島原市
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令和3年度 施政方針

総務部 総務課 行政班 TEL:0957-63-1111(内線151,154) FAX:0957-64-5525 メールsomu@city.shimabara.lg.jp

令和3年度 施政方針

 

 令和3年3月島原市議会定例会の開会に当たり、令和3年度における市政運営の方針並びに当初予算の大綱について申し述べ、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 まず始めに、新型コロナウイルスの感染拡大による試練が続くなか、感染拡大防止に向けてのご協力と様々な対策に努めておられる全ての方に対しまして、深い敬意と感謝を申し上げるとともに、困難な状況にあられる全ての方に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。
 一日も早く安心して日常を送れる日々が戻ってまいりますよう、引き続き感染症の予防と拡大防止に注力するとともに社会経済活動の回復と発展に向けた対策に全力で取り組み、この難局を皆様とともに乗り切ってまいりたいと存じます。
 さて、1月18日発表の政府経済見通しによると、令和2年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きが見られるものの、経済の水準はコロナ前を下回った状態にとどまり、経済の回復は道半ばとしているところです。
 こうしたなか、令和3年度は「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の実施により、公的支出による経済の下支えと経済対策の効果により設備投資等の民間需要が喚起され、民需が自律的に回復していくことが期待されているところであります。
 そのようななか、地方財政につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税等の大幅な減収が見込まれるものの、地方交付税等の一般財源総額については、地方団体が行政サービスを安定的に提供しつつ、防災・減災、国土強靭化の推進などの重要課題に取り組めるよう、交付団体ベースで、令和2年度を約2,400億円上回る約61兆9,900億円が確保されており、地方交付税総額は、約8,500億円増額の約17兆4,300億円となっているところです。
 一方、本市の財政運営につきましては、実質公債費比率など財政の健全化を示す健全化判断比率が、いずれも法律の基準を下回り、健全な数値となっているものの、ここ数年、歳出に対する歳入の不足分を、基金からの繰入れにより収支の均衡を図っている状況が続いております。
 今後の財政見通しといたしまして、歳入面では、歳入の根幹であり自主財源の大半を占める市税収入が、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、大変厳しい状況になると見込まれており、地方交付税についても、普通交付税における合併算定替の特例措置が令和2年度で終了したことから、これまで以上に安定的な財源の確保が重要となります。
 また、歳出面では、少子高齢化に伴う社会保障費や老朽化が進む公共施設の改修等に係る経費の増加が避けては通れない状況であり、さらには、新庁舎整備事業に係る地方債の元利償還も本格的に始まり、財政状況は更に厳しさを増していくものと予想されます。
 こうした状況を踏まえ、令和3年度の予算編成に当たりましては、当該年度で見込まれる一般財源総額を念頭に置いて、国、県の予算編成の動向を注視しつつ、可能な限り国や県の補助金、交付金など特定財源の確保に努めるとともに、喫緊の課題である人口減少対策に対応するため、第2期島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げる政策4分野に位置づけた事業に重点を置いて編成したところであります。
 この結果、一般会計の当初予算総額は、平成29年度から継続事業として取り組んできた新庁舎整備事業に係る地方債の元利償還金を含む公債費や老朽化に伴う霊丘公民館の大規模改修工事などの増はあるものの、畜産振興事業経費の畜産クラスター構築 事業費補助金や小中学校の非構造部材耐震化事業、霊丘公園体育館・弓道場空調機設置事業をはじめとした投資的経費の減などに伴い、対前年度比マイナス2.3パーセントの230億6,800万円となり、国民健康保険事業など3つの特別会計を含めた予算総額は、307億9,600万円で対前年度比マイナス1.5パーセントとなっております。
 今後とも、持続可能な財政運営を目指して、国、県の補助制度や合併特例債、過疎対策事業債など有利な地方債の活用を図りつつ、一層の行政の効率化とスリム化に向けて職員一丸となって取り組んでまいります。
 また、市の組織機構の見直しや市民との協働による行政運営、民間活力の活用なども推進してまいります。

 

