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令和6年度 施政方針

総務部 総務課 行政班 TEL:0957-63-1111(内線151,154) FAX:0957-64-5525 メールsomu@city.shimabara.lg.jp

    令和6年度 施政方針        


 令和6年3月島原市議会定例会の開会に当たり、令和6年度における市政運営の方針並びに当初予算の大綱等について施政方針を申し述べ、市民皆様並びに議員各位のご理解とご協力をお願いする次第であります。

 新型コロナウイルス感染症による制限のある生活も終了し、様々なイベントや地域の行事が多く開催されるなど、住民同士の交流や経済活動が以前の様子を取り戻しつつあります。

 このような中、令和6年は、いよいよ島原城築城400年の節目の年となります。年間を通して関連イベントを開催し、市民総参加の取組により、築城400年を広くアピールするとともに、歴史や文化、食や観光など本市の魅力を全国へ向けて発信する絶好の機会と捉えて取り組んでまいりますので、市民皆様におかれましても引き続き市政運営にご理解、ご協力をいただき、築城400年を共にお祝いいたしましょう。

 さて、令和5年12月21日発表の政府経済見通しでは、我が国経済は、コロナ禍を乗り越え、改善しつつあるとされており、令和6年度においては、総合経済対策の進捗に伴い、官民連携した賃上げを始めとする所得環境の改善や企業の設備投資意欲の後押し等が相まって、民間需要主導の経済成長が実現することが期待されるとされております。

 そのような中、地方財政におきましては、物価高への対応や少子化が深刻化する中、社会保障関係費の増加はもとより、人件費の大幅増、こども・子育て政策の強化やデジタル化・脱炭素化・地方創生の推進、防災・減災対策等に係る歳出増が見込まれております。

 全国市長会など地方6団体が発表した2024年度地方財政対策についての共同声明によりますと、国と一体となって現下の課題である物価高を乗り越え、地域経済の活性化に取り組むとともに、喫緊の最重要課題であるこども・子育て政策の強化や、地方創生の加速化・深化に向けた「デジタル田園都市国家構想」の推進に全力で邁進していくとされております。

 本市は、島原市第五次行政改革大綱に掲げる「島原の未来を創る市政運営の実現」を目指し取り組んでおり、厳しい財政状況の中、一人ひとり危機意識をより強く持って事業の抜本的な見直しに臨み、限りある財源を効果的に活用し、持続可能な財政運営を維持していくことが不可欠であります。

 令和6年度当初予算は、「ふれあいと笑顔あふれる街づくり」をテーマとして、島原温水プール整備事業や大三東漁港の整備等に要する経費、県央県南広域環境組合負担金の増等により252億4,500万円となり、国民健康保険事業など3つの特別会計を含めた予算総額は、約326億8,600万円で前年度から大幅増となったところであります。

 予算編成に当たっては、ここ数年、財源不足を補うため、多額の基金取崩しを余儀なくされる状況が続いており、数年先には繰り入れる基金が不足し、当初予算編成が困難になることが懸念されていることから、令和6年度の当初予算編成に当たっては、重点施策を中心に予算配分する一方で、不要不急な施策・事業の見直しにより、経費の節減・合理化を図ったところです。

 また、ふるさと納税をはじめとした自主財源の確保とともに、「地方創生」をはじめとした国、県などの重点施策の動向を注視し、財政的に有利な補助金や交付金などの特定財源の確保に努めてまいります。

 子育て支援、移住・定住対策及び新たな地域コミュニティづくりなど、特に重要な施策につきましては、それぞれの部や課の垣根を越えて、お互いが支え合い、協力し合うとともに、スピード感を持って市全体で取り組むよう努めてまいります。

 以下、重点的な施策について、部門ごとに申し上げます。


1 総務部門

 人口減少問題は、本市におきましても最重要課題であることから、若年層の人口流出抑制のための支援や結婚を希望する人への支援、子育て世代への支援など、総合的な人口減少対策事業に取り組んでまいります。

 取組の内容として、移住の推進については、テレビ番組やCMにより全国から注目を浴びている島原鉄道「大三東駅」等も活用しながら、SNS等により「しまばら暮らし」の良さを効果的に発信するとともに、移住者が求める要望に応じ、様々な情報提供ができるよう「空き家バンク」や「お試し住宅」などを活用し、きめ細かい支援を行ってまいります。

