「ガンバ」「ガネ」と並び称される島原・郷土料理の代表格。
正月の雑煮は各地でいろいろと違いますが、島原地方の雑煮は具だくさんで、山の幸、海の幸がいっぱい盛り込まれていて、豊かな島原の産物を集大成化したようなものです。
また、一説には、何と、その考案者は一揆軍の総大将、天草四郎時貞、ともいわれています。
島原の乱では、幕府方の攻勢で原城内に封じ込められた一揆軍が“兵糧攻め”に遭って悲劇の最期をとげるわけですが、その際に四郎の命によって急遽作られたのが「具雑煮」という説です。
具雑煮は寛永14年(1637年)の島原の乱の時、一揆軍の総大将であった天草四郎が、約3万7千人の信徒たちと籠城した際、農民たちに餅を兵糧として蓄えさせ、 山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を炊き、栄養をとりながら約3ヶ月も戦ったと言われています。
材料は鶏肉、アナゴ、シロナ、レンコン、ゴボウ、凍り豆腐、椎茸、卵焼き、丸もち、春菊など十数種。まさに海の幸、山の幸の集大成です。 平成19年(2007)には、農林水産省の「農山漁村の鄕土料理百選」に卓袱(しっぽく)料理と並び選定されています。