雲仙普賢岳は、平成2年(1990年)11月17日に198年ぶりに噴火し、平成3年5月15日には水無川で最初の土石流が発生しました。
溶岩ドームは5月20日に出現し、5月26日、6月3日には火砕流により死傷者、行方不明者が発生し、堆積物により土石流の発生しやすい状態であった水無川から溢れ出た土砂によっておおきな被害をうけました。
その土石流が海を埋めてできた新しい陸地に建設されたのが、火山のすべてを体験できる日本で唯一の施設「雲仙岳災害記念館」です。
通称「がまだすドーム」といい、がまだすとは島原地方の方言で「がんばる」という意味です。
1996年の噴火終息宣言まで、この地で何が起き、何が残ったのか、自然の驚異と災害の教訓を風化させることなく正確に後世へ残すためにつくられました。
がまだすドームは、「見る」「体験する」「遊ぶ」「学ぶ」「憩う」がテーマで、有料展示ゾーンと無料のメディアライブラリーゾーンとで構成されています。
火山を大迫力のドーム型スクリーンで火砕流・土石流を疑似体験できる「平成大噴火シアター」をはじめ、寛政4年(1792年)の噴火「島原大変肥後迷惑」の様子を歌舞伎の手法を取り入れて紙芝居風に上映する「島原大変シアター」、焼け焦げた電柱や電話ボックスなどの実物や、日本に3つしかない貴重な資料の平成噴火噴出物のはぎ取り標本、6月3日の大火砕流で犠牲になったカメラマンの被災カメラに残されていた実写映像をもとに編集したドキュメンタリー「雲仙・大火砕流378秒の遺言」など、11のゾーンに分けて展示・放映されています。
わかりやすく、リアルに体感しながら学習できる全国初の火山体験学習施設です。
毎年6月には、追悼式典である「いのりの灯」が開催されます。