 また、島原の魅力を効果的に情報発信するため、映画やドラマ、CMなどのロケ誘致を行い、きめ細かな撮影サポートを行ったことにより、多くの撮影が島原で行われています。映像作品を通して、広く島原の魅力を発信するとともに、市民皆様が島原の魅力を再発見するきっかけとなり、郷土愛の醸成にもつながるものと感じています。今後も島原の活力になるよう引き続きロケツーリズムを推進してまいります。

 生活交通路線である公共交通機関を維持するため、経営が厳しい島原鉄道に対し、バス路線の維持費を助成するほか、鉄道の存続と安全性の確保を図るため、安全輸送設備等整備に係る事業費について国・県・沿線3市で補助を行うほか、鉄道事業の運営に係る支援も沿線3市で行ってまいります。

 市で運行している「予約・あいのり・たしろ号」は、多くの皆様にご利用いただいており、市民の足として定着しています。今後も市民の皆様が安心して利用できるよう停留所を増設するなど事業者と連携し、利便性の向上に努めるとともに、経費削減とゼロカーボンシティの実現に向けてEV車両の導入を目指し、持続可能な運行を図ります。

 デジタル化については、国が進める自治体システムの標準化・共通化に取り組み、令和7年度までに政府共通のクラウドサービスの利用環境への移行を実現し、住民サービスの向上及び行政の効率化を目指します。

 また、近年増加の傾向にある不正アクセスやコンピュータウイルスなどのサイバー攻撃から住民情報等の重要情報を守るため、情報セキュリティ対策の強化を図るとともに、障害が発生した際も迅速な復旧ができる様にシステムバックアップなどの仕組みを見直し、市役所内の安定した情報システム運用に取り組みます。

 あわせて、島原市電子申請サービスを利用し、いつでもどこでも住民票の写しや税証明等を手に入れられる「行かない窓口」の利用促進やマイナンバーカード等を活用した「書かない窓口」の実施など、市民が便利さを実感できる行政サービスの実現に向けた自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進に積極的に取り組んでまいります。

 市民の皆様にもご協力をいただいておりますマイナンバーカードの普及については、市民のほぼ全員にマイナンバーカードを取得いただくことを目標に、更なる出張申請サポートの実施など、市民が取得しやすい環境整備を行ってまいります。

 また、行政サービス窓口「しまばらん窓口 とるっと」では、引き続きパスポート業務や各種証明書発行業務、マイナンバーカードの申請受付及び交付を行うなど、今後も利便性の向上を図ってまいります。

 市の広報については、市民皆様が島原を好きになってもらえるような分かりやすく楽しい「広報しまばら」作成に取り組むほか、市ホームページの充実やSNSを活用した更なる情報発信の強化を図り、島原の魅力を市内外へ積極的に発信してまいります。

 兄弟・姉妹都市との交流については、令和6年度に豊後高田市との兄弟都市提携55周年を迎えるに当たり、住民同士の友好交流を通じ、交流促進の機運を更に高めるとともに、兄弟都市として両市の良好な関係をより一層促進するため、兄弟都市友好親善交流事業を実施します。

 職員研修については、自治大学校や市町村アカデミー等への派遣研修をはじめ、政策法務や社会経済全般に関する幅広い知識を習得するための研修を充実することで、職員の能力向上及び意識改革を図りながら、時代の変化に対応できる職員の育成を進めてまいります。

 市税などの収納については、令和4年度決算で現年度分収納率が市税で約98.8%、国民健康保険税で約95.8%と一定の水準を維持しており、今後とも収納率の向上に取り組み、税収の確保に努めます。

 市有財産については、未利用地の売却を進めるとともに、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の適正な管理に努めてまいります。

 脱炭素化社会の実現に向けた取組の一環として電気自動車導入を進めるため、令和6年度に電気自動車1台を共用車として購入することとしております。

 市分譲地の売却促進及び定住促進事業については、仁田住宅団地及び安中地区分譲地を対象として、土地の購入者や住宅新築後の定住者、若年世帯で市外からの移住者に奨励金を交付し、定住促進及び地域経済の活性化を図ります。

