島原市
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令和2年12月 市長所信表明

総務部 総務課 行政班 TEL:0957-63-1111(内線151,154) FAX:0957-64-5525 メールsomu@city.shimabara.lg.jp

 所 信 表 明

 

 この度の市長選挙におきまして、市政運営の負託を受け、引き続き島原市の市政を担うこととなりました。
 コロナ禍の真っただ中にある今、この未知なるウイルスの脅威から市民の命と生活を守り、安心を届けることが、今の私に課せられた最大の使命であり、3期目となる市長の重責に改めて身が引き締まる思いがいたします。
 私はこれまでの8年間、島原市の発展と島原市民の幸せのため、全力投球で真っすぐに走ってまいりました。
 新庁舎建設事業をはじめ、子育て支援や島原半島における島原道路の全線事業化、中心市街地の活性化など、多くの事業に取り組み、実現してまいりましたが、まだまだやらなければならないことはたくさんあり、道半ばであります。
 これからも人口減少問題に正面から立ち向かい、とことん子育てにやさしいまちづくりを目指して、立ち止まることなく、積極果敢に市政に取り組んでまいります。
 併せて、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の再生、活性化を図るとともに、コロナ禍は、あらゆることを見直すチャンスと捉え、アフターコロナの島原が、これまでよりももっとより良い島原となっていくことを信じ、希望を持って、この現状に打ち勝つ施策を展開してまいりたいと存じます。
 そのために必要な事業を進めるべく、本日ここに、私の所信の一端を申し述べ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

1 人口減少問題に立ち向かう
 少子高齢化が急激に進展する中、少子化対策につきましては、安心して子どもを産み、育てることができる環境づくりが必要です。
 これまで、乳幼児の育児用品代や中学生までの医療費の助成、保育所等に入所している子どもの副食費の助成、2人目からの保育料の完全無料化など、子どもを持つ若い世代への経済的負担を軽減する施策を数多く実施してきたことが複合的に効果を発揮し、合計特殊出生率が全国平均、県平均以上を維持することにつながっているものと考えられます。
 また、小児科の本市への誘致活動の成果として、島原半島初の病児保育施設を併設した小児科医院が、来年5月に開設されることとなりました。
 希望する全ての人が安心して子どもを預けて働くことができるように、休日保育、病児病後児保育などの保育サービスの充実に向け、保育会等と連携し、実施箇所数の増加に取り組むなど、これからも子育て世代への支援を行ってまいります。
 加えて、出会い、結婚、出産、子育て等それぞれのライフステージに応じた切れ目のない支援も継続してまいります。
 また、子どものいじめの防止につきましては、県、教育委員会及び学校など関係機関と情報交換を行いながら連携して取り組むとともに、市、学校、保護者、地域及び保育所等がそれぞれの責務や役割に努め、市民総ぐるみで、子どもの健やかな成長を願い、いじめのない社会を目指します。
 このまちで子どもを産み、楽しく子育てができ、子どもたちの笑顔や元気な声があふれる、そのような子育てにやさしいまちの実現に力を注いでまいります。
 移住の推進につきましては、本市で生活する人々や美しい風景等を中心に、「しまばら暮らし」の良さを専用ホームページや、SNS等を駆使して効果的に発信してまいります。
 また、仕事、住まい、趣味、健康づくり等、移住者それぞれの暮らし方の要望に応じ、様々な情報提供ができるよう「空き家バンク」や「お試し住宅」等を整備、活用し、きめ細かいサポート体制で支援を行ってまいります。
 コロナ禍において、仕事のリモート化が急速に進んだことにより、特に都市部では自分の生活を第一に、住む場所や働き方を変えるという動きが見られ、地方への移住や二地域居住等に関心を持つ人も増えています。本市においても古民家を活用し「リモートワーク」や「ワーケーション」に対応する滞在型施設の整備や、ベンチャー企業等の誘致を進め、県内外からの関係人口、交流人口の増加を図ります。
 婚活支援につきましては、出会いの場の提供や個別の相談等に対応する専門窓口を設置し、結婚を希望する若者が「ふるさと島原」に夢と希望に満ちた人生を託せるよう、年齢や業態に応じたきめ細かい支援を行います。
 女性の活躍は、地域の活性化や企業の成長にとって重要なことです。昨年度策定した「第3次島原市男女共同参画計画」に掲げる「男女共同参画社会の実現に向けた環境の整備」や「ワーク・ライフ・バランスの推進」等の基本目標の達成に向け、国や県、関係団体とも連携しながら女性活躍推進に係る周知啓発や仕事と家庭生活の両立に関する機運醸成等を進めてまいります。


