1 協議会構成員
・島原市  ・島原商工会議所  ・島原市商店街連盟  ・島原温泉観光協会  ・島原温泉旅館組合
・島原観光土産物品協会  ・長崎県菓子工業組合島原支部  ・島原雲仙農業協同組合島原支店
・島原雲仙農業協同組合三会支店  ・島原漁業協同組合 
・(社)全日本司厨士協会長崎県本部島原雲仙分会  ・島原南高薬剤師会 ・長崎県三会4Hクラブ
・(株)ケーブルテレビジョン島原  ・島原薬草趣味の会

2 パッケージ事業の実施に係る地域
  長崎県島原市

3 パッケージ事業の趣旨・目的
島原市は平成3年から約5年6月にも及ぶ雲仙普賢岳の噴火災害により、5千人近い居住人口の流出や観光客の減少、企業の倒産、撤退等により地域経済は深刻な打撃を受け、今なお地域社会・経済に大きな影を落とし、一方、全国的な少子高齢化の中、災害による人口減少も大きな要因となり、現在では約4人に1人が65歳以上という環境にある。
更に、島原半島地域の有効求人倍率も、平成15年度で0.59倍と、全国平均の0.69倍を大きく下回り、直近の平成16年12月の状況を見ても0.67倍と全国平均の0.94倍と比べ雇用情勢の地域間格差が更に拡大しており、地域雇用の創出と雇用機会増大の取組みが大きな課題となっている。
このような環境にあって、地域経済・社会の活性化による雇用機会の創出・増大は重要な課題であり、特に地域経済の活性化は雇用効果と相まって、若年層の大都市への流出を抑制し、人口定住を促進するものと考える。また、本市は観光都市であると同時に県下有数の農業地帯であり、また、有明海の海産物も豊富なことから、地域の安全・安心な農産物や海産物の地産地消を図るとともに、ブランド化により付加価値を高め、全国的な展開を進めることで、一次産業の活性、浮揚を進めることが地域経済の浮揚にとって重要である。
更には、本市の基幹産業のひとつである観光産業や、商業、サービス業などについても、農林水産業と連携して振興を図ることも重要な課題となっており、特に、観光面においては、平成15年に本市を訪れた観光客の動態をみても、入込客数で災害前の8割、宿泊客数では災害前の6割にとどまるなど、噴火災害以降低迷が続いており、新たな地域資源の活用等による産業振興策と連携し、いかに本市観光の集客に結び付けていくかが、市の基幹産業のひとつとして地域雇用に大きく係わる課題である。
 これらの課題を解決するため、平成16年度に策定した地域再生計画「島原健康半島構想」における産業振興の取り組みと連携し、またそれを雇用面からバックアップする「地域提案型雇用創造促進事業(パッケージ事業)」を活用することにより諸問題を解決し、更なる、そして本格的な産業振興・雇用創造・地域振興を図ろうとするものである。

4 市町村又は経済団体等が実施する地域再生の取組 (実施主体・・・島原市)
取組の概要
(1) 地域再生計画「島原健康半島構想」の推進による産業振興
  (薬草を活用した産業振興による地域再生)
薬草を地域再生のキーワードとして、薬草を活用した商品等を新たな地域ブランド・観光資源として確立し、豊かな農水産物や湧水・温泉など既存の観光資源の活用と連携して、全国にアピールすることで、長期滞在型を含む地域観光の集客を促進し、基幹産業である観光産業の振興を図るとともに、関連する多様な産業を活性化することによって、地域振興と新たな雇用機会の創造を図る。
① 薬草を活用した商品の開発・販売(薬草料理・菓子等)
② 地域の農水産物の地産地消の推進・ブランド化
③ 薬草の地域ブランドとしての情報発信