1 総務部門
 市政運営の基本方針である第7次島原市市勢振興計画が、令和2年度からスタートしました。新型コロナウイルス感染症により各種施策の遂行に影響が及んだところもございますが、令和3年度も引き続き、地域資源や魅力を生かした持続可能なまちづくりに向けて取り組んでまいります。
 人口減少問題の解決は、本市の最重要課題であり、市を挙げた取組が必要であります。
 令和2年度にスタートした第2期島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略では、第1期総合戦略での取組をより一層充実、強化したKPI(重要業績評価指標)の達成に向け、具体的な成果を上げるべく各種施策を推進し、人口減少対策並びに地方創生に取り組んでまいります。
 若者の就職、定住や子育て、教育環境の充実を通じた移住・定住の促進などの施策を切れ目なく展開し、若者が、島原で就職し、結婚し、子どもを産み育てていく、そのような将来を見据えた人口減少対策を総合的に推進してまいります。
 移住者を増やすため、本市で生活する人々や美しい風景等を中心に、「しまばら暮らし」の良さを専用のホームページやSNS等を駆使して効果的に発信してまいります。
 また、ながさき移住サポートセンター等関係機関との連携のもと、移住希望者の掘り起こしに努めるとともに、移住者それぞれのニーズに合った様々な情報提供ができるよう、空き家バンクの充実やお試し住宅の整備を図り、きめ細かいサポート体制で移住政策を促進してまいります。
 あわせて、地域おこし協力隊の活用など、本市と関わりを持つ関係人口の創出、拡大に努め、地域活力の向上や将来的な移住の掘り起こしに取り組んでまいります。
 また、コロナ禍において、急速に進んだリモートワークやワーケーションといった多様な働き方の変化に対応するため、滞在型施設の整備や企業等の誘致を進め、県内外からの関係人口、交流人口の増加を図ります。
 婚活の支援については、個別の相談等に対応する専門窓口を設置し、年齢や業態に応じたきめ細かい支援を行うとともに、県や関係機関との連携によるマッチングシステムを活用した出会いの場の創出や、市内の事業所や団体などとともにグループ交流を図る企業間交流事業にも引き続き取り組んでまいります。
 島原守護神「しまばらん」については、島原ふるさと創生のシンボルとして、引き続き市民への浸透を図るとともに、市内外の企業と連携した商品開発等に積極的に活用するなど、地域経済の活性化にもつなげてまいります。
 人口減少が進む中でのこれからのまちづくりには、行政主体ではなく、市民の皆様の主体的な参画が必要であります。
 市民の皆様と行政との協働を円滑に推進するため、必要な機構改革を進めてまいります。
 新しい地域コミュニティ組織づくりについては、モデル地区として立ち上がった、安中地区まちづくり協議会設立準備会の活動を引き続き支援するとともに、市全域での意識啓発、機運醸成を図ってまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、複雑多様化する社会課題や市民ニーズに応えるためには、一つの部署だけではなく、複数の部署間の連携、協力が不可欠です。
 限られた予算と人員配置の中で縦割り行政の弊害を打破し、部署横断的な施策を推進するため、組織機構の見直しを進めていくとともに、平成30年5月に策定した島原市第5次行政改革大綱に基づき、前期実施計画に掲げる45の実施項目についての取組を推進してまいります。
 島原半島地域の振興については、関係団体との連携を強化し、地域高規格道路「島原道路」の全線早期整備や島原・天草・長島架橋構想の早期具体化に向けた取組、並びに九州新幹線西九州ルートの開業を見据えた公共交通の連携強化など、半島地域の発展に努めてまいります。
 地域公共交通については、市民の生活の足を確保するためにも利用者の視点に立ち、利便性の向上やサービスの充実に取り組むとともに、コミュニティバス「たしろ号」については、三会、杉谷、有明地区に加え、安中、白山地区にも拡大して運行を行っておりますが、今後も市内交通事業者等と連携しながら、少子高齢化社会における新たな公共交通機関として、高齢者の社会参加の機会拡大等につなげてまいります。
 デジタル化については、国において、本年9月にデジタル庁が創設される予定となっており、本市としても、国が目指す「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を念頭に、市民サービスの向上と業務効率化を進めるため、デジタル化の推進に努めてまいります。
 ふるさと納税については、年々寄附額が増加し、令和2年度は、これまでの最高額を大きく上回る寄附をいただいており、厳しい財政状況下にある本市において、自主財源を確保する有効な手段としてだけではなく、地元企業の振興にもつながっております。
 全国からいただいた寄附金は、地域の活性化や教育、福祉の充実をはじめ、多くの事業に活用させていただいているところです。
 今後も、寄附の目的や寄附金の使い道を明確にするとともに、更に多くの地元企業に参加をいただき、魅力ある特産品の造成に努め、財源の確保を図ってまいります。
 兄弟・姉妹都市との交流については、昨年、延期しておりました大分県豊後高田市との提携50周年の交流事業を、本年、新型コロナウイルスの感染状況を考慮しながら実施します。
 実施に際しましては、市民の皆様とともに歓迎ムードを盛り上げ、心のこもったおもてなしができますよう努めてまいります。
 広報しまばらについては、国が強く推進するデジタル化に対応するため、市ホームページ上のデジタル広報紙へ市公式LINE(ライン)などから積極的に誘導するよう努めるとともに、コロナ禍においても市民が必要とする情報を読みやすく、分かりやすく、市民に役に立つ広報紙として引き続き制作してまいります。
 また、本市の公式LINE(ライン)、Facebook(フェイスブック)、YouTube(ユーチューブ)等を活用しながら、タイムリーな情報発信にも積極的に努めます。
 職員研修については、国への実務研修をはじめ、自治大学校等への派遣研修や、民間IT企業への若手職員の派遣研修を引き続き実施するほか、職員の意識改革をはじめ政策法務、社会経済全般に関する幅広い知識を習得するための研修を充実することで、前例にとらわれることのない、時代の変化に対応できる職員の育成を進めてまいります。
 市税などの収納については、現年度分収納率が市税で約99.0パーセント、国民健康保険税で約95.8パーセントと高い水準を維持しており、今後とも収納率の向上に取り組み、税収の確保に努めてまいります。
 公共施設等総合管理計画については、急速に進む人口減少、高齢化社会にあって、大変厳しい財政状況のなか、個別施設計画に基づき、可能な限り前倒しを行いながら、身の丈に合った行財政運営を実現すべく、公共施設の適正管理に努めてまいります。
 市分譲地の売却促進及び定住促進事業については、仁田住宅団地及び安中地区分譲地を対象として、土地を購入した人、家を新築した人及び定住した人に助成を行っております。
 令和2年度は、土地の購入が6件と家の新築が2件有り、それぞれに対し助成を行っており、今後も地域経済の活性化及び定住促進を図ってまいります。
 地籍調査事業については、市内の土地を調査し、地籍の明確化を図ることで、迅速な災害復旧や各種公共事業の計画策定、土地取引の円滑化などの事業効果が期待できるものであり、昨年度に引き続き白山地区及び新たに霊丘地区の一部を調査実施してまいります。
 マイナンバー制度については、マイナンバーカードの健康保険証としての利用など、利用範囲の拡大も図られつつあり、カードの更なる普及に向けて、市内事業所、各公民館及び確定申告会場などへの出張説明会や出張申請サポートを行うなど、周知、広報に努めてまいります。
 窓口業務のワンストップ化については、引き続き市民が便利で利用しやすい窓口サービスに取り組んでまいります。
 消費生活相談については、成人年齢の引き下げを令和4年度に控え、若年層の消費トラブルが予想されるため、消費者教育による被害の未然防止や被害者の救済支援に努めます。
 また、資格をもった消費生活相談員を配置するとともに、相談員のスキル向上を図り、国や県、警察等関係機関との連携を密にし、誰一人取り残さないような消費生活相談体制の充実に向けて取り組んでまいります。