2 市民目線に立った行財政改革
 今後の財政運営につきましては、少子高齢化が進展し人口減少が進む中、社会保障関係経費や公共施設の老朽化に伴う維持管理経費の増に加え、人口減少や合併算定替による特例措置の終了に伴い地方交付税が減少するなど、一層厳しい財政状況が予想されます。今後も持続可能な自治体として行政を運営していくためには、限りある財源の中で、事業の「選択と集中」による執行に努め、歳入に見合う予算規模の適正化を図りながら健全な財政運営を行っていく必要があります。
 そのため、公共施設等総合管理計画につきましては、個別施設計画に基づき、可能な限り前倒しを行いながら、公共施設の適正管理に努めるなど、市民目線に立った行財政運営の見直しを推し進めてまいります。
 また、今回の新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、複雑多様化する社会問題や市民ニーズに応えるためには、一つの部署だけではなく、複数の部署間の連携、協力が不可欠です。
 限られた予算と人員の中で縦割り行政の弊害を打破し、部署横断的な施策を推進するため、組織機構の改革を進めてまいります。
 併せて、職員の意識改革と資質の向上を図るため、自治大学校等への派遣研修や国への実務研修派遣、また、民間IT企業への若手職員の派遣研修を継続して実施することにより、市の職員として必要な政策形成能力、高度な専門知識を習得させるとともに、前例にとらわれることのない若手職員の大胆な発想を積極的に取り入れてまいります。
 また、年齢や役職にとらわれることなく職員の独創的な発想による提案を奨励するため、現在の職員提案制度の内容見直しだけでなく、職員誰もが自由闊達(かったつ)にアイデアを出しあえる職場風土を醸成することで、組織力の活性化や政策形成能力等の向上を進めてまいります。
 本市の情報をわかりやすく発信していく取組といたしましては、国が推進するデジタル社会の実現に向けた動きを迅速にとらえ対応するとともに、本市の公式LINE、Facebook、YouTube等を活用しながら、タイムリーな情報発信を積極的に行い、広報しまばらにおいてもSNSの活用により市ホームページ上のデジタル広報紙へ誘導することで、市民をはじめ全国の方にも広く本市のPRができるよう努めてまいります。
 デジタル化の推進につきましては、かつてないスピードで世の中が変革していく中、国においては、デジタル化による行政手続の迅速化などを目指してデジタル庁が創設されることとなっており、本市においてもそうした行政手続のオンライン化やハンコレスなどのデジタル社会に対応した行政経営に取り組むとともに、デジタル分野における研修などを充実させ、若い人材の育成に努めてまいります。
 キャッシュレス化の推進につきましては、これまでも市税や窓口での手数料等の納付などにキャッシュレス決済サービスを導入してきたところでありますが、今後も急激な時代の変化にいち早く対応するとともに、更なる市民サービスの充実と利便性向上を図ってまいります。
 マイナンバー制度につきましては、マイナンバーカードの健康保険証としての利用など利用範囲の拡大も図られつつあり、更なる普及に向け周知、広報に努めてまいります。
 窓口業務におきましては、福祉、税、戸籍等の手続きに対応できるよう、引き続きワンストップ化に努め、市民が便利で利用しやすい窓口サービスに取り組んでまいります。

 