 地籍調査事業については、平成22年度から実施しておりますが、令和6年度は、霊丘・森岳地区の7町で立会調査を実施予定であります。

 入札・契約事務については、より一層の競争性及び透明性の向上を図るとともに、優秀工事表彰を行うことにより、公共工事の適正な施工の確保や品質向上に努めます。また、電子入札の導入については、県が今後予定している市町共同利用への参加を含め、どのような方法が望ましいのか検討してまいります。

 現在、地域コミュニティづくりについては、人口減少等により町内会・自治会をはじめ、各種団体の機能の維持や課題解決が難しくなってきています。

 そのような中、先の能登半島地震におきましても、住民自らが支え合い、避難所で生活されている姿を見たときに、本市が取り組んでいます地域住民が主体となり、子どもの見守り、ルールに則ったゴミ出し、日常での声かけなど、子どもからご高齢の方まで顔の見える関係の地域コミュニティがいかに大事であるかを再認識させられたところであります。

 本市におきましても、それぞれの地域にあった島原らしい強い絆による地域づくりに取り組むため、国の制度である集落支援員制度を活用した、安中まちづくり協議会の活性化を図るとともに、新たな地区への普及・促進を積極的に図ってまいります。

 また、コミュニティづくりに女性の力は必要であるため、団体や個人の枠にとらわれず、誰もが地域活動で大いに活躍できるよう引き続き支援を行います。

 町内会・自治会については、地域住民がお互いに協力し合い、支え合いながら、住みよい豊かなまちづくりを実現するため、島原市町内会・自治会連合会と相互に連携しながら、年間を通して様々な取組を行い、町内会・自治会への加入促進を図ってまいります。

 防犯対策については、セーフティライト(防犯灯)の整備や防犯意識の啓発活動のための各種施策を講じ、協力団体と連携して見守り活動を実施し、安全で安心なまちづくりを推進します。

 交通安全対策については、関係機関・団体等と連携しながら、広報活動や交通安全教育を開催し、交通弱者の事故防止対策や交通道徳の高揚を図るとともに、交通事故の防止に努めてまいります。

 男女共同参画については、島原三市地域男女共同参画リーダー育成事業など各種セミナーを開催するとともに、審議会等への女性の参画推進についても引き続き取り組んでまいります。

 消費生活相談については、資格をもった女性の消費生活相談員も配置し、消費生活をめぐるトラブルをはじめ、市民が抱える様々な悩みや不安を的確に把握し、適切な助言により問題解決に向けた相談体制の充実を図ってまいります。


2 福祉・保健部門

 福祉保健分野については、少子高齢化と人口減少社会が進展していく中、著しい社会環境の変化や複雑化・多様化する福祉保健サービス需要に対応し、明るい市民生活の実現に向け、きめ細かいサービスを推進してまいります。

 高齢者福祉対策については、高齢者が安心して暮らし続けられるよう医療や介護、予防、住まい、生活支援のサービスを提供する地域包括ケアシステムの充実に努めるとともに、一人暮らし高齢者対策である緊急通報システム事業については、固定電話がない方には新たに携帯型の利用を可能にし、また、敬老事業の一環である高齢者無料入浴券については、新たにたしろ号に乗車する際にも利用できるよう改善を行っていきます。

 障がい者福祉対策については、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの総合的な提供により、障害のある人もない人も地域で安心して暮らせる「共生社会」の実現に向け、関係機関と協力・連携して支援してまいります。

 生活保護については、生活保護制度を適正に運用し、就業機会の提供など保護世帯の自立を促進します。あわせて、生活保護受給者以外の生活困窮者に対しても、引き続き関係機関等と連携し、安心して自立した生活が営まれるよう相談や支援に取り組みます。

 児童福祉対策については、令和6年度に第2期子ども・子育て支援事業計画が終了することから、計画の評価・検証等を行うとともに、国・県の方針に従い、第3期子ども・子育て支援事業計画に「子ども・若者計画」「子どもの貧困対策計画」「次世代育成支援行動計画」を一体として新たに「島原市こども計画」を策定します。

 また、児童手当の拡充についても国の方針に沿って進めるとともに、少子化及び家庭や地域の養育力の低下による子育て家庭の孤立化、経済的不安など厳しい子育て環境の中でも全ての家庭が安心とゆとりをもって子どもを産み、子育てを楽しむことができ、将来の地域社会を支える子どもが健やかに成長できる環境の整備に努めます。

