「武家住宅(山本家)」
下ノ丁北端の東側に山本家住宅はあり、武家屋敷山本邸として、一般に公開されています。
山本家は、家譜によれば、鉄砲師範の家柄で、文化10年(1813年)に、現在地の向かい側に屋敷を拝領しました。そして、慶應4年(1868年)に新たに建て居住したのが、現在の屋敷です。
山本家は、通りに面して長屋門を設け、その奥に主屋を建てています。
主屋は、茅葺き(かやぶき)の棟をL字型とする鍵家(かぎや)です。通りに平行な棟の下に、ゲンカンをもつシンシツ・ザシキ・オクザシキを並べ、直角の棟にイマと土間をもつダイドコロをおさめています。オクザシキには板床(いたどこ)・違棚(ちがいだな)・付書院(つけしょいん)といった座敷飾(ざしきかざり)をもち、座敷境(ざしきざかい)には欄間(らんま)をつけて、長押(なげし)を打つなど、武家屋敷らしい室内意匠(いしょう)となっています。柱は杉材、角釘を使っています。
長屋門は切妻造(きりづまづくり)・桟瓦葺(さんかわらぶき)で建築年代は主屋と同時期の慶應4年と考えられています。
○参考文献:「島原市鉄砲町伝統的建造物群保存対策調査報告書」島原市 平成21年3月
(『広報しまばら』平成24年11月号「ふるさと再発見」)

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【写真】山本家住宅、山本家復原図 |