(2) その他
④ 雲仙・普賢岳噴火の火山灰を利用した土産品の開発・販路開拓


5  4の取組の課題
健康半島構想の具体化による産業振興を図るための人材不足 ⇒ 人材の育成・確保
① 市内にある遊休農地等を利用した薬草の栽培など、薬草料理等に使用する薬草を安定して供給できる体制を確立することが構想推進の大きな課題であり、薬草についての正しい知識や、栽培技術をもった人材の育成・確保が必要である。
② 薬草料理の特産品化や、農水産物の地産地消・ブランド化を進めるため、薬草料理等に使用する農水産物についても、地域の安全・安心な農作物等を使用することが基本であり、無農薬栽培や有機農法など、薬草を含め、より安全で安心な農作物の栽培技術をもった人材の育成・確保が必要である。
③ 薬草の利用を多角的に検討し、各業種で活用していくことで、市全体の産業の活性化を図り、そこから生み出される雇用機会の拡大を図る取組みを進めることが重要であり、薬草の知識の普及と、商品開発力を持った人材の育成・確保が必要である。
④ 商品のブランド化及び販路拡大において、いかに情報を全国に発信するかが極めて大切な課題であり、インターネット等を活用した販売・宣伝技術者の人材育成・確保が必要である。また、薬草を使った商品を新たな観光資源として活かし、いかに地域観光の集客に結び付けるかが重要であり、旅館・ホテル等の観光産業において、薬草料理等をセールスポイントとしてアピールし、集客を図ることができる営業能力をもった人材の育成・確保が必要である。
⑤ コミュニティビジネスの企業化等、新たな創業・起業を図り事業を発展させていくためには、企業家としての資質や人材能力開発を含めた人事・労務管理能力の修得が欠かせないことから、それらの支援を行うことが必要である。


6 パッケージ事業の内容及び4の取組との連携方法

(1)起業化等講演会(セミナー)の開催
薬草を活用した産業の起業化や事業活動の支援
[連携方法]
創業希望者等の商品開発や起業化のノウハウの習得により、薬草を活用したコミュニティビジネス等の早期の起業化を促進するとともに、経営者や創業者等に対する事業拡大を支援する。
(2)人事・労務管理等講習会の開催
 人事管理や労務管理に関する講習会の開催
[連携方法]
創業希望者や創業者等の労務管理や経営能力の習得、向上により、起業化と安定的な経営を促進する。
(3)商品開発等の能力をもった人材の育成
商品開発や販路開拓等の能力をもった人材育成のための、求職者等に対する講習会
[連携方法]
薬草等を活用した商品開発、販路開拓などの技術・知識をもった人材等を育成し、地域内求職者の就職と地域内での起業化を促進する。
(4)販売・宣伝技術者(プロモーション人材)養成
広告代理店等の専門家講習や、インターネットを活用した情報発信・宣伝・販売術、各種物流システムに関する講習
[連携方法]
商品のPR、情報発信や販路開拓、拡大の技術を習得した人材や、新たな商品等を活かした観光客誘致の営業能力を備えた人材を確保することにより、新たに開発した商品の販売や観光客誘致を促進し、各産業分野を活性化する。
(5)薬草料理・菓子製造人材育成講習の開催
(プロ養成)
島原ブランドの郷土料理として開発した薬草料理や薬草を使用したお菓子等の調理講習
[連携方法]
創業希望者や求職者に対する薬草料理・薬草お菓子の調理技術等の習得、向上により、地域内での就職等を容易にするとともに、旅館、飲食店、菓子製造等の事業に従事する調理師等の調理、製造の技術力を向上させることで、新たな地域ブランドとして定着、確立する。
(6)HP等による情報発信・提供
協議会ホームページを開設し、各種講習会の案内や開催情報、地域内の関連企業の求職情報等を提供。また、講習会やセミナー開催案内・開催情報について、パンフレットを作成し、広く周知。
[連携方法]
インターネットを通じた全国的なPRを展開し、地域求職者の人材育成・確保を進めるとともに、全国の創業希望者や求職者、企業等に情報を提供することで、有能な人材の確保を図り、民間活力による地域内での新たな創業化を促進する


7 雇用創出効果の見込み
 (1)アウトプット指標
   イ 事業利用企業数(総数)
①1年度目  56社  ②2年度目  87社  ③3年度目 119社  (3年度合計 262社)
   ロ 事業利用求職者数(総数)
①1年度目 110人  ②2年度目 165人  ③3年度目 220人  (3年度合計 495人)

 (1)アウトカム指標
   イ 事業利用企業等における雇い入れ数(目標値)
①1年度目  10人  ②2年度目  16人  ③3年度目  22人  (3年度累計  48人)
   ロ 事業利用求職者数の地域内における就職件数(目標値)
①1年度目  17人  ②2年度目  25人  ③3年度目  33人  (3年度累計  75人)
   ハ 創業希望者等による新規起業(目標値)
①1年度目  新規起業 2件  新規雇用 4人
②2年度目  新規起業 3件  新規雇用 6人
③3年度目  新規起業 4件  新規雇用 8人 (3年度累計 新規起業 9件 新規雇用 18人)

島原健康半島構想の概念
「食と健康」・薬草の活用
地域提案型雇用創造促進事業(島原健康半島構想推進協議会)事業構想要約版