島原市
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平成27年度 施政方針

総務部 総務課 行政班 TEL:0957-63-1111(内線151,154) FAX:0957-64-5525 メールsomu@city.shimabara.lg.jp

平成27年度 施政方針             

 

 平成27年3月島原市議会定例会の開会に当たり、今後の市政運営についての所信並びに新年度当初予算の大綱など、施政方針を申し述べ、議員各位並びに市民皆様のご協力をお願い申し上げる次第であります。

  我が国の経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、昨年4月の消費税率引上げや、円安方向への動きに伴う物価上昇の影響もあり、個人消費などに弱さが見られる状況であります。
 このような中、政府は昨年12月、総額3兆5千億円規模の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を閣議決定したところであり、今後については、雇用・所得環境が改善するなか、各種政策の効果が出ることによって、景気は緩やかに回復していくことが見込まれております。
 一方、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、大都市圏への過度の人口集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的に、昨年11月に地方創生関連法案が成立し、政府において「まち・ひと・しごと創生本部」、いわゆる「地方創生本部」が立ち上げられております。
 本市においても、人口減少対策を最重要課題と位置付け、「島原市人口減少対策本部」を立ち上げているところであり、若手職員ワーキングチームの斬新かつ柔軟な発想を活かしながら、本市の諸課題を克服する施策を実施したいと考えております。そのことによって、急速に進展している人口減少に歯止めをかけ、地域の活性化を図りながら、「街が賑わい 人がふれあい 支えあう」市民が主役の島原市を創りたいと考えております。
 私が就任以来、市民の皆様とお約束した重点分野の7つの施策を掲げ、取り組みを進めてまいります。
1つ目に、市民皆様の意見を取り入れた施策など「市民目線に立った行財政改革の推進」
2つ目に、農林水産業の支援や、ふるさと納税の取り組みと連動した地場産品の魅力発信をはじめとする「産業の振興と島原地域ブランドの確立」
3つ目に、歴史的に繋がりの深い友好都市との交流促進など「歴史と文化を活かした観光都市づくりと交流人口の拡大」
4つ目に、安心して子どもを産み育てられる「子育てにやさしいまちづくり」
5つ目に、高齢者や障害者などを思いやる「福祉の充実」
6つ目に、島原の将来を担う子どもを育てる「教育の充実」
7つ目に、船津地区の高潮対策の推進など「安全で安心して暮らせる快適なまちづくり」の実現を目指します。
 次に、地方財政についてでありますが、平成27年度の地方財政計画を見ますと一般財源総額は、地方創生のための財源等が上乗せされ、前年度よりも1兆2千億円増額の61兆5千億円が確保されているものの、地方税の増収や交付税の別枠加算の縮小により地方交付税総額は、前年度よりも1千億円の減額となっております。
 また、地方公共団体が自主性・主体性を最大限発揮して地方創生に取り組み、地域の実情に応じたきめ細かな施策を可能にするという観点から新たに「まち・ひと・しごと創生事業費」として1兆円が歳出枠として新たに確保されておりますが、この財源については、地方の努力により捻出することとされており、今後、既存事業の廃止、縮小も視野に入れた取り組みが必要になるものと認識いたしております。
 さて、本市の財政についてでありますが、本市の特徴の一つに経常収支比率の高さが挙げられます。平成25年度決算におきましても92.3%と県下の他団体と比べても高い比率を示しており、財政構造の硬直化が進んでいます。
 新年度予算におきましても、固定資産税の評価替えにともない自主財源の約6割を占める市税の減額が見込まれる一方、医療扶助や障害者自立支援給付費など社会保障費の増嵩にともない扶助費の大幅な増額が見込まれ、財源不足を基金からの繰り入れにより収支バランスを図っている状況であります。
 特に平成28年度以降は、合併算定替え特例の段階的縮減、廃止や、本年10月に実施される国勢調査による人口減少の影響などで交付税の大幅な減額が見込まれるところであり、本市の財政状況は今後さらに厳しさを増していくものと予想されます。
 こうした状況を踏まえて、新年度の予算編成にあたりましては、経常的管理経費に前年度比5%減、既存事業の政策的経費に前年度比10%減の予算要求基準(シーリング)を設定して行政経費の削減を図るとともに、国・県の予算編成の動向を注視しつつ、可能な限り国、県の補助金などの特定財源の確保に努めました。
 こうした財源を活用しつつ、喫緊の課題である人口減少対策に向け子育て支援や就労環境支援、定住促進支援などの新規事業を積極的に取り入れました。
 特に「とことん子育てにやさしい街づくり」をテーマに財政面で有利な過疎対策事業債を財源として、これまでの小学生以下3人目以降の保育料無料化の第2子目以降への拡大、福祉医療費の対象年齢拡大などの所要経費を予算化するなど、事業の「選択と集中」を念頭に、メリハリの利いた予算編成に努めたところであります。
 この結果、一般会計の予算総額は、小・中学校体育館の非構造部材耐震化事業や厳しい財政運営が続く国民健康保険特別会計への繰出金、子ども子育て支援新制度開始に伴う児童措置費などの増額に伴い、対前年度比0.7%増の233億6,500万円となり予算総額としては合併後最大規模となりました。
 歳入、歳出の概要といたしましては、歳入面では市税や分担金及び負担金などの自主財源が減少する一方、地方消費税交付金や過疎対策事業債などの増により依存財源は増加しました。
 歳出面では、汚泥再生処理センター事業や国体推進室経費などの減により投資的経費や消費的経費は減少したものの、扶助費の増により総額の約2分の1が義務的経費となりました。
 また、特別会計は、温泉給湯事業特別会計が加温施設整備事業の減にともない3億5千万円の減額となる一方、国民健康保険事業特別会計は共同事業交付金制度の改正にともない歳入歳出ともに10億円あまりが増額となったため、総額では対前年度比7.3%増の95億8,280万円となりました。
 今後は、持続可能な財政運営を目指して、国・県の補助制度や財政的に有利な合併特例債、過疎対策事業債などの特定財源を最大限に活用して、行政の効率化とスリム化に向け職員一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。

 