 引き続き「とことん子育てにやさしいまち島原」を目指すため、第二子以降の保育料の完全無料化や保育所等に入所している子どもの副食費助成など、次世代を担う児童の健全育成や子育て支援の充実を図るとともに、ひとり親家庭に対する生活の安定や自立のための支援を推進してまいります。

 母子保健については、妊産婦健診や産後ケア事業、離乳食教室をはじめとした各種教室、乳幼児相談などを行い伴走型相談支援の充実を図るほか、出産・子育て応援交付金を活用した経済的支援を実施し、安心して出産・育児ができるまちづくりを推進してまいります。

 また、不妊治療や不育治療を受けられる方の経済的負担の軽減を図るため、医療費の助成を行い、子どもを望まれる方の支援を行ってまいります。

 医療対策については、医師会等の関係機関と連携し、市民が安心できる救急医療体制の維持・充実、看護師などの医療人材の確保を図ってまいります。

 市民の健康づくりについては、健康増進計画及び食育推進計画に基づき、健康づくり推進員、食生活改善推進員協議会をはじめ、関係団体と連携し、市民との協働により取り組むとともに、各種がん検診や人間ドックなどの健康増進事業にも取り組んでまいります。

 令和6年度は、令和2年度から推進していた第3次食育推進計画が終了することから、市民アンケートの実施等により、計画の評価・検証を行い、第4次食育推進計画を策定します。

 予防接種事業については、定期予防接種では乳幼児の予防接種のほか子宮頸がんワクチン、成人の風疹ワクチン、高齢者のインフルエンザワクチン、高齢者の肺炎球菌ワクチンなど14種の接種勧奨と実施を、任意予防接種では乳幼児から中学生までのインフルエンザ予防接種助成事業を継続して実施し、社会全体の感染症のまん延予防及び個人の発病や重症化予防に取り組みます。

 また、新型コロナワクチン接種については、令和6年度から特例臨時接種から定期予防接種に移行するため、接種体制の構築を図ります。

 国民健康保険事業については、都道府県単位化に伴う事務事業を円滑に遂行するとともに、ジェネリック医薬品の普及や特定健康診査の受診率向上に努めます。また、糖尿病性腎臓病を原因疾患とする人工透析への移行を防止・遅延することを目的に、糖尿病性腎臓病重症化予防事業を実施し、医療費の適正化に取り組んでまいります。

 後期高齢者の保健事業については、医療費削減や健康寿命の延伸を目的として高齢者の健康増進のための保健事業と介護予防事業を一体的に取り組んでまいります。


3 環境部門

 廃棄物処理については、生ごみの水切りや古紙類、容器包装プラスチック等の分別の徹底、草木ごみの乾燥排出等を引き続き周知するとともに、事業系一般廃棄物の減量化を目指して「オフィスダイエット作戦」と銘打ち、主に調理の際に出る生ごみや食べ残し、古紙類の減量化について事業所を個別訪問して呼びかけ、民間と一体となったごみ減量化に取り組みます。

 あわせて、業界団体と連携した食品ロスの削減などに取り組み、年度内に可燃ごみの排出量1人1日850グラムを達成し、ごみ処理経費にかかる財政負担を軽減することを目標として「4万人のごみ減量プロジェクト」を引き続き推進してまいります。

 また、令和4年度から可燃ごみ、資源・不燃ごみ収集を全面民間委託したところであり、今後もステーション化を推進することなどにより、収集運搬業務の更なる効率化を図ります。

 資源・不燃ごみについては、島原リサイクルプラントで中間処理した後、島原地域広域市町村圏組合で処理するほか、リサイクルできるものは資源化に努めているところであり、今後も市民皆様への周知を徹底し、再資源化の推進を図ってまいります。

 環境衛生については、国において「カーボンニュートラル」脱炭素社会の実現を目指すことが示され、本市におきましても「ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。地球温暖化対策として市民皆様に取り組んでいただく具体例や温暖化への適用策などを市民の皆様の意見を取り入れつつ地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定し、令和5年度に策定した島原市脱炭素計画での目標である2050年における温室効果ガスの排出量9万7千トンと吸収量7千トンの差9万トンの削減を目指します。

 また、家畜糞尿を利用する水素蓄エネルギープロジェクト等を進めることにより、将来的には市内におけるCO2を排出しない地産地消のクリーンエネルギーを電気自動車等により市民の皆様が活用できるよう検討してまいります。

