かつて島原一帯が大飢饉に見舞われた際に、六兵衛という人が考え出した、とされる耐乏食です。 今から約220年前(1792年)島原市の背後にある眉山が崩落し、有明海には津波が巻き起こり、沿岸一体に大被害を与えたのが「島原大変」です。
その後、島原半島は食糧危機に見舞われ、サツマイモを主食とするようになりました。
その当時、深江村農家の六兵衛という人がサツマイモを粉末にして山芋を入れ、熱湯でこねて、うどん状にしたものを作ったのが「六兵衛」の始まりと言われています。
暖かい気候の島原では早くから甘藷づくりが盛んでした。
それで凶作も乗り越えることができたそうです。原料のサツマイモの粉に、つなぎに粘性のあるヤマイモを使用しています。見た目は太麺のソバのようですが、甘味があるのが特徴です。
ダシはすまし汁で、ネギや七味唐辛子をかけると美味しさが増します。 耐乏食だった過去もありますが、現代風にアレンジされ、素朴な味わいの郷土料理として愛されています。