1 総務部門
 本市は、4月1日で市制施行75周年を迎えます。三四半世紀の長きにわたり築かれてきた市政の歴史を未来へつなぎ、更に発展させるための契機にしたいと思っております。また、来年1月1日には、旧島原市と旧有明町が合併して10周年を迎えます。こうした節目を記念し、市制施行75周年や合併10周年の記念式典を開催するほか、市民皆様も一緒に参加できる催しなどをとおして、これからの島原市の更なる発展につなげてまいります。
 人口減少対策については、子育て支援として、「すこやか子育て支援事業」や「福祉医療費給付事業」の拡充に加え、「若者住まい支援補助金」や「子育て世帯住まい支援補助金」、「三世代ファミリー応援補助金」、「新婚さん応援住宅提供事業」、また、本市に住み島原半島外に通勤する人への「定住促進通勤支援補助金」などを実施して、若者がすこやかに子育てができる環境づくりに努めてまいります。
 さらに、若者支援として、創業時の雇用や人材育成の支援に加え、若者に地域づくりへの参画の機会を与え、若い世代が、失敗を恐れることなく、街づくりにチャレンジできる「若者チャレンジ事業」を新たに開始します。
 行政改革については、第四次行政改革大綱に基づき平成25年度からの5年間を計画期間とする実施計画に基づいて取り組みを進めておりますが、今後も、さらなる行政サービスの質の向上を目指し、定員管理の適正化や民間活力の導入、職員の意識改革や人材育成などに取り組みます。
 また、行政評価についても、外部の識者で構成する「行政評価委員会」などを活用しながら、民間の目線で行政の施策や運営などを評価し、事務事業評価と合わせて効率的な予算編成に反映させてまいります。
 社会保障・税番号制度、いわゆる「マイナンバー制度」については、国民一人ひとりに個人番号を付与することで、国民の利便性を高め、行政を効率化し、公平・公正な社会を実現する基盤を構築するものであります。主に社会保障、税、災害対策の分野で活用するものであり、新年度からの開始となっております。
 まず、個人番号をお知らせする「通知カード」の発送が本年10月から、平成28年1月からは「個人番号カード」の発行が始まることによって、「マイナンバー制度」の運用を開始します。平成29年7月に予定される本格実施まで、国と連携しながら、導入作業や窓口システムの改修等を進めてまいります。
 ふるさと納税については、昨年12月からポイント制を導入し、本市にご寄付いただいた方に対し寄付額に応じたポイントを付与し、寄付者ご自身がそのポイントを使って、パンフレットの中からお礼の品をお選びいただく仕組みとしたところ、本制度の開始以降、多くの皆様にご寄付をいただいているところであります。今後は、事務手続きの簡素化を図り、島原の優れた産品のPRを行いながら、ふるさと納税の推進に努めてまいります。
 職員提案については、職員が日常の気づきや関心事など、事業立案のヒントやきっかけとなるような幅広い意見を気軽に提案できるよう、ウェブシステムを活用した環境を整備しております。今後も職員の政策企画能力の向上を図るとともに、すぐに実施可能な提案については積極的に実践してまいります。
 職員研修については、自治大学校や市町村アカデミーなど外部機関への職員の派遣を継続して実施するほか、外部講師の活用や民間の協力を得ながら、政策法務や接遇マナーをはじめ、行政や社会経済全般に関する幅広い知識を習得するための研修を充実するとともに、管理職研修や平成26年度に新たに実施した採用後10年目となる職員の研修にも力を入れながら、職員の能力向上を図ってまいります。
 また、組織内のコミュニケーションを活性化し、横断的組織により施策を実施できるよう組織の変革を図るため、民間企業が持つノウハウを本市の観光行政に活かすための研修にも取り組みます。
 公の施設への指定管理者制度の活用については、平成26年度から施設の運営に利用者の声を活かすため、「島原市施設の魅力アップ懇話会」を開催しており、今後も内容等を改善しながら、利用者の声をお聞きすることで、サービス水準の向上を図ってまいります。
 また、平成26年度から指定管理者募集に係る事前説明会を開催しており、施設の管理運営に関心のある団体に指定管理者制度をはじめ施設の現状などに関する理解を充分に深めていただくための機会を増やすなど、応募者数の拡大に努めます。
 電子行政の推進については、電子決裁・文書管理システムや電子ファイルの統合管理など庁内システムの充実を図ります。
 地域情報化については、市からの情報発信を行うホームページのリニューアルや、フェイスブック、ツイッターなども活用し様々な手段を用いて幅広い情報発信を行います。
 さらに、島原の魅力を市民の皆さまと一体となった情報発信を行うため「島原情報マイスター」の認定を行い、フェイスブック等を活用しリアルタイムな島原の情報発信に努めてまいります。
 人口減少と高齢化が進展する中で、地域を活性化していくためには、市民が主体となる地域づくりが必要です。現在、一番身近な自治組織である町内会・自治会を中心に地域コミュニティ活動が進められていますが、加入率の低下や、構成員の高齢化などもあり、活動に支障を来すことも増えて来ております。このため、町内会・自治会と地域で活動する各種団体がネットワークした新しいコミュニティ組織づくりに取り組んでいる先進的な自治体の事例などを紹介しながら、これからの地域コミュニティ組織の在り方について、市民皆様と一緒に考えて行く機会を設けてまいります。
 また、コミュニティ活動の活性化策の一つとして、「島原市がまだす地域づくり」補助金を継続して実施することにより、町内会・自治会や市民団体などの活動を支援し、官民協働の地域づくりを推進します。
 また、総務省の「地域おこし協力隊」については、これまで隊員を1名採用し、貴重な地域資源である和ろうそく等の存続・活用や、各種情報発信などに積極的に取り組んでおります。新年度は隊員を増やして、地域活動に熱意を持つ都市住民を地域に受け入れ、地域力のさらなる向上を目指します。
 UIターンについては、古民家を利用するとともに、趣味や生きがいを活かし、長年の夢を叶えられるような島原暮らしの良さを紹介しながら、インターネットなど様々な方法で全国に本市の魅力をアピールし、また、移住者の負担を支援することにより定住人口の増加を図ります。
 「空き家バンク」については、UIターン事業と関連させながら、市内に存する空き家や宅地の情報を発信し、所有者と移住希望者のニーズのマッチングを図り、市外居住者の定住促進及び地域の活性化を図ります。
 婚活支援については、地元で頑張る若者達が「ふるさと島原」に夢と希望を託せる「めぐり逢いの場」の提供や結婚・妊娠・出産・育児までの切れ目のない支援を行うための相談窓口「ハッピーカフェ」の継続などにより、少しでも少子化に歯止めをかけるための対策として様々な形で支援を行います。
 男女共同参画への取り組みについては、女性と男性が共に支え合い、意欲と能力を発揮できる社会となるよう、「第2次島原市男女共同参画計画」に基づき、国、県等の施策と連携した施策を推進し、各種広報等を活用しながら市民皆様への啓発に努めます。
 国際化の推進については、これまで、外国語の中級講座や国際交流団体との共催による国際交流イベントなどを開催してきました。今年度は、国際交流員などによる異文化学習の開催や交流イベントを開催するとともに、国際交流団体の育成などを図ってまいります。
 半島地域の振興については、本年3月末に期限切れを迎える半島振興法の延長及び充実について、これまで島原市、諫早市、雲仙市及び南島原市で構成する「島原半島振興対策協議会」や県及び県内半島市町で構成する「半島地域魅力発見委員会」、市長会と連携し、国等に対し必要性を訴えてまいりました。
 このような中、国においては、半島振興の必要性を再認識していただき、半島振興法の10年間の延長及び充実に向けた調整がなされております。
 島原半島地域としましても連携を強化することにより、地域高規格道路「島原道路」の全線早期整備や「島原・天草・長島架橋構想」の早期具体化をはじめとする地域活性化策を推進してまいります。
 地域公共交通については、地域住民の買い物や通院など、日常生活の移動手段として確保・維持を図るとともに、地域活性化のために不可欠な社会基盤であることから、広域的な視点も含め、まちづくりや福祉、観光振興など地域戦略と一体的な検討を行い、利便性の向上やサービスの充実に取り組みます。
 また、基幹的な公共交通機関である島原鉄道については、最大限の自助努力の実践を前提に、鉄道事業の存続と安全性の確保に向け、関係自治体と一体となって支援を行います。
 友好都市との交流については、昨年10月に愛知県幸田町(こうたちょう)と「歴史と文化の友好交流の推進に関する協定」を締結しました。今後は、深溝(ふこうず)松平家を通じて、本市と歴史的つながりがある愛知県幸田町への友好親善訪問を実施することにより、更なる交流に向けた関係促進を図るとともに、姉妹都市・京都府福知山市や兄弟都市・大分県豊後高田市とも、引き続き交流を深めてまいります。
 また、国内外のジオパークの関係都市とも、可能なところから更なる交流を進めてまいります。
 市庁舎の建設については、設計プロポーザルにより設計者を選定することとしておりましたが、昨年12月にプロポーザル参加者によるプレゼンテーションを公開で実施し、その後開催されたプロポーザル審査委員会の結果、最優秀に選定された設計者と契約を締結しました。
 新年度は、いよいよ本格的な設計業務に入ってまいりますが、設計を進める上では、ワークショップを実施するなど市議会並びに市民と一緒になって推進したいと存じます。
 有明庁舎におきましては、災害時に電源を確保するため、県の再生可能エネルギー等導入推進基金事業を活用し、太陽光発電設備及び蓄電池を設置いたします。
 市税などの収納については、ここ数年来向上し続けており、平成25年度における現年度分収納率は市税99.0%、国保税95.6%と高い水準に達しております。今後も徹底した収納対策により収納率の維持・向上に努めます。
 市が分譲中の仁田団地及び安中土地区画整理事業保留地の売却価格を引き下げるとともに、分譲地を購入する方、購入する分譲地に住居を新築して定住する方に助成を行い、市内経済の活性化及び定住促進を図ります。
 地籍調査事業については、引き続き安中地区・白山地区を実施します。
 現在、窓口業務におきましては、平日の早朝窓口や土日開庁により、各種証明書を交付する時間帯を拡大し、市民サービスの向上を図るとともに、窓口業務に非常勤職員を活用して、「さわやかな接客対応」、「さわやかなおもてなし」に取り組んでおりますが、今後も、職員の適正な配置により、効率的な行政運営に取り組むとともに、市民に親しまれる、さわやかで明るい窓口づくりに努めてまいります。
 消費生活相談については、消費生活における安全性への関心が高まる中で、消費者の安全と安心を確保していくため、消費者行政の持続的な取り組みが必要であると考えております。今後も、消費生活センターにおける相談窓口機能の充実を図るとともに、消費トラブルの未然防止に向けた啓発活動の推進など、市民皆様の消費生活の安定と向上を図る取り組みを継続します。