 

2 福祉保健部門
 福祉保健分野については、市民が健康に暮らし、安心して子育てができる環境づくりを図るため、関係団体などと連携し、必要な取組を行ってまいります。
 高齢者福祉対策については、高齢者がいきいきと輝くまちづくりを目指し、誰もが住み慣れた地域で健康で自立し、安心して暮らし続けられるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援のサービスを提供する地域包括ケアシステムの充実に向け、関係機関と連携し取り組んでまいります。
 さらに、高齢者の健康づくり、生きがいづくりの推進と、一人暮らし高齢者等の見守り体制の充実を図ります。
 また、今後増加が予想される認知症高齢者への対策については、令和2年度に策定した島原市成年後見制度利用促進基本計画に基づき、制度の利用促進に向けた事業を実施してまいります。
 加えて、認知症高齢者等が偶然の事故により損害賠償責任を負った場合、これを補償する保険に本市が加入する事業も開始しており、認知症高齢者等やその家族が地域で安心して生活できるよう、事業への登録を推進してまいります。
 また、在宅高齢者の介護予防や生活支援を推進するため、福祉交通機関利用助成事業、介護見舞金支給事業、おむつ費助成事業などを引き続き実施します。
 障がい者福祉対策については、障害者総合支援法に基づく福祉サービスを総合的に実施するとともに、障がいのある方等の自己決定を尊重し、住み慣れた地域において、必要な日常生活又は社会生活を営むことができるように、関係機関と協力、連携して支援します。
 また、自立に向けた各種の就労支援事業を実施するとともに、事業者に対して、障がいのある方の雇用への理解の促進を図ります。
 さらに、東京2020パラリンピックに出場するドイツ陸上競技チームの事前キャンプの受入れを契機に、本市は共生社会ホストタウンとして、なお一層、障がい者にもやさしいまちづくりに取り組んでまいります。
 生活保護については、生活保護の適正な認定や支給に努めるとともに、生活習慣病予防などの健康管理支援や就労支援を行い、自立を促進します。
 あわせて、生活保護受給者以外の生活困窮者に対しても、引き続き関係機関等と連携し、安心して自立した生活が営まれるよう相談や支援に取り組みます。
 児童福祉対策については、島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略における政策4分野の1つである「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」の実現に向けて、安心して子どもを産み、育てることができる社会環境づくりに努め、とことん子育てにやさしいまちづくりを目指します。
 そうしたなか、小児科の本市への誘致活動の成果として、島原半島初の病児保育施設を併設した小児科医院が、今年5月に開設されます。
 これに伴い、子どもが病気のとき、保護者が仕事を休めない場合に預かりができる施設ができ、安心して子育てができる環境がより一層進むものと期待されます。
 市としても病児保育事業のほか、休日保育や一時預かりなど様々な保育事業に対し支援を行い、保育サービスの充実に取り組んでまいります。
 また、乳幼児の育児用品代や保育所等に入所している子どもの副食費の助成、2人目からの保育料の完全無料化、中学生までの医療費の助成など、継続して取り組み、子育て家庭における経済的負担の軽減を図ります。
 さらに、特定不妊治療費助成事業を継続して実施するほか、産前産後のママサポート事業及び親子関係の土台づくりや仲間づくりの支援を行う親育ちプログラム事業の実施、出産直後の母親に対して心身のケアや育児のサポート等を行う産後ケア事業、子どもの一時預かりや送迎などの育児支援を行うファミリーサポートセンター事業の実施など、出産から子育て期のライフステージに 応じた切れ目のない支援と環境づくりに引き続き取り組みます。
 ひとり親家庭等対策については、児童扶養手当による経済支援をはじめ、急な病気や仕事の時に支援員を派遣する、ひとり親等日常生活支援事業や資格取得のための高等職業訓練促進給付金等事業をとおして、自立の支援と生活水準の安定、向上に努めます。
 医療対策については、基幹病院である長崎県島原病院の更なる充実を図るため、先進的医療を支える高度医療機器の整備を支援するとともに、医師確保や診療科目の充実について長崎大学や長崎県病院企業団などに対し、あらゆる機会をとおして要望を行ってまいります。
 なお、救急医療対策については、休日の在宅当番医制や歯科休日診療当番医制、島原半島地域を圏域とする病院群輪番制を地元医師会や歯科医師会の協力をいただきながら実施します。
 小児の診療体制については、引き続き長崎県と半島三市が協調して島原病院の小児科勤務医を確保するとともに、半島三市と医師会との共同による休日診療事業を実施し、安心して子育てができる環境の充実に努めます。
 市民の健康づくりについては、健康増進計画及び食育推進計画に基づき、健康づくり推進員連絡会、食生活改善推進員協議会をはじめ、関係団体と連携して、市民との協働により推進するとともに、市民の自発的な取組を支援するため、いきいき健康ポイント事業を実施します。
 また、各種がん検診については、受診率の向上を図るとともに、早期発見、早期治療につながるよう、人間ドック、高齢者の介護予防事業などの健康増進事業にも取り組みます。
 母子保健事業については、妊婦と乳幼児を対象とした健康診査や相談、指導を行い、歯科保健事業については、フッ化物洗口事業を継続して実施するとともに、新たに、妊産婦歯科健康診査受診券及びむし歯予防のためのフッ素塗布助成券を配布し、かかりつけ歯科医での受診を勧めてまいります。
 予防接種事業については、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の準備を迅速かつ円滑に進め、高齢者から順次実施してまいります。
 また、定期予防接種として、風疹に対する抗体保有率が低い、現在41歳から58歳までの男性を対象とした、風疹抗体検査及び予防接種を引き続き実施するとともに、任意予防接種として、中学生までの小児インフルエンザ予防接種の費用助成を実施します。
 国民健康保険事業については、平成30年度から、県が財政運営の責任主体となり、市や町とともに国保運営の中心的な役割を担っているところですが、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い 一人当たりの医療費が増加傾向にあるなか、被保険者数の減少により保険税の増収が見込めないなどの構造上の課題を抱え、非常に厳しい運営状況が続いております。
 本市といたしましても、特定健診の受診率向上やジェネリック医薬品の普及といった医療費の適正化、保険税の収納対策など、様々な施策を講じることで、より一層効率的で適正な国保事業の運営に努めてまいります。