3 産業の振興
 産業の振興でありますが、国内における新型コロナウイルス感染症の拡大が、市内経済全般にわたり甚大な影響を及ぼしています。
 このような状況下でありますが、本市の強みを生かした地域経済の活力と発展を図るとともに、持続的な成長を推し進めてまいります。
 本市の基幹産業である農業につきましては、県下随一の農業地帯である強みを生かし、元気で豊かな産地を目指すため、新規就農者をはじめ、地域の担い手農家の確保を図ってまいります。
 また、関係機関と連携した農業後継者への婚活支援にも取り組むことで、地域農業のリーダーとなる人材の確保、育成にも努めてまいります。
 次に、大型機械化、企業経営、給料保障、国際化の新4Kを進めるため、圃場整備のさらなる推進や先端技術を活用したスマート農業の導入、次世代施設園芸の促進により、生産コストの削減と労働負担の軽減、省力化を図り、「若者にも魅力ある農業」を推進し、さらなる産地の競争力強化に向け取り組んでまいります。
 併せて、担い手農家の規模拡大に必要な労働力を安定的に確保するため、労力支援システムの強化や移住促進と連携した雇用者の確保に努め、強い経営力を持った経営体の育成と産地の維持、拡大に取り組み、魅力ある農業農村づくりを進めてまいります。
 畜産業につきましては、高病原性鳥インフルエンザが九州管内においても発生し、心配される中ではありますが、収益性の向上や経営の効率化を図るため、衛生管理が徹底した家畜飼養施設の整備や優良な家畜の導入等を支援し、コロナ禍等でも揺るがない生産基盤の構築、ブランド力の向上と経営の安定化に努めてまいります。
 林業につきましては、適正な森林の管理促進を図るための森林管理システムを活用し、森林の有する公益的機能の発揮に繋げるため、適切な経営管理と計画的な整備等を進めてまいります。
 水産業につきましては、漁獲量や漁業者の減少が進む厳しい状況となっているため、漁業を支援する取組が必要であります。
 そのため、次世代を担う新規就業者の確保、育成に取り組むとともに天然藻場の再生と人工藻場にもなりえるワカメ、コンブ養殖漁業を推進し、併せて水産資源の増加を図るための種苗放流を継続することにより、漁獲量の向上に努めてまいります。
 併せて、アワビ陸上養殖においては、ICT機器による養殖環境データの蓄積と現場の技術を融合させたスマート漁業を確立するとともに、将来を見据え、漁業者の所得向上に向け、ウニなどの新たな養殖種の試験養殖にも取り組んでまいります。
 また、有明海の沿岸漁業が停滞する中、種苗を生産し、放流するための有明海の中心となるような栽培漁業センターの誘致にも取り組み、「つくり育てる漁業」を推進してまいります。
 本市が抱える人口減少の克服や、地域経済の発展のためには、地場企業の振興に加えて、地域外から新たな企業の立地を呼び込み、働く場所をつくり出していくことが重要であると考えております。
 コロナ禍の中、働き方改革とも相まって都市部の企業を中心にリモートワークが加速度的に進みつつある流れを捉え、商店街の空き店舗等地域の遊休資産を活用し、情報通信業や専門技術サービス業などの企業誘致に積極的に取り組むことにより雇用の場の確保に努めてまいります。
 中心市街地の活性化につきましては、中心市街地の核施設として位置付けているイオン島原店の建て替えと併行しながら、市道堀町縦線整備事業を推進し、歩道設置による安全性の向上、交差点集約による交通混雑の改善を行い、中心市街地への人の流れを誘導することにより、市民が暮らしやすいコンパクトシティを目指したまちづくりに取り組んでまいります。
 また、新たに生まれ変わった本庁舎玄関前の大屋根広場を中心に、近隣の商店街や島原鉄道などと連携し、地域一体を会場に市民と観光客がともに集い楽しめる特産市「島原大手門市」(仮称)を開催し、中心市街地の賑わいの創出と活性化を目指します。
 地域高規格道路「島原道路」につきましては、念願の有明瑞穂間を新規事業化することができました。
 島原道路は、交流人口の拡大、物流の効率化、医療機関への搬送等、本市のみならず、島原半島地域の振興、活性化を図る上で必要不可欠な道路であり、諫早インターから南島原市深江町を結ぶ延長約50キロメートル区間全線の整備促進を国や県とともに積極的に取り組んでまいります。
 併せて、道の駅構想につきましては、島原道路の休憩施設を兼ねた災害時の緊急避難的な機能を持つ防災拠点施設や新鮮な農水産物の直販所としての機能をもつ道の駅の設置の可能性について、長崎県や雲仙市、南島原市とも協議してまいります。
 島原ブランドの国内外への展開につきましては、「本市産品の知名度の向上」、「新商品の開発」、「販路の拡大」の3つの柱を掲げ、事業を推進してまいります。
 まず、本市産品の知名度の向上につきましては、これまで培ってきた大手百貨店とのパイプをフルに活用した各種催事の開催を通して、農水産物をはじめとする「島原産品」の魅力を全国の皆さんに大きくアピールし、地場企業の振興にもつなげてまいります。
 新商品の開発につきましては、島原スペシャルクオリティ(SQ)に認定できるような魅力ある商品化の取組のほか、全国の消費者に親しまれるようなお中元、お歳暮などのギフトセット商品の開発など、新しい魅力の創出にも努めてまいります。
 販路の拡大につきましては、島原の優れた産品が、百貨店や有名商社などと、より多く取引していただけるよう、コロナ禍の時代に対応した、新たなリモート商談会の開催にも取り組んでまいります。
 さらに、将来的な国内市場の縮小を見据え、日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携し、事業者の主体性を生かした海外展開を図ってまいります。
 ふるさと納税につきましては、自主財源を確保する有効な手段としてだけでなく、地場企業の振興にもつながっております。
 本年度は過去最高額を記録した昨年度を上回るペースでご寄附をいただいておりますが、今後も更に多くの地場企業に参加をいただき、魅力ある特産品の造成に努め、財源の確保に努めてまいります。
 「しまばらん」につきましては、島原ふるさと創生のシンボルとして、引き続き市民への浸透を図るとともに、市内外の企業と連携した商品開発等にも積極的に活用するなど、地域経済の活性化にもつなげてまいります。
 地域おこし協力隊につきましては、それぞれの経験やスキルを生かし、斬新な「ヨソモノ」視点で地域に根差した活動に取り組んでいただき、地域活力の向上につなげてまいります。
 雲仙普賢岳の砂防指定地における無人化施工の技術につきましては、噴火災害の中、この地域で生まれた今や日本が世界に誇れる技術であります。
 今後は、水無川流域を5G(ファイブジー)の通信技術を駆使した無人化施工技術の資格取得のフィールドとして活用するなど、新たな産業の創出につながるよう国に要望してまいります。