 

2 福祉保健部門
 福祉保健分野については、健康に暮らし、安心して子育てができる環境づくりを図るため、関係団体などと連携し、必要な取り組みを推進します。
 障害者福祉対策については、障害者総合支援法による介護給付や訓練等給付事業並びに地域生活支援事業の障害福祉サービスを実施するとともに、就労を支援するなど、障害者等の自己決定を尊重し、障害者等が可能な限り身近な場所において、必要な日常生活又は社会生活を営むことができるように、関係機関と協力・連携して支援します。
 高齢者福祉対策については、高齢者が地域の中で健康で自立し、安心して暮らすことができるよう、健康づくり、生きがいづくりを進めるとともに、一人暮らし高齢者などの見守り体制の充実や、島原地域広域市町村圏組合と連携した認知症カフェの設置など、今後増加が予想される認知症高齢者対策を推進します。
 また、在宅高齢者の介護予防や生活支援を推進するため、いわゆる「高齢者タクシー券」を交付する高齢者福祉交通機関利用助成事業、ねたきり老人等介護見舞金支給事業、ねたきり高齢者等おむつ費助成事業などを実施します。
 高齢者虐待防止対策では、人権意識の啓発や相談体制を充実し、早期発見、早期対応に取り組みます。
 平成28年10月に高齢者の方を中心とするスポーツと文化の祭典として本県で開催される「第29回全国健康福祉祭ながさき大会」(いわゆる「ねんりんピック」)では、本市も弓道及びサッカーの2種目の開催地となります。新年度は、実行委員会を設立するとともに、リハーサル大会の開催など、平成28年度の大会開催に向け準備を進めます。
 児童福祉対策については、安心して子どもを産み、育てることができるよう、子育て施策の充実を図るとともに、子育てについてのきめ細やかな情報提供や、各種講座などを開催し、親子の交流や子育ての仲間づくりを支援します。
 具体的には、保育料の国の基準からの軽減に加え、島原市独自の保育料軽減制度である「すこやか子育て支援事業」の対象となる子どもについて、新たに過疎対策事業債を活用することにより、これまでの小学生以下3人目以降から2人目以降にまで拡大するとともに、子どもの医療費を助成する「福祉医療制度」についても本市独自の施策として、対象をこれまでの就学前児童から中学生までに拡大し、子育て世代への支援を充実させます。
 また、「子育て世帯臨時特例給付金」の支給や、乳幼児の育児用品代の一部を助成する「すこやか赤ちゃん支援事業」等に引き続き取り組むことにより、子育て家庭における経済的負担の軽減を図ります。
 さらに、在宅で子育てをする方を対象に子育ての仲間づくりを支援する「親育ちプログラム事業」を実施するなど、出産から子育て期における育児に対して切れ目のない支援と、子どもたちが健やかに育つ環境づくりを支援します。
 新年度から始まる「子ども・子育て支援新制度」については、「島原市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、教育・保育・子育て支援の一層の充実を図ります。
 ひとり親家庭等対策については、母子・父子自立支援員による相談・指導や、自立を支援するための各種事業を実施し、自立の支援と生活水準の安定・向上に努めます。
 低所得者対策については、消費税率引き上げによる影響を緩和するために「臨時福祉給付金」の支給を引き続き行います。
 また、市民生活を支える最後のセーフティネットである生活保護制度を適正に運用するとともに、就労支援員を配置し、稼働能力を有する生活保護受給者の就労支援を行い、自立を促進します。なお、新年度から就労を希望する生活保護を受給していない生活困窮者について、自立相談支援事業を実施し、困窮状態から早期に脱却できるよう支援に取り組みます。
 医療対策については、基幹病院である長崎県島原病院の医師確保や診療科目の充実を図るため、長崎大学や長崎県病院企業団などに対し、あらゆる機会をとおして要望を行うとともに、看護師確保のため、島原市医師会看護学校の就学金基金に、引き続き出資を行い、就学支援と地元定着を図ります。
  なお、救急医療対策については、地元医師会の協力をいただきながら、日曜、休日の在宅当番医制と島原半島地域を圏域とする「病院群輪番制」や「歯科休日診療当番医制」に対する助成を実施します。
 小児の診療体制の確保については、昨年4月から再開された島原病院の小児科勤務医の確保のため、長崎県と半島三市が協調して島原地域小児医療研究室に対し寄付を行うとともに、引き続き長崎県地域医療再生基金を活用した小児の休日診療事業を医師会などと共同で実施し、小児の診療体制の確保・充実に努めます。
 国民健康保険事業におきましては、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い医療費が増加しております。
 国民皆保険制度を支える国民健康保険の財政安定化のため、効率的で適正な事業運営に努め、収納率向上へ向けた収納対策に積極的に取り組むとともに、平成26年度から実施している「胃がんリスク検診」に加え、新たに「30歳、35歳の節目健康診査」を実施して特定健康診査の受診率向上につなげ、医療費の適正化を図ってまいります。
 しかしながら、地方においては、長引く景気の低迷や被保険者数の減少等により保険税の増収が見込めない状況にあり、大変厳しい財政運営が続いていることから、新年度予算編成においては、一般会計からの繰り入れを行い、国民健康保険財政調整基金に積み立て、財源不足に備える予定としております。
 市民皆様の健康増進につきましては、本市の健康増進計画である「第2次健康しまばら21」並びに「第2次島原市食育推進計画」に基づき、健康づくり推進員をはじめ自主的に健康づくり運動に取り組まれている団体及び食生活改善推進員協議会と連携し、市民協働による健康づくりを推進するとともに、市民の自発的な健康づくりを支援するため新たに、健康診査を受診した人や自ら健康づくりに取り組んだ人にポイントを付与し、島原市の産品などを贈る「いきいき健康ポイント事業」に取り組みます。
 また、各種がん検診や人間ドック、高齢者の介護予防事業などの健康対策に取り組んでまいります。
 母子保健事業については、妊婦から乳幼児の健康診査や相談・指導の他、むし歯予防のための「フッ素塗布事業」・「フッ化物洗口事業」に取り組んでまいります。
 予防接種事業については、定期予防接種をはじめ、乳幼児・児童に対するインフルエンザ予防接種の助成を実施します。
 更に新年度より、新たに「とことん子育てにやさしい街」づくりを目指し、望んでいるにもかかわらず、子どもに恵まれないご夫婦が子どもを授かり、子育ての幸せを実感できるよう応援するため、本市若手職員ワーキングチーム発案の「特定不妊治療費助成事業」及び「不育治療費助成事業」を実施します。

