○島原市手話言語条例
令和元年7月12日条例第44号
島原市手話言語条例
手話は、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語である。
ろう者は、物事を考え、意思疎通を図り、お互いの気持ちを理解し合う手段として手話を大切に育んできたが、手話によって必要な情報を得ることや意思疎通を図ることができる環境は十分には整っておらず、多くの不便や不安を感じながら生活してきた。このような中、障害者の権利に関する条約及び障害者基本法において、手話は言語として位置付けられたものの、手話に対する理解の広がりを未だ感じる状況に至っていない。
島原市は、手話が言語であるとの認識に基づき、具体的な施策を推進し、手話に対する理解を広げ、全ての市民が互いに支え合い、安心して暮らすことができる共生社会を目指し、この条例を制定するものである。
(目的)
第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進及び手話の普及に関する基本理念を定め、市の責務及び市民等の役割を明らかにするとともに、市が推進する施策を定めることにより、全ての市民が安心して暮らすことができる共生社会を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) ろう者 聴覚障害者のうち、手話を使い日常生活を営む者をいう。
(2) 市民等 市内に住所を有する者及び市内で事業を行う法人その他の団体又は個人をいう。
(基本理念)
第3条 手話に対する理解の促進及び手話の普及の推進は、手話が言語であること及びろう者が手話により意思疎通を図る権利を有することを前提として、ろう者とろう者以外の者が、互いに人格と個性を尊重することを基本として行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、基本理念にのっとり、手話に対する理解の促進及び手話の普及を図り、手話を使用しやすい環境を整備するために必要な施策を推進するものとする。
(市民等の役割)
第5条 市民等は、基本理念に対する理解を深めるとともに、市が推進する手話に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(施策の推進)
第6条 市は、基本理念に基づき、次に掲げる施策を推進するものとする。
(1) 手話に対する理解の促進及び手話の普及に関すること。
(2) 手話による情報取得の機会の拡充に関すること。
(3) 手話による意思疎通の支援に関すること。
2 市は、前項の施策を推進するために必要がある場合は、ろう者その他関係者の意見を聴くよう努めるものとする。
(財政措置)
第7条 市は、手話に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第8条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。