4 観光の振興
 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、市内の観光客や宿泊客が大幅に減少するなど、観光関連産業は大変厳しい状況にありますが、事態の収束を見据えたアフターコロナにおいて、落ち込んだ市内経済はもとより、観光産業の回復や観光誘客に努めてまいります。
 本市は、城下町としての歴史や風情、景観、ジオの恵みである豊富な湧水などの豊かな自然にも恵まれております。
 観光産業は、地域経済を活性化させる重要な産業のひとつであることから、地域特有の資源を最大限に生かした周遊型、滞在型、体験型観光を推進するため、島原半島ユネスコ世界ジオパークを感じる九州オルレ島原コースと南島原コースをはじめとする周辺のオルレコースと連携した広域的なインバウンド誘客を進めてまいります。
 併せて、映画、テレビ番組などの撮影誘致により本市の魅力発信や認知度の向上、更には作品の舞台を訪れてもらうロケツーリズムの推進によるシティプロモーションとして交流人口の増加も図ってまいります。
 また、令和4年度の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の開業を見据え、全国に向けた観光客の誘致拡大につなげるため、令和4年秋の「デスティネーションキャンペーン」の開催に向け、JRグループと長崎県、佐賀県などと連携した取組を行ってまいります。
 さらに、令和6年に島原城築城400年を迎えることから、実行委員会を基本とした市民総参加の取組を進め、観光、歴史、景観を含めた整備やイベントの実施などの事業を進めてまいります。
 具体的な取組として、島原城周辺の無電柱化や歩道の整備を、地元住民と協議しながら進めてまいります。
 また、しまばら温泉不知火まつりをはじめとするイベントやまつりにつきましては、歴史や伝承などを考慮しながら総合的な整理、見直しを行い、将来長きにわたりより多くの市民に親しまれ、市民本位のまつりとして定着するよう進めてまいります。
 島原半島ユネスコ世界ジオパークにつきましては、平成21年に世界ジオパークに認定され、令和3年にはユネスコによる3度目の再認定審査を迎えます。
 ジオパークは、地域の文化、歴史の教育による郷土愛の醸成や、観光や産業に活用した経済活動を持続させていくため、今後更なる半島3市の連携と協調により再認定に向け取り組むとともに、ジオパーク活動の推進に努めてまいります。
 スポーツキャンプや大会の誘致につきましては、東京2020オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致を行う本市としても、島原復興アリーナや平成町人工芝グラウンド等のスポーツ施設を最大限に活用し、Jリーグのキャンプや全国規模の大会の開催などをはじめ、多種多様な競技をターゲットとして積極的に誘致活動を行ってまいります。
 1号機関車につきましては、新幹線開業を契機とした観光浮揚の目玉に十分になり得る地域資源の一つと考えており、その歴史的なストーリーを生かしながら地域の活性化につなげることを目的に、島原鉄道の車両更新に合わせた1号機関車をモチーフにした観光列車の導入も含めた活用策を、関係者と協議をしながら進めてまいります。
 島原半島におけるサイクルツーリズム構想につきましては、九州横断サイクリング構想に対応するため、熊本や大牟田航路、島原鉄道と連携したサイクリングルートを関係団体と協力しながら構築し、交流人口の拡大や観光客の誘致を図るとともに、サイクリングを通じた島原半島の魅力発信に努めてまいります。