 

3 環境部門
 環境保全については、市民や事業所等とも連携しながら地球温暖化対策に取り組むとともに、夏季及び冬季の節電対策を実施して省エネの推進を図ってまいります。また、河川等の水質浄化対策を行うほか、出前講座等を通じて小・中学生を対象とした環境教育の推進にも取り組みます。
 さらに、島原半島3市、長崎県及び長崎大学が連携し、島原半島を環境教育のフィールドに指定し、半島が有する自然や環境を調査・研究してまいります。
 環境衛生については、「島原半島窒素負荷低減計画」に係る飲用井戸水の水質検査及び地下水の湧水量調査を実施するほか、野犬捕獲や不法投棄防止の周知等を通じて生活環境の向上を図ります。
 また、「しまばら斎場」は供用開始後10年を経過し、施設の長寿命化を図るため設備の改修修繕等を計画的に実施してまいります。
 廃棄物処理については、現在、可燃ごみは、市が収集したものを、県央県南広域環境組合で処理をしており、排出量は、緩やかに減少しておりますが、さらなるごみ減量化を推進するため、生ごみ堆肥化講習会を引き続き実施するほか、保育園や小学校などで実施している生ごみ堆肥化による野菜づくりをさらに拡充し、生ごみの減量化、意識改革に取り組みたいと考えています。
 不燃ごみ・資源ごみについては、島原リサイクルプラントで中間処理した後、島原地域広域市町村圏組合で処理するほか、リサイクルできるものは資源化しているところです。さらなる周知に努め、再資源化の向上を図ります。
 し尿処理については、現在、旧島原市地区のし尿は、浄化苑で処理を行い、旧有明町地区のし尿は、南高北部環境衛生組合へ搬入している状況でありますが、浄化苑の老朽化に伴い、平成26年度から3ヶ年の計画で、市全域のし尿を処理する「汚泥再生処理センター」の建設を進めているところです。
 また、新年度は、ごみの減量化対策、ごみ、し尿の処理量予測、処理計画等を定める一般廃棄物処理基本計画の見直しを行います。

 

