきています。今年度から『いきいき健康ポイント事業』も始まりました。推進員の皆さんと一緒になって市民の健康づくりに取り組んでいきたいです」と話してくれました。  健康づくりに興味のある人は、「健康づくり推進員」になって、自分だけでなく周りの皆さんの健康づくりにも取り組んでみませんか。  詳しくは、保健センター(64-7714)へ問い合わせてください。  (写真1)健康づくり推進員による血圧測定の様子  (写真2)健康づくり推進員による特定健診受診勧奨の様子