 

3 環境部門
 環境分野については、2020年10月に政府において2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、脱炭素社会の実現を目指すことが宣言されました。
 環境問題への関心が高まるなか、今後は、市民一人ひとりが当事者意識を持つような取組を、国、県、県内各市の動向を見ながら、保健環境連合会等との協働により進めてまいります。
 環境保全については、市民や事業所等と連携し地球温暖化対策に取り組むとともに、夏季及び冬季の節電対策を実施して省エネの推進を図ってまいります。
 また、小中学生を対象とした環境教育の推進に取り組むとともに、豊かな水資源を守るため、飲用井戸水の水質検査や地下水の湧水量調査を実施し現状把握に努めます。
 あわせて、野犬捕獲や不法投棄防止の周知等を行い、生活環境の向上を図ります。
 しまばら斎場は、供用開始後16年が経過し、施設の長寿命化を図るため設備の改修工事等を計画的に実施してまいります。
 ごみの減量化については、「4万人のごみ減量プロジェクト」の目標値、「市民一人1日当たりのごみ排出量850グラム以下」を達成するため、家庭から出るごみの大部分を占める紙類と生ごみの更なる減量化に向け、分別を徹底するための雑がみ回収袋の配布や水切りネットの利用促進、食品ロスの削減に取り組んでまいります。
 ごみ収集業務の民間委託については、平成31年度に有明地区、令和2年度に三会、安中地区を実施し、令和3年度は市内全域の可燃ごみ収集業務の民間委託を進めてまいります。
 また、効率的で安全なごみ収集を行うため、戸別収集からステーション化への切替えを推進してまいります。
 可燃ごみ処理施設の県央県南クリーンセンターは、平成31年度末で15年間の瑕疵担保責任の期間が終了し、現施設で令和7年度まで6年間のつなぎ運転を行った後、令和8年度から新施設で処理を開始する計画であり、次世代炉建設に向け、県央県南広域環境組合と連携し取り組んでまいります。
 し尿処理については、前浜クリーン館の性能維持のため、定期的な更新工事等を実施してまいります。

 

4 農林水産部門
 本市の基幹産業である農業については、県下随一の農業地帯である強みを生かし、元気で豊かな産地を目指すため、経営基盤の強化を重点施策として、国、県の制度や補助事業などを積極的に活用し、農作業の省力化や経営規模の拡大、生産コストの縮減、先進技術を活用したスマート農業、次世代施設園芸等の促進を図ってまいります。
 あわせて、「農業の大型機械化」「企業経営」「給料保障」「国際化」の「新4K」を推進し、更なる産地の競争力強化に向けて取り組んでまいります。
 担い手対策については、後継者不足や耕作放棄地の増加などによる、人と農地の問題を解決するための土台となる「人・農地プラン」を核に、農地中間管理機構の活用や農業委員会と連携した推進体制の強化により、担い手への農地集積、集約化を更に進めてまいります。
 また、新規就農者に対する助成などにより、次世代を担う若手農業者の育成を図るとともに、県と連携してUIターン就農者等の確保に努めてまいります。
 さらに、規模拡大に必要な労働力を安定的に確保するため、労力支援システムの強化や移住促進と連携した雇用労力の確保に努めるとともに、農業分野における外国人材受入れのための派遣サービス事業体も有効に活用し、強い経営力を持った担い手の育成と、産地の維持、拡大に取り組んでまいります。
 畜産関係については、鳥インフルエンザ等家畜伝染病の予防と安定的な畜産振興を図るため、家畜飼養施設における衛生管理の徹底に努めるとともに、優良な家畜の導入等により、生産基盤の維持、拡大を進め、競争力の強化と経営の安定を図ります。
 耕地関係については、基盤整備事業の実施により担い手の経営規模拡大、耕地利用率の向上や高収益作物の導入による農業所得額の増など、事業による効果が発揮され、若い農業後継者の結婚の促進や出生率の増加など、地域に活力が生まれております。
 現在、県営事業により実施している三会原第3地区や三会原第4地区の基盤整備事業も順調に進捗しており、引き続き円滑な事業の推進を支援してまいります。
 さらに、新規採択に向け取り組んでおります、中原、寺中地区においては、関係機関との協議完了後、国へ事業採択の申請を行う予定です。
 また、大三東一野地区につきましても水源の確保や事業計画書の策定に取り組み、松崎、東大地区においても地元と一体となって推進してまいります。
 また、農業用排水路や農道の補修、河川の維持管理に努めるとともに、ため池の防災減災機能の充実を図ってまいります。
 さらに、多面的機能支払交付金制度の活用により、環境保全活動や水路、農道の長寿命化のための支援を継続してまいります。
 林業関係については、計画的な林業施業を推進するとともに、森林環境譲与税を活用した森林管理システムの構築等により、私有林(人工林)の整備を促進し、防災機能などの公益的機能を有する森林資源の適正な管理につなげてまいります。
 水産業関係については、漁業従事者や漁獲量の減少が進む厳しい状況となっているため、漁業を支援する取組が必要であります。
 担い手の確保対策としては、後継者の育成、就業後の漁業定着が重要であることから、県の事業を活用して新規漁業就業希望者の就業研修等の取組を支援してまいります。
 また、国や県の水産多面的機能発揮対策事業を活用した干潟耕耘(こううん)やアサリの放流などを支援し、漁場環境の保全に努めるとともに、天然藻場の再生と人工藻場にもなりえるワカメ、コンブ養殖漁業を推進し、併せて有明海栽培漁業推進協議会などと連携し、地域の特性にあった魚種の種苗放流を継続し、資源管理の取組を推進します。
 アワビ陸上養殖においては、ICT機器による養殖環境データの蓄積と現場の技術を融合させたスマート漁業を確立するとともに、将来を見据え、漁業者の所得向上に向け、ウニなどの新たな養殖種の試験養殖にも取り組んでまいります。
 また、漁業基地である漁港施設の機能を保全するため、湯江漁港内の浚渫(しゅんせつ)を実施し、漁港の適正な維持管理にも努めてまいります。
 以上、農林水産部門における施政の一端を申し述べましたが、現下のコロナ禍において、観光をはじめ多くの産業が困難な状況に直面する中にあっても、本市の農林水産業は、国内で消費される食糧の供給基地として、あるいは、我が国の食糧自給率を高める産業としての強みと可能性を持ち得ることを改めて大きく感じたところであります。
 あわせて、商工観光業についても、地域経済と市民の雇用を支える産業であり、コロナ禍からの経済の回復に向け、経営基盤の安定と強化を図ることが喫緊の課題であります。
 その課題を解決するべく、現在の産業部を「農林水産部(仮称)」と「商工観光部(仮称)」に再編し、本市の農林水産業や商工観光業が、将来にわたり島原半島をリードし、より強固なものとなるようその持続的な発展と振興に注力してまいりたいと存じます。