4 農林水産部門
 農林水産業については、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉内容が注目されており、市としても、全国市長会をとおして国民に対し交渉内容に関する徹底した情報開示と明確な説明を行い、国民的議論を尽くすとともに、国益を守り、我が国の繁栄に繋がるような交渉を国に強く要請しているところであります。
 農業については、日本一豊かな産地を目指すため、経営基盤の強化を重点施策として捉え、国・県の制度や補助事業などを積極的に活用し、近代的な農業用施設や農業用機械の導入、園芸施設の長寿命化により、農作業の省力化や経営規模の拡大、生産コストの削減を進めるとともに、農地のほ場整備を行い、生産基盤の整備を推進します。
 担い手対策については、青年の新規就農者の増大や地域の担い手への農地集積などの土台となる「人・農地プラン」の見直しを進めつつ、農地の中間的受け皿となる農地中間管理機構の活用により、担い手への農地集積・集約化を進めてまいります。
 また、青年の新規就農者に対する給付金などの助成を行うことにより、就農意欲の喚起と就農後の定着を図ります。
 さらに、担い手農家の規模拡大に必要な労働力を安定的に確保するため、県や農協と連携し労力支援システムの強化と円滑な運営に向けた支援を行い、強い経営力を持った担い手の育成と産地の維持・拡大に取り組みます。
 また、「第10回全国和牛能力共進会」で日本一の栄誉に輝いた「長崎和牛」のブランド確立に向けて、県や関係団体などと連携しながら優良な肉用牛の生産頭数の増加や消費拡大のための広報・宣伝に努めます。
 イノシシによる農作物被害については、進入防止柵を設置するとともに、地元猟友会の協力をいただきイノシシ捕獲のための箱ワナを設置するなど、被害の減少を図ります。
 新たに、総務省の「地域経済循環創造事業」に採択され、雲仙市と南島原市の協力を得て運営するイノシシ食肉処理加工施設については、新たな商材であるジビエ(狩猟肉)を大手商社や食品会社等へ販売するとともに雇用の創出に努めます。
 畜産関係については、家畜伝染病である口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ、豚流行性下痢(PED)等の発生防止に取り組みます。
 耕地関係については、県営事業による三会原第3地区や宇土山地区の基盤整備事業が計画的に実施されており、引き続き円滑な推進を支援するとともに、三会原第4地区、大三東地区についても新規採択に向け取り組みます。
 農業用用排水路や農道の改修に取り組むとともに、ため池の維持管理については、土地改良施設維持管理適正化事業などを活用し順次整備に努めます。
 農業者と地域住民が農地や農業用水等の維持管理活動を行う「多面的機能支払交付金」の制度については、活動組織の広域化による事務の簡素化を図り、環境保全活動や農用地内の水路や農道の長寿命化のための補修・改修工事を実施してまいります。
 林業関係については、防災機能や自然景観保全などの公益的機能を有する松林を守るため、湊島や有明町水之出口地区などの松くい虫防除対策・被害木駆除を引き続き実施します。
 水産関係については、水産資源の減少や販売単価の低迷、さらには漁業者の減少や高齢化が進んでおりますので、引き続き漁業を支援する取り組みが必要であります。まずは有明海において魚介類の産卵場や生育の場となる藻場を再生するため、地域のボランティア団体などの協力の下、平成26年度から取り組んでおります新田町地先のスクイでのアマモ場を充実させるとともに、水産資源生態系の重要な役割を担う干潟についても、水産多面的機能発揮事業を活用した海底耕耘やアサリの放流なども実施します。
 さらに、島原市水産振興協議会など水産業に携わる関係団体などと一緒になって、先進地視察を実施し、漁業者の所得向上に向けて調査、研究を行ってまいります。
 また、有明海栽培漁業推進協議会などと連携を図り、地域特性にあったヒラメやカサゴ、ガザミ、クルマエビなどの種苗放流を継続してまいります。
 養殖漁業については、トラフグや放流稚魚の中間育成、ノリ、ワカメ、コンブなどの品質や生産性の向上を目指し、種苗生産技術の研修会や新たな加工品の研究開発、ジオアワビの養殖についても、引き続き関係団体とともに取り組みます。
  漁港海岸の高潮対策として新年度も三会漁港、松尾漁港において消波ブロックの製作や設置に取り組みます。
 また、漁港の施設機能保全診断を行いました大三東漁港につきましては、施設機能保全の診断結果に基づき防波堤の補修工事等、施設の長寿命化を図ってまいります。

 