 島原半島窒素負荷低減計画に係る飲用井戸水の水質検査や地下水の湧水量調査を実施するほか、野犬捕獲や不法投棄防止の周知等を通じて、生活環境の向上を図ってまいります。

 また、環境省から「名水百選」に選定された市町村が一同に会し、水資源の大切さや未来の水環境をテーマに意見交換を行う全国大会「名水サミットinしまばら」を島原城築城400年記念行事として開催します。

 しまばら斎場の施設運営については、近年の高齢化により火葬件数が年々増加し、設計上の件数を大きく上回ってきているため、火葬炉にとって大きな負担となっています。このような状況がしばらく続くことが予想され、火葬設備の機能停止といった事態も考えられることから、設備の延命化や3つある火葬炉の同時運転の実現を図ってまいります。あわせて、施設の大規模改修や健全な運営に向けた改善方法について検討してまいります。

 また、前浜クリーン館についても市民生活に不可欠な施設であり、設備の機能を維持するための更新、修繕等を計画的に実施し、施設の健全な管理・運営に努めます。


4 農林水産部門

 農林水産業は食糧を国民に供給するうえで大変重要な役割を果たすとともに、本市地域経済の活性化を進めるうえで極めて重要であります。

 しかしながら、最近の消費動向の多様化や、国際的な原材料価格の上昇及び輸入物価の上昇による農業生産資材や飼料、燃油等の高騰による生産コストの増大に加え、農林水産物の価格の低迷など、将来的にも農林水産業を取り巻く情勢は厳しいものがあります。

 このような中、本市の農業については、県下随一の農業地帯である強みを活かし、元気で豊かな産地を目指すため、経営基盤の強化を重点施策として、国・県の補助事業などを積極的に活用し、経営規模の拡大や農作業の省力化、生産コストの縮減、先進技術を活用したスマート農業や次世代施設園芸等の促進を図ってまいります。

 あわせて、規模拡大に必要な労働力の確保対策として、労力支援システムの強化に努めるとともに、担い手への農地集積、集約化等の推進を図り、本市農業の競争力強化に努めます。

 担い手対策については、経営開始資金や経営発展支援事業など、新規就農者に対する助成などにより、次世代を担う若手農業者の育成を図るとともに、婚活支援についても島原で働く若い農業者の個性と自然の中で働ける農業の魅力を多くの人に理解してもらえるような出会いの場を提供してまいります。

 有害鳥獣による農作物への被害防止対策については、引き続き猟友会や県と連携した捕獲体制の強化と侵入防止柵の整備を進めます。

 畜産関係については、鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病の予防と安定的な畜産振興を図るため、家畜飼養施設における衛生管理の徹底に努めるとともに、優良な家畜の導入等により、生産基盤の維持・拡大を進め、競争力の強化と経営の維持と安定を図ってまいります。

 また、ゼロカーボンシティへの取組の一つとして、家畜糞尿を活用した発電技術の可能性について、関係部署や大学等と連携し探求を深め、脱炭素化を進めてまいります。

 耕地関係については、基盤整備事業の実施により担い手の経営規模拡大、耕地利用率の向上や高収益作物の導入による農業所得の増加など、事業による効果が発揮されており、これにより若い農業後継者の定着や子どもたちの増加にもつながり、地域に活力が生まれております。

 現在、県営基盤整備事業により実施している三会原第4地区、中原・寺中地区及び一野地区においては順調に進捗しており、引き続き円滑な事業の推進を支援してまいります。また、東大地区においては、令和6年度の事業採択に向け準備を進めており、地元や関係機関と一体となって基盤整備の推進に努めてまいります。

 農業用用水路や農道等については、維持補修・管理に努めるとともに、ため池の防災減災機能の充実を図り、あわせて、農地・農業用施設の維持管理や地域環境の保全を行う地域団体への支援並びに土地改良施設の適切な維持管理や将来にわたる組織の体制強化を図るため、土地改良区合同事務所への支援も継続してまいります。

 林業関係については、松くい虫防除対策や市有林・分収林等の健全な育成と保全に努めるとともに、森林環境譲与税の活用により、私有林の整備を促進し、防災機能などの公益的機能を有する森林資源の適正な管理につなげてまいります。