 

5 商工観光部門
 商工業については、商工会議所、商工会などの関係機関と連携のもと、地元企業の経営基盤の安定と強化に全力で取り組んでまいります。
 本市経済の発展のためには、地域経済を牽引する地元企業の振興に加えて、地域外から新たな企業の立地を促し、働く場所をつくり出していくことが重要であることから、新たな設備投資と新規雇用に対して支援する企業立地促進・雇用創出事業を更に推進してまいります。
 あわせて、コロナ禍のなか、働き方改革とも相まって都市部の企業を中心にリモートワークが加速度的に進みつつある流れを捉え、地域の遊休資産等を活用したサテライトオフィスの積極的な誘致を行うため、現地視察の際の交通費を支援する島原でしてみんねテレワーク支援事業や開設費用を支援するサテライトオフィス等開設支援事業を実施し、情報通信業や専門技術サービス業などの企業誘致に積極的に取り組み、雇用の場の確保に努めてまいります。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大により世界が急激に変化していることなどから、今後も地元企業等に対して島原市IoT推進ラボをとおしてIoT(モノのインターネット)の普及促進、最新情報の収集及び提供を行ない、激変する世の中に取り残されることのないよう支援してまいります。
 さらに、創業を志す人たちのためのワンストップ相談窓口であるしまばら創業サポートセンターを活用し、創業や中小企業の事業承継を支援してまいります。
 雇用の維持と安定、促進については、市内に居住する新規学卒者の地元就職を促進するため、県や島原公共職業安定所等の関係機関との連携のもと、島原半島企業説明会を継続して実施するとともに、新規雇用を行う地場産業の事業拡充を支援する地場産業事業拡充促進事業や市内事業所に就職する新規学卒者及びUIターン者を支援する雇用拡大支援事業を実施し、新規雇用の創出、拡大に努めてまいります。
 また、高齢者の生きがいと積極的な社会参加のため、公益社団法人島原市シルバー人材センターの円滑な事業運営や、新規会員の増加に向けた支援を行います。
 中心市街地商店街の活性化対策については、しまばら出店応援ナビ制度(空き店舗バンク制度)による空き店舗所有者と新規出店希望者のマッチング支援や開業サポートにより、空き店舗を解消し街の元気とにぎわいを創出するとともに、県と連携し商店街が主体的に取り組む持続可能な商店街づくりを支援します。
 また、中心市街地の核施設として位置付けているイオン島原店については、建替えと併行して市道整備等を行い、中心市街地へ人の流れを誘導することにより、市民が暮らしやすいコンパクトシティを目指した街づくりに取り組んでまいります。
 さらに、本庁舎玄関前の大屋根広場を中心に、近隣の商店街や島原鉄道などと連携し、地域一体を会場に市民と観光客がともに集い楽しめる特産市「島原大手門市」を開催し、中心市街地のにぎわいの創出と活性化を目指します。
 金融面については、島原市中小企業振興資金や、国、県の融資制度の利用促進を図るとともに、事業資金調達のため利子補給等補助金により支援します。
 島原ブランドの国内外への展開については、これまで培ってきた大手百貨店とのパイプをフルに活用した対面型の取組と、インターネットを活用した非対面型の取組を通じて、農水産物をはじめとする島原産品の魅力を全国に大きくアピールするとともに、島原スペシャルクオリティ(SQ)に認定できるような魅力ある商品化の取組のほか、全国の消費者に親しまれるようなお中元、お歳暮などのギフトセット商品の開発等、新しい魅力の創出にも努めてまいります。
 あわせて、島原の優れた産品が、百貨店や有名商社などに、多く取引をしていただけるよう、コロナ禍の時代に対応した、リモート商談会の開催にも取り組んでまいります。
 さらに、将来的な国内市場の縮小を見据え、日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携し、事業者の主体性を生かした海外展開を図ってまいります。
 観光については、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、市内の観光客や宿泊客が大幅に減少するなど、観光関連産業は大変厳しい状況にありますが、事態収束後のアフターコロナを見据え、落ち込んだ市内経済はもとより、観光産業の回復や観光誘客に努めてまいります。
 また、令和6年に島原城築城400年を迎えることから、実行委員会を中心とした市民総参加の取組を進め、市民の機運醸成を図るとともに、観光・歴史・景観を含めた島原城及び周辺の整備事業を推進し、本市のシンボルである島原城や城下町の歴史、湧水や温泉など豊かな自然の恵みを活用した観光の振興を図ってまいります。
 あわせて、本市の地域資源を最大限に活用したロケツーリズムによるシティプロモーションを推進し、映画やテレビ番組などの撮影誘致や支援等を行うことで、作品をとおして本市の魅力を発信し、認知度及びシティブランドの向上を目指してまいります。