5 商工観光部門
 商工・物産及び観光の振興については、「しまばら」が有する「人・もの・歴史」といった素晴らしい地域固有の資源をより一層磨き上げ、若者の定住化と交流を推進する「しまばらまるごとブランド化」を念頭に、各施策に取り組みます。
 商工業については、我が国の経済環境をみますと、景気は緩やかな回復基調が続いているものの個人消費等に弱さが見られるといわれておりますが、本市の商工業においては、今なお厳しい状況が続いております。
 こうした中、国・県の支援施策などの活用を促すとともに「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を活用したプレミアム付商品券発行事業にも積極的に取り組み、商工会議所、商工会などの関係機関との連携のもと、地域経済の活性化に努めてまいります。
 本市経済の発展は、新たな企業の立地や既存地場企業の活力増大が大きな原動力になるものと思われます。そのため、新たに立地する企業や規模を拡大する地元の企業及び小規模事業者に奨励金を交付する企業立地促進・雇用創出事業をさらに推進いたします。
 企業活力の活発化のためには、地域の開業数を増加し、雇用を生み出し、産業の新陳代謝を進めていくことが重要です。そのため商工会議所や商工会、金融機関、長崎県及び島原市等で組織する創業支援連携会議を設置し、市内における創業を総合的にサポートするとともに、創業時の雇用面での支援と創業のための融資制度利用の際の利子補給を行う支援制度を新たに設け、若者が地域に根ざした創業・起業にチャレンジできる環境を整備いたします。
 雇用の維持と安定、促進につきましては、市内出身の高校卒業者等が島原に残ってもらえるように、市内に居住する新規学卒者を雇用した市内事業所を支援する新たな「雇用拡大支援事業」や市内事業所の業績向上のための取り組みに支援を行い、向上した業績を原資に従業員の賃金引き上げを行うことを目的とした「製造業販路開拓事業」を実施し、新規雇用の拡大と既存雇用者の処遇改善に努めてまいります。
 また、高年齢者の生きがいと積極的な社会参加のため、「島原市シルバー人材センター」の円滑な事業運営や新規会員の増加に向けた支援を行います。
 中心市街地商店街の活性化対策については、まちの元気のためには、まず商店街が元気でなければならないと考えており、街の賑わいと再生を図ることが必要であります。そのために、最初から独立店舗での開店が困難で、新たに商店街で商売を始めてみたいという起業者に対し、空き店舗の提供や開業に至るまでの経営指導を行うチャレンジショップの支援など、一緒にまちを元気にしたいという人たちを応援する、「商店街再生事業」を実施いたします。
 また、商店街の若手後継者を中心とした観光客を魅了する「全国区商店街事業」に取り組むとともに、県の地域拠点商店街支援事業を活用し、商店街の新陳代謝の促進を図り、多くの方々が訪れたくなるような魅力的な商店街づくりに努めます。
 金融面については、本市の融資制度である島原市中小企業振興資金や国・県の融資制度の利用促進を図るとともに、セーフティネット保証に係る迅速・適切な認定業務を行い、企業の資金調達の円滑化に努めるとともに本市中小企業の事業資金調達の支援のため「島原市中小企業振興利子補給事業」を実施します。
 また、江戸時代の島原藩において、ハゼの植栽が奨励され、島原大変での被害で経済が困窮していた時、ハゼ・和ロウの増産で経済を立て直したとも言われています。このようなことから、島原薬草としての産業化、ブランド化につきましても、「日本三大薬園」という貴重な地域の固有資源を活かした平成のハゼ事業として、薬草製品の研究開発の拠点施設の誘致を行う、島原薬草「産学金官」連携プロジェクト事業に取り組み、地域経済の循環として効果が高いビジネスモデルの構築に向け取り組んでまいります。
 しまばらの物産流通については、これまで取り組んできた本市産品の知名度の向上、新商品の開発、販路の拡大の3本柱を基本に、加えて営業力の強化を図ることで、さらなる事業の展開を推進します。
 本市産品の知名度の向上については、島原市特産品認定制度において認定した商品を中心に「しまばらスペシャルクオリティ商品」として、大手百貨店などにおいて物産展を開催し、産品の魅力を積極的に紹介することで知名度の向上を図るとともに、店舗における継続的な島原コーナーの設置に向け取り組みます。
 新商品の開発については、「島原市特産品創出事業」を推進し、優れた商品については大手百貨店との取引までプロデュースを行うとともに、商品のPRを推進します。
 また、大手百貨店の店長やバイヤー招へいによるセミナーの開催をとおして、魅力ある産品に磨き上げ、競争力の向上に繋がるよう、島原の顔となる商品の開発に取り組みます。
 販路の拡大については、さらなる営業力の強化を図るため、各地で開催されるバイヤー商談会などに市内事業者や個人の方とともに積極的に参加し、流通事業者との関係構築を目指します。
 また、都市圏にある有名レストランとの連携事業として、しまばら産品の素材の特徴を最大限に活かした新作メニューによるフェアを開催することで、販路の開拓を目指します。
 さらに、地域経済を支える中小企業等の海外への販路開拓を目指すため、関係機関と協働した市場調査による販売先のニーズの把握や、見本市でのテスト販売を行うなどの「海外販路開拓支援事業」に新たに取り組んでまいります。
 観光については、本市特有の財産である島原城や武家屋敷、松平七万石の歴史、湧水などを活用した城下町観光の推進を図ります。
 特に、島原城は西暦1618年の築城開始から間もなく400周年を迎えようとしています。往時の面影を残す下の丁の武家屋敷付近や島原城一帯は本市の歴史観光の核として観光客の人気を博していることから、このような城下町風情や歴史的情景を生かした築城400周年の記念事業の実施に向けて、島原城職員が往時を彷彿させるような衣装で出迎え・対応するなど島原城を挙げて藩政時代の風情を演出し、おもてなしの充実と観光客の満足度の充足に努めます。また、電線の地中化など島原城周辺の魅力アップに向けた事業についてスケジュールや活用できる補助事業の検討を行うなど、本市の観光と交流人口の拡大に繋がる歴史・観光都市を目指してまいります。
 ジオパークについては、今や全国66地域、200を超える自治体が日本ジオパークネットワークを構成しており、また、国においても、国会議員におけるジオパークによる地域活性化推進議員連盟が設立されるなど、ジオパークに対する関心が高まっております。今後も、国や県と連携を取りながら、島原半島ジオパークについて観光資源としての活用を図るとともに、ジオの魅力をPRしながら、持続的な地域経済の活性化に結び付けていきたいと考えております。
 とりわけ、諸外国の世界ジオパークとの連携・交流をとおしてジオパークの発展や外国人観光客の誘致などに取り組みます。特に、健康志向で楽しく歩き回れるジオパークの実現に向けて、韓国済州島の発祥で九州管内でも取り組みが拡大し、外国からの誘客も期待できる「オルレコース」の認定を目指して取り組みを進めます。
 さらに、九州内のジオパークをはじめ、国内のジオパークとも引き続き連携を深め、教育、防災、保全、ツーリズム活動などについて協力や研鑽を重ね、質の向上に努めてまいります。
 交流人口の拡大については、観光客に人気の高い「鯉の泳ぐまち」に完成する「観光交流センター」を、観光の魅力や地場産品(SQ商品)の提供など、島原ならではのオンリーワンのおもてなしの拠点として活用することで、「湧水庭園四明荘」や「しまばら湧水館」と一体となった魅力アップを図るとともに、観光客の周遊・滞在時間の延長及び交流人口の増加を図るため、「かんざらし」で有名であった「銀水」の建物保存修理工事を行うなど本市を代表する湧水のスポットの整備・充実にも努めてまいります。
 また、日本の伝統文化が継承され外国人にも人気の高い古民家を利用した外国人観光客のゲストハウスの活用を図ってまいります。
 九州新幹線鹿児島ルートとの連携、活用を図ることが引き続き重要であることから、九州新幹線を視野に入れた誘客対策を推進するとともに、九州新幹線長崎ルートの開業を見据えた取り組みを行います。
 また、熊本県や熊本市などとの九州横軸連携を図りつつ、特に本年7月から8月にかけて熊本市を中心として開催される全国大会「海フェスタくまもと」との連動による誘客に努めます。このほか、JRグループとのタイアップにより平成28年度に県を挙げて実施される国内最大級の観光キャンペーン「長崎デスティネーションキャンペーン」に向けての新たな観光素材の発掘や、ホームページやフェイスブックなどの活用による島原の魅力発信に努めます。
 観光客誘致事業については、民間において観光誘客に活躍した豊富な経験を活かしてもらうための観光誘致プランナーを中心として、島原の旬の魅力や素材の活用による積極的な誘致活動を展開するとともに、長崎県観光連盟や島原半島観光連盟との連携による修学旅行やコンベンションの誘致にも努めてまいります。
 観光客の受け入れ態勢については、観光関係者はもとより、市民のだれもが観光客の気持ちを大切にし、観光客に満足していただけるような“おもてなし”の気運醸成を図るとともに、島原観光ボランティアガイドやジオガイドの協力を得ながら、熊本港ターミナルビルや観光ガイド大手門番など観光案内所の充実を図ります。
 さらに、人気を博している島原城七万石武将隊による“おもてなし”や甲冑体験、しまばら湧水館における郷土料理「かんざらし」の調理体験など、島原ならではの魅力を満喫できる体験型観光や、市内の歴史・湧水など観光スポットやグルメスポットを巡る周遊型観光の充実に努めます。
 スポーツ・キャンプやコンベンションの誘致については、市のスポーツ施設などを活用し、Jリーグや各種スポーツのキャンプ誘致、がまだすリーグの開催など誘致活動を積極的に行い、宿泊客の増加を図ります。また、2020年開催の東京オリンピックにおける海外からのキャンプ誘致に向けて、県や競技団体とも連携を図りながら、積極的に誘致を進めてまいりたいと思います。
 各種まつり・イベントにつきましては、内容の見直しを行うとともに、調査・検討チーム「100年まつりをつくる会(仮称)」を立ち上げ、これから100年もの長きにわたり続いていくような、年代を問わず、参加する人も見る人も楽しめ、活力を与え、観光客の誘致に繋がるような本市独自のまつりを目指して、先進事例も参考にしながら、検討を重ねてまいります。
 島原半島における観光の推進については、島原半島観光連盟と一体となって、島原半島がもつ自然と火山の恵みを最大限に活用しながら、国内外からの誘客促進、交流人口の拡大を図るプロモーションの展開や、「ジオ・マルシェ」などのイベント開催など、観光客の誘致と特産品の販売拡大に積極的に取り組みます。
 さらに島原半島と、天草地域で取り組んでいる「雲仙天草観光圏協議会」では、海外からの誘客や教育旅行、国内観光客の誘致促進に努めるとともに、熊本県北地域から福岡県大牟田市にわたる地域との取り組みによる「有明・島原地域観光連携会議」では、福岡都市圏等からの交流人口の拡大を目指し各々の魅力・資源を活用した観光ルートづくりを行うなど、広域観光連携の推進を図りながら、地域活性化に努めます。
 また、島原~大牟田市間の高速船事業については本年4月1日以降の存続が決定したことから、今後も引き続き大牟田市と観光交流連携を推進し、地域の振興・発展に努めてまいります。
 温泉給湯事業については、平成26年度に引き続きヒートポンプ導入による加温設備の更新を行うとともに、配湯管の布設替えに取り組み、温泉の安定供給と温泉事業の円滑な運営に努めてまいります。