 

5 高齢者や障がい者などを思いやる福祉の充実
 高齢化が進む中、高齢者をはじめ市民の通院や買い物、社会活動等への移動手段を確保することが重要です。
 現在、コミュニティバス「たしろ号」は、三会、杉谷、有明地区に加え、安中、白山地区での運行拡大にも取り組んでおり、市内のほぼ全域で運行されることになります。これにより、運転免許証を自主返納された高齢者も安心してこれまでどおり外出いただけるものと考えております。
 また、高齢者がいきいきと暮らすためには、お互いの顔が見え、声をかけ合う仲間づくりが重要であり、多くの市民が利用する商業施設等に高齢者が気軽に立ち寄れる憩いの場、交流の場を設置する必要があると考えており、今後も市内交通事業者等と連携しながら、地域の足を守るだけでなく、高齢者の社会参加の機会拡大のためにもコミュニティバスの利便性の向上に努めてまいります。
 さらに、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向けてスポーツへの関心が高まってきており、市長杯などのスポーツ大会への参加を呼びかけ、高齢者の健康づくりや仲間づくりを推進いたします。
 また、パラリンピックに出場するドイツパラ陸上競技チームの事前キャンプの受入れを契機に、本市は共生社会ホストタウンとして、なお一層障がい者にもやさしいまちづくりに取り組んでまいります。
 市民の健康づくりの自発的な取組と習慣化のため実施している「いきいき健康ポイント事業」につきましては、今後も事業内容の改善を図りながら、市民の皆様がより参加しやすいように努めてまいります。

 

6 教育・文化の振興
 学校施設の整備につきましては、公共施設等総合管理計画を基本としますが、ほとんどの施設で老朽化が進み、毎年多額の維持管理経費を要しておりますので、まずは、学校プールについて公営プール等の活用などの見直しを進めてまいります。さらに、児童生徒数の減による余裕教室等につきましても、地域との共用等、施設の有効活用について検討してまいります。
 急速に発展しているデジタル化に伴い、子どもたちがICTを適切かつ安全に使いこなすことができる資質能力を育成することは重要です。そのため、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、GIGAスクール構想を推進してまいります。
 近年グローバル化が加速している世界情勢の中で、外国語教育は日本の将来にとって極めて重要であることから、小中学生に、集団生活の中で英会話の楽しさを実感させるとともに、英語力やコミュニケーション能力を向上させるため、イングリッシュキャンプ事業を実施します。
 本市には、島原城や肥前島原松平文庫をはじめとした文化財や歴史的な遺産が数多く残っており、これら先人から受け継いだものについて、保護及び調査研究を進め、本物としての価値を後世に残していく必要があります。
 また、これら歴史的な遺産を守るため、市民の皆様と価値の共有を深めるとともに、市民一体となった文化財保護に対する機運の醸成を図り、経済的な活用も進めてまいります。
 いよいよ来年は1年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。スペインレスリングチームとドイツパラ陸上競技チームの事前キャンプを安全安心に万全の体制で受け入れ、滞在中は、子どもたちや市民との交流により絆(きずな)を深め、本大会での活躍をしていただきますよう、市民皆様とともに支援してまいります。
 また、これを契機として、障がい者スポーツ大会を含め国際スポーツ大会等の誘致に努め、スポーツ国際交流都市を目指します。

 