 特に映画やテレビ番組などのロケでは、多くの関係者が滞在します。本市への直接的な経済効果はもとより、放映による広告効果も大きく、交流人口の増加やふるさと納税への効果にも期待できるため、今後とも積極的な誘致活動に取り組んでまいります。
 また、令和4年度の九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の開業を、全国に向けた観光誘客の拡大につなげるため、令和4年秋に開催される「デスティネーションキャンペーン」に向け、JRグループや長崎県、佐賀県などと連携した取り組みを行ってまいります。
 本市の観光事業を一元的に担う株式会社島原観光ビューローについては、島原城及び鯉の泳ぐまち観光交流施設の指定管理をはじめ、VR(バーチャルリアリティ)やMR(ミックスリアリティ)などの技術を利用したソフトによる新たな商品の開発、車・鉄道・バスに加え、第4の二次交通網としての電動アシスト付き自転車網の構築などに取り組まれ、周遊・体験型観光の充実による滞在時間の延長や観光消費額の増加に寄与されています。事業の円滑な運営と拡大に向け、引き続き支援してまいります。
 浜の川湧水観光交流館「銀水」は、本年4月1日から指定管理者制度を導入いたします。民間事業者のノウハウを取り入れることにより、湧水を活用した施設の有効的な活用やサービス向上を図るとともに、清流亭や四明荘などの鯉の泳ぐまち観光交流施設と併せて効果的な情報発信を図ってまいります。
 島原半島ユネスコ世界ジオパークについては、本年、3度目の 再認定審査を迎える節目の年であり、地域の文化、歴史の教育による郷土愛の醸成や、観光、産業などの地域経済への波及効果を持続させていくため、島原半島3市の連携を更に強化し、再認定に向け取り組んでまいります。
 また、健康志向で楽しく歩き回ることができるジオパークの実現に向け、「島原半島ユネスコ世界ジオパークを感じる~九州オルレ島原コース~」のPRに努めるとともに、九州観光推進機構や南島原コースをはじめとする周辺コースと連携し、広域的な交流人口の増加を図ってまいります。
 スポーツキャンプや大会の誘致については、東京2020オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地である本市としても、市内のスポーツ施設を最大限に活用し、多種多様な競技をターゲットとして積極的に誘致活動に取り組んでまいります。
 温泉給湯事業については、ヒートポンプによる温泉の供給から5年が経過したところであり、引き続き安定かつ効率的な運営に取り組むとともに、島原温泉の認知度を高めるためのPRを展開し、観光の活性化につなげてまいります。

 

6 建設部門
 活力ある地域づくりと安全で快適なまちづくりのためには、生活環境の整備促進や産業基盤としての幹線道路の整備は必要不可欠であります。
 その中でも、地域高規格道路「島原道路」の出平町から有明町間の延長約3.4キロメートルについては、橋りょうや函渠工(かんきょこう)の工事など一部が完成しており、引き続き国土交通省や県と連携し、早期完成に向け取り組んでまいります。
 また、新たに事業化された有明町から雲仙市瑞穂町間についても、県や関係自治体と連携し早期整備に努めてまいります。
 市道の整備については、児童生徒が安全で安心して通行できる歩道等の整備や道路の改良などを実施するとともに、老朽化した橋りょうの調査や修繕工事も計画的に進めてまいります。
 また、市道堀町縦線についても、国道251号と市道外港大手広場線を結ぶ幹線道路であり、中心市街地の活性化に寄与することから、測量、調査及び改良工事を行ってまいります。
 船津地区の恒久的な高潮対策については、県営事業である高潮堤防の完成に向けて密接な連携を図るとともに、排水ポンプ場や市道の整備、広馬場下の公有水面埋立事業の完成に向けて取り組んでまいります。
 市営住宅については、島原市公共施設等総合管理計画の個別施設計画に基づき、災害時に建設された団地や耐用年数を経過した住宅、団地等の廃止に向け、入居者の移転を促進し、空き住宅の解体除却を実施するとともに、柏野住宅をはじめ存続する市営住宅については、計画的な改修や適切な維持管理に取り組んでまいります。
 空き家対策については、島原市空家等対策計画に基づき、発生の予防、適正管理、活用の推進に積極的に取り組んでまいります。
 都市計画については、都市計画区域、用途地域、風致地区の見直しを検討し、より良い住環境の整備誘導に努めてまいります。
 都市計画道路霊南山ノ神線、親和町湊広場線、安徳新山線、新山本町線については、県と一体となって早期完成に向け事業を推進してまいります。
 街なみ環境の整備については、七万石坂通りや武家屋敷地区、鯉の泳ぐまち周辺において、美しく歴史ある街なみの形成や保全に地域の方と協働で取り組んでまいります。
 また、島原城築城400年に向け、お堀周辺の魅力をアップするための無電柱化事業による電線の地中化や歩道の改修など、関係機関と連携して取り組んでまいります。
 生活排水対策については、従来の個別の合併処理浄化槽に加え、国や県が推奨する、PFI方式による民間活力を活用した市町村設置型合併処理浄化槽の導入について検討を進めており、本市の実情に合った計画の見直しに取り組んでまいります。

