つなごう!未来へ 島原半島世界ジオパーク67 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ●〜災害を今に伝える遺構〜土石流被災家屋保存公園  毎月、島原半島内のジオサイトやその見どころを紹介するこのコーナー。  今回は南島原市内にある「土石流被災家屋保存公園」です。  火山噴火が起こると、大量の火山噴出物が火口の近くにたまります。それらの土砂は完全に固まっていないため、大雨が降れば表面が削られて、麓まで流れてきます。それが土石流です。  平成2年(1990年)11月17日から始まった平成噴火では、火砕流に加えて土石流も頻繁に発生しました。大雨時に発生した土石流によって国道や鉄道が何度も寸断され、私たちの暮 らしは大きな影響を受けました。奇跡的に人的被害はなかったものの、土石流の被害に遭った家屋が1692棟に達するなど、多くの財産が失われてしまいました。  道の駅「みずなし本陣ふかえ」に隣接する「土石流被災家屋保存公園」には、土石流の被害を受けた家屋11棟が当時の姿で残されています。この地域を襲った土石流は平成4年(1992年)8月8 日から14日の間に発生したもので、その一部は、台風に伴う豪雨の最中に発生した規模の大きな火砕流の一部が大量の雨水と混ざり、高温の土石流となったものです。 この場所にたまった土砂の厚さはおよそ3メートルに達します。これは、地下を3メートル掘れば、噴火前の地面が出てくることを意味しています。  このような火山噴火に伴って発生した土石流の被害を受けた家屋群をそのままの姿で保存している場所は国内に例がないことから、この公園は火山災害の怖さを伝える大変 重要な遺構といえるでしょう。  土石流は、火山噴火だけでなく大雨によっても発生します。島原半島では、今年の6月10日から続いた豪雨の際に、赤松谷川の上流域で小規模な土石流が発生したことが確認されました。今後も大雨時には土 石流の発生が懸念されます。普段から避難場所を確認するなど、災害時への備えをしておきましょう。  次回は、小浜温泉を紹介します。 (写真)土石流によって寸断された国道251号(平成3年) (写真)土石流被災家屋保存公園に保存されている家屋群 (写真)一部の家屋群にはテントがかけられています ●「天草ジオパークジオツアー」参加者募集  「天草ジオパーク」を楽しむジオツアーを次のとおり開催します。皆さんの参加をお待ちしています。 ▼と き 10月4日(日) ▼ところ 天草ジオパーク(熊本県天草市) ▼集合時間・場所 7時 島原市役所 大手浜駐車場 ▼定 員 40人(先着順) ▼参加費 大人3500円(中学生以上)・子ども2500円(小学生以下)      (交通費・昼食代・ガイド料・保険料込) ▼申込期間 8月17日(月)〜 9月11日(金) 9時〜17時 ▼申込方法 島鉄観光(63-2341)に電話で申し込んでください ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会(65-5540)