7 安全安心で住みよいまちづくり
 令和2年7月豪雨では、熊本県を中心に甚大な被害が発生しており、本市におきましても台風10号では、20箇所の避難所に2,000人を超える方々が避難をされるなど、大きな災害がいつ発生してもおかしくない状況にあります。
 このような中、来年6月には「雲仙普賢岳噴火災害」から30年の節目を迎えることから、機能的で実行力のある日本一の自主防災会組織を目指し、避難訓練や研修会等を通じ「顔の見える関係」の再構と、「自分の命は自分で守る・自分の地域は自分たちで守る」という自主防災への取組を進め、災害に強いまちづくりに努めてまいります。
 溶岩ドーム対策につきましては、国直轄による砂防工事が完了しようとしておりますが、本年度から維持管理を目的とした新たな予算措置を講じていただいたところであり、感謝しております。今後も国土交通省雲仙復興事務所の存続、九州大学地震火山観測研究センターの整備促進を含め、国との良好な関係の中で安全対策に取り組んでまいります。
 眉山対策につきましては、計画的な施設の整備推進に加え、堆積している土石の排除や航空実播(じっぱん)による植生の回復、監視体制の強化などについて、林野庁をはじめ関係機関と連携を図ってまいります。
 また、地元町内会からの要望を受け、急傾斜地である0渓から5渓の治山ダム下流における土砂流出や流木等を防止するため、国有林野内において新たな治山ダムの早期整備を引き続き、要望してまいります。
 地域高規格道路「島原道路」や都市計画道路「新山本町線」「霊南山ノ神線」などの道路事業は、交流人口の拡大、物流の効率化、医療機関への搬送等、市民生活の利便性の向上や土地利用の活性化による中心市街地のにぎわいの創出につながるものであり、県と協力しながら、早期完成に向け事業を推進してまいります。
 船津地区の高潮対策につきましては、県とともに安全・安心を確保するため、広馬場下の埋立や防災道路、排水ポンプ場の早期完成に向け努めてまいります。
 広馬場下の埋立地につきましては、防災施設としての活用を考えておりますが、今後、地域の振興に寄与するような利活用計画を検討してまいります。
 河川の防災対策につきましては、浸水被害等から地域を守るため維持管理に努めるとともに、県管理の河川につきましては、引き続き河川内の堆積土砂、樹木等の除去を進めていただくよう要望してまいります。
 汚水処理につきましては、市民生活において衛生的で快適な生活環境の向上を図るため、現在取り組んでいる個別の合併処理浄化槽の設置促進に加え、地域の実状を踏まえた公共浄化槽による手法など、本市の汚水処理方針を定める生活排水処理基本計画の策定に向け取り組んでいるところです。
 空き家対策につきましては、民間関係機関との協定に基づき、空き家を増やさない対策や、空き家バンクの登録による空き家の活用及び適正管理に努め、国の補助制度を活用しながら、老朽危険空き家の除却を推進してまいります。
 ごみ処理に要する経費を削減する取組につきましては、市民の皆様と協働して「4万人のごみ減量プロジェクト」を推進し、ごみ減量化に努めます。

 併せて、ごみステーション化を推進し、ごみ収集業務の民間委託を進めてまいります。
 水道事業につきましては、市民生活に欠かせないライフラインとして、「安全でおいしい水をいつまでも」を基本理念に掲げ、「いつもの快適で安全な水道」「いつでも頼れる強靭な水道」「いつまでも健全で持続可能な水道」を目指し、老朽施設や管路の更新、耐震化事業を軸に、健全運営に努めてまいります。

 

 以上、所信の一端を述べさせていただきました。
 これらの事業を実現させるためには、市民のために働く市役所として、職員一人一人が市民を思い、寄り添い、身近な存在として一丸となって事業に取り組んでいかなければなりません。
 私が掲げる市政は、これまでも、そしてこれからも主役は市民であり、島原で生まれ、育ち、暮らして、訪れて、本当に良かったと思っていただける、そのようなまちづくりを目指してまいります。
 これからも、本市が島原半島の中心として栄え、更に半島全体が共に発展していきますよう「島原半島は一つ」との思いで、できることは全て協力してまいる所存です。
 大好きな故郷(ふるさと)のために、これからも全力投球で、自分らしくあらゆることに積極果敢にチャレンジしてまいりたいと存じますので、市民の皆様並びに議員各位に対しまして、なお一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、私の所信といたします。

 

 令和2年12月18日

                 島原市長 古川 隆三郎 

 


 



 

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