 

7 消防防災部門
 防災対策については、全国各地で発生する災害が大型傾向にあるなか、本市においても令和2年の台風10号では、20箇所の避難所に2,000人を超える方々が避難されるなど、大きな災害がいつ発生してもおかしくない状況にあります。
 このようななか、本年6月には雲仙普賢岳噴火災害から30年の節目を迎えることから、安中地区に続き、白山地区についても自主防災組織の充実、強化のための再編成を進め、各種防災訓練や研修会等を実施してまいります。
 さらに、噴火災害から30年の事業として、安中地区と南島原市深江町との合同避難訓練や自治体災害対策全国会議などを開催し、災害下で本市が受けた全国からの支援に応えるため、地域と協働した機能的で実行力のある日本一の自主防災会組織を目指し、災害に強いまちづくりに努めてまいります。
 溶岩ドーム対策については、水無川流域の砂防工事が完了し、令和3年度から長崎河川国道事務所による直轄砂防管理が始まり、地域における安全・安心がより大きくなることが期待されます。
 今後も国直轄の機関の存続、九州大学地震火山観測研究センターの整備促進を含め、国との良好な関係の中で安全対策に取り組んでまいります。
 眉山対策については、計画的な治山施設の整備推進に加え、堆積している土砂の排除や航空実播による植生の回復、監視体制の強化などについて、林野庁をはじめ関係機関と連携を図ってまいります。
 消防団の体制については、常備消防との連携を図りながら、新入団員の訓練や消防団総合訓練などを通じ、消防団員の資質と機動力の向上に努めます。
 また、年々厳しい状況にある消防団員の確保を改善するための分団管轄区域の見直しや、普通免許制度の改正による運転可能な消防車両の選定、財政状況を考慮した消防自動車の更新など、現在の消防団が抱える諸問題に向き合い、時代に即した組織体制を図るため、有識者のご意見も伺いながら課題解決に向けて検討してまいります。

 

