蟹(かに)のことを地元では「がね」と呼びます。ここでいう「有明がね」とは「ワタリガニ」のことを指します。調理方法はいたってシンプル。お湯を沸かしながら20分ほど茹でれば、“極上の味”ができ上がりです。その際に注意しなければならないのは、しっかりと脚の部分をくくりつけておくこと。最初から熱湯に浸けないこともポイントです。甲羅に日本酒の熱燗を注ぎ込んでいただく「ツザケ」の味はまた格別。一杯目はそのまま。二杯目からは柿色がかった「セキ」を溶かしながらいただきます。脚の付け根から先端までギッシリ詰まった白身のプリプリ味。「タラバ、毛ガニになんか比較にならないほどウマイ!」。地元の人々は、その「味」に絶対の自信を持っています。