びょうぶ折になった石垣
島原城が最も美しく見えるのは、本丸南東側から見上げるアングルだと言われます。
島原城のポスターなどにも使用され、市民や観光に訪れた人たちに親しまれている風景です。
さて、そこから少しだけ北に移動して石垣を見ると、幾重にも折り重なって、まるでびょうぶのように見えます。これだけでも美しい景観ですが、実はこれが島原城の防御のために重要な意味があるということを皆さんは知っていましたか。
石垣のラインが何度も折り曲げてあることで、敵を攻撃する角度が大きくなり、攻めて来る敵を側面から矢や鉄砲で攻撃することができるのです。
島原城の築城者は「築城の名人」松倉重政。大手門側の、いわゆる城の正面にこのような強固な防御機能を持つ石垣を築くことは、大手門からの入城者に島原城の力強さを見せつける松倉の意図があったのかもしれません。
しかも、それが天守や櫓と相まって、島原城の堂々たる姿を形成していました。
本丸南東側から見上げる島原城に私たちが魅了されるのは、そこに島原城の力強さを感じるからなのでしょう。
(『広報しまばら』平成26年10月号「ふるさと再発見」)

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本丸南東側から見上げた島原城 | 幾重にも折り重なる島原城石垣 |