8 教育部門
 教育は、郷土や国の将来を左右する最優先の政策課題の一つであり、郷土の発展を担う誇りと責任を自覚し、国際社会でも活躍できる心豊かでたくましく生き抜く力を身につけた人材を育成していくことが大事であると考えています。
 今後とも、噴火災害復興の体験から学んだ「生命(いのち)・きずな・感謝の心」の精神を引き継ぎ、学校、家庭、地域の教育力を結集して、心豊かで活力ある生涯学習社会の構築と広い視野に立った施策の推進に努めます。
 教育振興基本計画については、本年度が第2期基本計画の最終年度であり、成果と課題を検証するとともに、国、県の教育振興基本計画等を参酌し、また教育大綱、市勢振興計画等との整合性を保ちながら、次期計画を策定してまいります。
 また、コロナ禍における社会教育施設、スポーツ施設等の利用については、新しい生活様式を実践するなど感染防止対策に万全を期してまいります。
 児童生徒の学力の向上については、確かな学力を身につけさせるために、国、県の学力調査に加え、市独自に学力調査を行うことにより、児童生徒の実態を把握し、学習指導の充実、改善を図っており、令和2年度県学力調査では、小中学校の国語、算数・数学の平均正答率が県平均を上回ることができました。
 また、GIGAスクール構想の実現のため、令和2年度に整備した一人1台端末と高速通信ネットワークの活用を充実させ、児童生徒の更なる学力向上を目指します。
 児童生徒の豊かな心を育てるため、道徳教育の一層の推進を図ります。また、全ての小中学校に配置している学校司書と連携して、図書室運営を更に充実させ、豊かな感性や情操を育む読書活動を推進します。
 いじめ・虐待・不登校問題については、いじめアンケート調査の実施をはじめ、全小中学校へのスクールカウンセラーの配置や全中学校への心の教室相談員の配置に加え、スクールソーシャルワーカーの有効活用を図ることで、関係機関と連携し、相談業務の充実を図りながら、早期発見、早期対応、未然防止に努めます。
 国際化への対応については、平成31年度から外国語指導助手7人を配置し、全ての小学校の外国語科、外国語活動及び中学校の外国語の授業の充実を図り、英語によるコミュニケーション能力を養います。
 また、小中学生に英会話の楽しさを実感させるため、島原市ジオパークイングリッシュキャンプを引き続き実施します。
 島原半島ユネスコ世界ジオパークを学校教育の教材として活用し、ふるさとの自然を学び、ふるさとを愛する「ふるさと教育」に取り組みます。
 特別支援教育については、全小中学校へ学習支援員を配置し、個に応じた支援体制の更なる充実を図ります。
 小中学校の施設整備については、今後の児童生徒数の推移や老朽化の状況など長期的展望に立って策定した個別施設計画に基づき進めることとしており、児童生徒の安全を第一に非構造部材の耐震工事として湯江小学校の外壁改修及び防水工事、また、猛暑による児童生徒の健康被害を踏まえ、湯江小学校、高野小学校及び第一中学校の老朽化した空調設備の更新に取り組みます。
 学校施設の有効活用と教育環境の充実を図るために、小中学校適正規模適正配置検討委員会を新たに設置し、今後の少子化に対応した学校規模の適正化及び適正配置の検討を進めます。
 学校プールのあり方については、経常的に発生する維持管理費や老朽化に伴い、今後見込まれる改築費の削減、水泳指導の質の向上などを目指して、試行的に有明地区三つの小学校の水泳授業を島原市有明プールで行い、費用対効果を検証します。
 奨学金制度については、貸付型奨学金、償還免除型のふるさとにもどってこんね奨学金を活用して、コロナ禍など経済的理由により修学が困難な学生の支援を行い、人材育成とふるさと島原への帰郷、定住促進を目指します。
 社会教育については、市民一人ひとりがその生涯にわたって自分に適した手段や方法で学び、その成果を適切に生かすことができる社会の実現に努めます。
 特に公民館については、市民の生涯学習の拠点として、女性団体の育成・支援や高齢者の生きがいづくりを推進するとともに、新しい地域コミュニティの拠点としての機能のあり方について検討を進め、市民協働のまちづくりにもつなげてまいります。
 島原市ココロねっこ運動についても、引き続き地域ぐるみの子育てを目的に、学校、家庭、地域が一体となって取り組むことで更なる推進を図り、子どもを中心に据えた豊かな心と郷土愛を育む、強いきずなで結ばれた地域づくりに努めます。
 また、放課後や夏休み期間中に安全で安心して活動できる子どもの居場所を確保し、地域の人材との交流を図りながら自主的、主体的な学習習慣を身に付けさせるための活動や体験活動の機会とするため、スクールキッズと放課後子ども学習室に引き続き取り組みます。
 文化財については、島原藩や近代島原の歴史についての調査研究を促進するため、肥前島原松平文庫に寄贈された未整理資料の調査と整理を行うとともに、本年度から、市内に多数存在する文化財を総合的に把握し、保存と活用の方針を定める島原市文化財保存活用地域計画の作成を進めてまいります。
 このような取組をとおして、島原城跡、旧島原藩薬園跡、伝統的建造物など本市の歴史を伝える貴重な文化財はもとより、先人から受け継いだ貴重な遺産を、市民と一体となって保護と活用に努めてまいります。
 愛知県幸田町とは、平成26年度に歴史と文化の友好交流の推進に関する協定を締結して以降、民間団体における歴史、文化交流が行われており、今後も更に深まるよう支援します。
 文化の振興については、自主文化事業、美術展、音楽祭、市民文化講座などを開催するとともに、コロナ禍においても、各種団体の皆様とともに知恵を出し合い、市民が主体となった運営を更に充実させながら地域文化の活性化を図ります。
 老朽化が進んでいる霊丘公民館については、建物の長寿命化を図るために大規模改修を行い、市民皆様が安心して利用できるように努めてまいります。
 生涯スポーツについては、島原市スポーツ推進計画に基づき、子どもから高齢者までスポーツを通じた人づくり、地域づくりを推進します。
 また、いつでも、どこでも、誰でも気軽にスポーツに親しめるように市民体育祭をはじめ、各種スポーツ大会を開催し、スポーツを楽しみ、生活の中にスポーツを取り入れる「スポーツインライフ」の充実が図られるよう取り組みます。
 ジュニアスポーツについては、トップアスリートを小学校に招き、子どもたちと一緒に体を動かしたり、体験談を聞いたりして夢について考える夢の教室をとおして、将来に向かって「夢・憧れ・志」を持つことの大切さを学ぶ機会を提供することで、情操教育の充実と競技力向上に努めます。
 冬の一大イベントとして定着しております平成新山島原学生駅伝については、学生たちの力強い走りと島原の情報を九州・沖縄地域の特別番組として放送することにより、島原の魅力の発信に 努め、スポーツ交流人口の拡大と地域の活性化につなげてまいります。
 そして、本年は延期となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。
 オリンピック聖火リレーは、5月7日に島原城周辺ルートを走行し、7月から8月には、オリンピックスペインレスリングチームやパラリンピックドイツ陸上競技チームが事前キャンプを行います。
 オリンピック・パラリンピックの機運醸成を図るとともに、国を代表するアスリートたちが最高のコンディションで本大会に臨めるよう、全市をあげて受け入れ態勢の整備とサポートに努めます。
 あわせて、聖火リレー、事前キャンプともに市民皆様と一緒になって歓迎ムードを高め、オリンピック・パラリンピックを盛り上げてまいります。
 さらに、これらの取り組みを契機として、国内外スポーツ合宿や国際規模大会の誘致によるスポーツ国際交流都市を目指してまいります。

 

9 水道部門
 水道事業については、市民生活に欠かせないライフラインとして、「安全でおいしい水をいつまでも」を基本理念に掲げ、令和3年度も、引き続き上の原・安中配水池等の耐震化事業を進めるとともに、老朽管路更新などの事業により、安全・強靭・持続可能な水道の構築を目指し、公営企業として公共性、経済性に配慮した、効率的な事業運営に努めてまいります。

 

 以上、令和3年度における市政運営と主要施策の大綱について申し述べました。
 大変厳しい財政状況ではありますが、今は市民の命と生活を守ることを第一に、あらゆることを見直し、知恵を絞り、今できることをコツコツと確実に取り組んでいかなければなりません。
 その努力の積み重ねが、やがて実を結び、今後の本市の発展へとつながっていくものと存じます。
 島原で生まれ、育ち、暮らして、訪れて、本当に良かったと思っていただける、そのようなまちづくりを目指し、市民一人ひとりが幸せを実感し、希望と誇りを持って安心して暮らせるよう、職員一丸となって事務の一つ一つに心を込めて、全力で市政に取り組んでまいります。
 市民の皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 

   令和3年3月2日
 
                                                 島原市長 古川 隆三郎

 


 

 

 

 


 


 

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