 

6 建設部門
 活力ある地域づくりと安全で快適なまちづくりのためには、生活環境の整備促進や産業基盤としての幹線道路の整備は必要不可欠であります。
 その中でも、地域高規格道路「島原道路」の出平町から有明町間の延長約3キロメートルについては、国土交通省や長崎県と連携を図り、早期完成に向け積極的に推進してまいります。
 市道については、道路の改良や舗装などを実施するとともに、老朽化した橋りょうの調査や補修工事などを進めます。
 船津地区の恒久的な高潮対策については、地元の合意を得た高潮堤防案の早期着手に向けて、県や地元と密接な連携を図りながら測量・地質調査や大型排水ポンプ設置のための設計、工事用進入路の整備などに取り組みます。また、広馬場下内海の埋め立てについても、地元や漁協など関係団体等と協議しながら進めてまいります。
 公営住宅については、良好な住環境の整備を図るため、計画的な改修を行い、適切な維持管理に努めます。
 建築物の安全性の確保については、建築基準法の適正な運用に努めるとともに、長期優良住宅及びCO2削減に配慮された低炭素建築物の認定業務などを推進します。
 また、住宅・建築物の耐震性向上を図るため、戸建て木造住宅の耐震診断、耐震改修計画の作成及び耐震改修工事に要する費用の助成を行うとともに、不特定多数者や身体に障害をお持ちの方などが利用する民間の建築物の耐震診断に対しても助成を行います。併せて、大規模建築物の耐震化を促進します。
 さらに、住宅の省エネルギー化やバリアフリー化及び長寿命化への改修や修繕などのリフォーム工事に要する費用の助成を引き続き行います。
 都市計画については、新たな「島原都市計画マスタープラン」の策定と併せて、市民の皆様のご意見をお聴きしながら、都市計画道路、都市計画区域及び用途地域などの見直し作業を行います。
 都市計画道路については、地域からの要望が強い「霊南山ノ神線」の整備を計画的に進めるとともに、「親和町湊広場線」と「安徳新山線」についても地元説明会等を行い整備に向け取り組みます。また、県営事業であります「長池三会線」についても県と一体となり事業促進に努めます。
 景観の形成・保全については、自然、歴史、文化などと市民生活、経済活動との調和により形成されるものであります。島原城を中心とした城下町の景観や湊町の情景、豊かな湧水などは島原市特有の財産であり、大切に保全していく必要があります。そのため、武家屋敷地区における景観計画区域において、美しく歴史ある街なみの形成・保全に努めるとともに、街なみ環境整備事業によるまちづくりに住民と協働で取り組みます。
 水無川、中尾川などの砂防指定地内の利活用につきましては、市民の皆様との協働による推進を図り、ジオを体感できる「ウォーキング・ランニングコース」などを整備するとともに、花や木などを活かして訪れる人々に癒しと安らぎを与える観光名所となるように、年次計画で取り組みます。
 生活排水対策については、「島原市生活排水処理基本計画」による浄化槽整備を推進するとともに、効率的な汚水処理対策を念頭に、国の制度や財政措置の状況を見極めながら、下水道計画の見直しについても引き続き取り組んでまいります。

 

7 消防防災部門
 防災対策については、防災関係機関と市民が一体となり、自助・共助・公助の三助の間で緊密な連携をとり、地域防災力の向上に必要な子どもから高齢者までお互いに顔が見え、声を掛け合え、支えあうしっかりとした絆の強い街づくりをより一層推進するとともに、風水害・火災や地震、津波などに対する防災意識の高揚や防災力向上に努め、災害に強い島原市の実現を目指します。
 特に、雲仙普賢岳山頂には、今もなお大量の堆積物が溶岩ドームとして不安定な状態で存在し、崩壊による被害が懸念されることから、現在、国土交通省雲仙復興事務所による砂防堰堤の嵩上げ工事が実施されており、去る1月23日には嵩上工事の着工報告会を雲仙復興事務所と合同で開催したところであります。今後もハード面の対策と併せ、雲仙復興事務所や九州大学地震火山観測研究センターなど防災関係機関と連携した監視・観測体制の強化に努めます。
 また、本市の防災対策をより効果的に推進するため、島原市地域防災計画に基づき防災意識の高揚を図るとともに、市民皆様や観光客など来島されている皆様の安全確保を図るため、防災行政無線やメール等を活用した情報伝達の充実や、観光施設等への防災ラジオの設置、災害ごとの避難場所、避難所の見直しに取り組みます。
 新年度の防災避難訓練につきましては、有明地区を対象に実施し、防災関係機関との連携・役割の確認を行い、万一災害が発生した場合に備えます。
 自主防災組織の育成については、地域防災において重要課題であるため、自主防災ごとの地域防災マップを作成することで防災意識の高揚に努めるとともに、初期消火訓練、町内会・自治会ごとの避難訓練など自発的防災活動の促進を図り、自主防災会役員を対象としたリーダー研修会などを開催して、積極的に取り組んでまいります。
 消防の体制については、常備消防との連携を図りながら、各種訓練をとおして、消防団員の資質と機動力の向上に努めるとともに、消防団格納庫、消火栓、防火水槽などの消防施設の整備拡充を図ります。
 また、消防団員の確保に向けては、地元町内会・自治会及び消防団後援会との連携・協力を図るとともに、事業所等の理解を得ながら積極的に取り組んでまいります。

 