 水産業については、漁業者や漁獲量の減少が進む厳しい状況となっているため、引き続き漁業を支援する取組が必要であります。

 担い手の確保対策としては、後継者の育成、就業後の漁業定着が必要であることから、県の事業を活用した新規漁業就業希望者の就業研修等の取組を支援してまいります。

 水産多面的機能発揮対策事業を活用した干潟耕耘やアサリの放流とあわせ、放流したアサリの食害防止対策を継続して実施し、アマモの保護育成については教育との連携の中で子どもたちや漁業者と共に藻場を復活させる取組により、漁場環境の保全に努めるとともに、有明海栽培漁業推進協議会などと連携し、地域の特性に合った魚種の種苗放流を継続することで、水産資源の確保と漁獲の安定を図ってまいります。

 養殖業の推進については、カキやアサリの試験養殖を県と連携した技術指導を行うとともに、有明海に適した新しい養殖種の可能性を模索し、将来的な漁業者の所得向上に向けて「つくり育てる漁業」を支援してまいります。

 さらに、安全で快適な就労環境の創出や水産物の生産性の向上を目指した FRP製浮桟橋についても年次的な整備に向けて準備を進めます。

 また、漁港施設の機能を保全するため、大三東漁港内の浚渫を実施し、漁港の適正な維持管理にも努めます。

 長年の懸案であります県施工の霊南埋立地の一部取得については、令和6年度に島原市土地開発公社による先行取得をお願いすることとしており、今後、本市において土地の使用用途を決定後、市が買い取るよう令和6年度予算において債務負担行為をお願いしているところです。

 農林漁業体験実習施設「舞岳山荘」については、令和5年度から体験農園の開設やキャンプ場の料金設定など、利用者増に向けた取組を行っており、今後も施設の更なる魅力アップや利便性向上のため、国の補助事業なども活用しながら、必要に応じて改修や改善を図り、快適な環境づくりを行ってまいります。