8 教育部門
 教育は、郷土や国の将来を左右する最優先の政策課題の一つであり、郷土の発展を担う誇りと責任を自覚し、国際社会でも活躍できる心豊かでたくましく生き抜く力を身につけた人材を育成していくことが大事であると考えています。
 今後とも、噴火災害復興の体験から学んだ「生命(いのち)・きずな・感謝の心」の精神を引き継ぎ、学校・家庭・地域の教育力を結集して、心豊かで活力ある生涯学習社会の構築と広い視野に立った施策の推進に努めます。
 学校教育については、学力の向上や豊かな心の育成及びグローバル化や自然災害への対応が求められる現代社会において、保護者や地域との連携を一層深めながら、たくましく生き抜くための知・徳・体の調和のとれた児童生徒の育成を目指した教育活動に積極的に取り組む必要があります。
 具体的には、学習規律の確立を図りながら、習熟度別学習などを積極的に取り入れた少人数授業など、きめ細かな指導を充実させ、児童生徒に確かな学力を身につけさせる教育活動を推進します。さらに、平成26年度から児童生徒の学力把握の検証軸として、小学校4年生と中学校1年生に市独自の学力調査を導入しました。新年度からは、新たに小学校2年生、3年生を加えて実施することにより、国・県の学力調査と併せ、小学校2年生から中学校3年生まで学力向上対策事業を拡大します。
 また、学力向上及び少子化対策事業として、小学生を対象に、地域の人材を活用して家庭における自学の習慣を身につけさせるため、「スクールキッズ」事業を2地区から4地区に拡大し、併せて放課後の自学習慣形成を目的として「放課後子ども学習室」を一つの小学校から全小学校に拡大して実施します。
 児童生徒の豊かな感性を育む読書活動を推進するために、全ての小・中学校に配置している学校司書と連携して、読書環境づくりや本の紹介などの図書館運営をさらに充実させ、児童生徒の読書量の増加につなげ豊かな心の育成にも取り組みます。
 いじめ・不登校問題については、各学校で年3回、いじめアンケートを実施し、スクールカウンセラーや各中学校に心の教室相談員を配置するなど、相談業務の充実を図りながら、関係機関と連携し、早期発見・早期対応、未然防止に努めます。
 国際化への対応については、新年度も外国語指導助手4名を中学校に配置し英語科の授業の充実を図り、外国語を通じたコミュニケーション能力の基礎を養います。また、週1回は小学校へ派遣し、外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、コミュニケーション能力の素地を養います。
 特別支援教育については、引き続き子どもと保護者の気持ちに寄り添った就学相談の実施と校内支援体制の充実を図ります。
 学校体育については、学習指導要領に則り、学校の教育活動全体をとおして行います。特に、体力の向上及び心身の健康の保持増進に関する指導については、特別活動などにおいてもそれぞれの特性に応じて適切に行うとともに、日常生活において健康で安全な活力ある生活を営むための基礎を培(つちか)わせるよう努めます。
 学校給食については、さらなる充実を図るため、「島原市学校給食会(仮称)」の設立に向けた調査・研究を行います。
 小・中学校の施設整備については、年次計画により整備を図っており、校舎・体育館などの建物の耐震化は、長崎県下の市としては最も早く、平成24年度で全ての小・中学校の耐震補強工事が完了しております。
 平成25年度から、3ヵ年計画で小・中学校体育館の非構造部材の耐震化に取り組んでおり、新年度には、全ての小・中学校体育館の非構造部材の耐震化工事が完了することになります。
 小学校校庭の芝生化につきましては、平成25年度から第四小学校において実施しており、新年度においては、新たな小学校を選定し校庭の芝生化に努め、地域における多世代交流の場としての活用を図り、絆づくりと活力あるコミュニティ形成を目指します。
 社会教育については、生涯学習や地域コミュニティづくりの拠点としての公民館活動の推進、社会教育関係団体の育成や青少年の健全育成に努めます。特に、地域に明るさと潤いを与える女性の活動は、地域の絆づくりに必要なものであるため、これまで婦人会活動が休止していた有明地区と杉谷地区において結成されつつある女性の団体をはじめ、市婦人会連絡協議会の充実にも力を注いでまいります。
 また、これらの団体の育成をとおして、「地域ぐるみの子育て」を目的とした「島原市ココロねっこ運動」の充実を図ります。
 社会教育施設については、島原図書館が開館30周年を迎えるにあたり、記念事業として講演会などを実施します。また、大規模な災害が発生した場合に地域住民の主要避難所となる公民館について、県の再生可能エネルギー等導入推進基金事業を活用し、安中公民館に太陽光発電設備及び蓄電池を設置します。
 文化財については、旧島原藩主松平家の貴重な古文書を多数所蔵する松平文庫の整理保存・活用に取り組むとともに、旧島原藩薬園跡整備事業、伝統的建造物群保存対策事業など、本市の歴史・人々の営みを伝える文化財の保護・活用に努めます。特に、島原城については石垣調査や発掘調査の成果を活かし、長崎県の文化財指定を目指します。
 さらに、旧島原藩主松平家の墓所がある愛知県幸田町の深溝本光寺が、国の史跡指定を受けたことに伴い、島原本光寺の松平家墓所に関する調査を行い、文化財としての価値を高めます。
 また、今後も引き続き幸田町との歴史・文化交流を図ります。
 文化振興については、自主文化事業、美術展、音楽祭、文化講座などを開催するとともに、各種文化団体との連携を図りながら地域文化の活性化を推進します。
 スポーツ振興については、「平成新山島原学生駅伝大会」などの全国・九州大会の開催やスポーツ施設のさらなる環境整備に努め、スポーツをとおしての交流人口の拡大を図るとともに、市民参加型のスポーツイベントである市民体育祭や市民親睦大会・教室を開催し、競技力の向上はもちろん、市民皆様の健康増進も図ります。
 また、子どもスポーツの充実として、スポーツ少年団活動促進のほか、有名なスポーツ選手が直接学校を訪問し、児童生徒との交流を深めるJFAこころのプロジェクト「夢の教室」を開催し、一人でも多くの子どもたちに、夢を持つことの素晴らしさを伝え、子どもたちの心身の充実に努めます。
 さらに、「ジュニアスポーツ振興事業」については、45年ぶりの国体の貴重な経験・財産を活かし、本市のジュニアスポーツの充実を図るため、トップレベルの指導者や選手がいる大学と協定を結び、小・中学生を大学へ派遣し、トップレベルの指導者から講義や実技指導を受けることにより、児童生徒の意識の高揚を図り、さらなるスポーツの振興や競技力の向上に努めます。
 そして、「世代を超えた交流や地域づくり・人づくり」のもと、総合型地域スポーツクラブを展開し、子どもから高齢者の方まで、だれもがスポーツに親しめる社会づくりの実現に向け、鋭意努めてまいります。

 

9 水道部門
 水道事業の使命は、市民生活を支えるライフラインの担い手として、安全な水を安定して供給することにあります。本市の特徴である100%天然地下水の水道水を安定供給するために、水質管理の徹底や浄水場施設等の適切な管理はもとより、「島原市水道事業基本計画」に基づき老朽化や耐震化対策として施設更新などの事業を推進します。
 新年度では、引き続き「油堀・長貫簡易水道事業」の上水道への統合と民営水道への給水区域拡張事業並びに三会水系の施設更新と耐震化、新規水源の開発など、取水から配水システムの再構築のための事業を進めます。
 経営面につきましては、平成26年度で水道料金を改定し、経営基盤の強化に向けた取り組みを進めており、今後さらに増加していく老朽化施設等の更新需要に的確に対応するため、事業の更なる効率性と合理性を確保できるよう事業経営に鋭意取り組んでまいります。

 

 以上、新年度における各部門の主要な施策について、申し述べてまいりました。厳しい財政状況の中でありますが、特に本年は、「とことん子育てにやさしい街」、「高齢者がいきいきと輝く街」、「若者がチャレンジできる街」を3つの柱として、人口減少対策と地域活性化を図るため、過疎対策事業債を有効に活用しながら、各種施策を積極的に展開することで、島原らしい個性を活かしたオンリーワンのまちづくりに全職員一丸となって全力を傾注してまいる所存であります。
 議員各位並びに市民皆様におかれましては、市政の推進に一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 

 

    平成27年3月2日


                              島原市長 古川 隆三郎

 


 

 

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