5 商工観光部門
 商工業については、商工会議所、商工会などの関係機関と連携のもと、地元企業の経営基盤の安定と強化に全力で取り組みます。
 中小企業者の経営安定については、商工団体による経営指導等に対する支援をはじめ、中小企業の経営に必要な資金調達を円滑化することを目的とした島原市中小企業振興資金や事業者の借入に係る利子及び保証料を支援する中小企業振興利子補給制度などの施策に取り組んでまいります。
 商店街を含む中心市街地の活性化については、しまばら出店応援ナビによる空き店舗と出店希望者のマッチング支援や空き店舗への出店に係る改修費等を支援する商店街活性化事業を実施し、持続可能な商店街づくりを推進します。
 また、大手広場を中心として、近隣商店街や地域住民等と一体となり、市民や観光客が集い、賑わう特産市「島原城大手門市」を開催することにより、中心市街地の賑わい創出と活性化を図ってまいります。
 さらに、市内県立高校5校と共に、共創プロジェクトなどの高校・地域連携イキイキ活性化事業を実施し、地元企業等との協働により、各高校の魅力の向上や地域活性化の促進を図ってまいります。
 雇用・労働対策については、厚生労働省長崎労働局との連携を更に密にし、人材の確保や育成をはじめ、多様な人材が活躍できる就労支援や雇用の安定を図ってまいります。
 また、県や島原公共職業安定所などの関係機関と連携のもと、島原半島企業説明会を開催し、新規学卒者の地元就職を促進するとともに、市内事業所に就職する新卒者やUIターン者を支援する雇用拡大支援事業を実施し、新規雇用の創出と拡大に努めてまいります。
 さらに、高齢者の生きがいづくりや意欲と能力をもった高齢者の積極的な社会参加を促すため、島原市シルバー人材センターの円滑な事業運営に向けた支援を行うとともに、勤労者の福祉の増進を図るため、勤労者会館の円滑な運営に努めます。
 創業支援については、経営基盤が不安定な創業者に対し、創業支援等利子補給事業補助金により融資に対する支援を行うとともに、創業支援ワンストップ相談窓口「しまばら創業サポートセンター」を通じて、経営面、財務面、労務面など様々なサポートを行うことにより、創業による地域産業の活性化を図ってまいります。
 本市経済の発展は、新規企業の立地や既存地場企業の活力増大が大きな原動力になるものと思われることから、本市への企業誘致を実現するため、工業用水に適した湧水などの島原特有の資源をアピールしながら、様々な方向から誘致に取り組んでまいります。あわせて、新規企業の市内への立地や地場企業の規模拡大を促進するため、企業立地促進・雇用創出事業奨励金を活用し、産業の振興と雇用の創出を図ります。
 また、アフターコロナにおいて働く場の多様化が加速する中、市内の現地視察に係る交通費を支援する島原でしてみんねテレワーク支援事業補助金や事務所開設に係る諸経費を支援するサテライトオフィス等開設支援事業補助金を活用し、本市へのサテライトオフィスの誘致を図ります。加えて、旧堀部邸等を活用したワーケーション活用事業に取り組むことで、誘致企業と地元企業との交流による産業の活性化、移住・定住及び関係人口の拡大を図ります。
 物産振興については、島原市産品のブランド化、販路拡大及び新商品開発の3つを大きな柱とし、継続的で丹念な取組を行います。そのため、新商品開発や品質向上への取組の支援とともに、特産品認定制度の認定品をはじめとする商品群を物産展等で積極的に紹介する特産品認定・催事支援事業を実施します。
 また、農畜水産物やその加工品をはじめ、良質な本市の産品をより多くの方々へ消費してもらえるよう消費者視点を重視した島原市産品振興による地域活性化事業など、様々な課題解決への支援を行い、安定した収益性と雇用の促進を促すことで地域経済の活性化を図ります。
 有明の森フラワー公園及び物産館本館については、直営での管理・運営を行い、引き続き来場者に親しまれる公園づくりに努めます。
 ふるさと納税については、厳しい財政状況下にある本市において、自主財源を確保する有効な手段としてだけではなく、地元企業の振興にも大きく寄与しています。
 全国の皆様からいただいた寄附金は、地域の活性化や教育、福祉の充実、子育て支援など、多くの事業に活用しているところであり、今後も本市の取組を応援していただけるよう寄附金の使い道や新規事業プロジェクトなどの情報を積極的に発信してまいります。また、寄附者の利便性向上や更なるお礼の品の充実を図るとともに、本市の歴史や文化を体験できる地域特有の「体験型返礼品」や旅行先の本市でサービスを受け取ることができる「現地決済型ふるさと納税」の返礼品造成に努め、ふるさと納税の更なる増額を目指してまいります。
 観光については、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類相当から5類感染症へ移行され、本市の観光需要も順調に回復して街に賑わいも戻り、アフターコロナに向けた様々な取組として多様化する旅行形態に対応できる地域の特性を活かした滞在型、体験型、周遊型観光を推進し、観光誘客を行う必要があります。
 特に、本年は島原城築城400年の節目の年であり、島原城築城400年記念事業実行委員会を中心に、年間を通して市民総参加のイベントなど、多彩な催しを開催するとともに、10月を集中月と位置づけ、島原城築城400年記念シンポジウムや島原藩ゆかりの地物産展、島原藩マルシェなどのイベントも予定しており、城下町島原の魅力を余すことなく発信する絶好の機会と捉え、市内外に向けた積極的なPR、情報発信を図ります。
 また、島原半島ユネスコ世界ジオパークの資源でもある島原城や武家屋敷などの歴史的財産をはじめ、湧水庭園「四明荘」に代表される湧水や温泉、雲仙岳災害記念館などの火山関連施設を最大限に活用し、周遊・体験型観光を推進するとともに、ジオパークをテーマとした九州オルレ島原コースの魅力アップに努めてまいります。
 観光客の受入体制については、島原観光ビューローや島原半島観光連盟をはじめとした観光関係事業者と密接な連携を図りながら、観光振興の推進や半島各市と連携した島原半島の一体的な観光振興策として島原半島サイクルツーリズム事業による市内及び半島周遊コースの造成などの事業に取り組むとともに、県内はもとより航路でつながれた地域との広域観光の推進にも努めながら、更に滞在時間を延ばし、本市の魅力をゆっくりと堪能してもらう施策を展開してまいります。
 交流人口の拡大については、人や物の交流の活発化が図られている九州新幹線及び西九州新幹線や九州横軸エリアからの誘客強化のため、福岡や熊本方面でのPR活動をはじめ、インターネットや各種宣伝媒体を活用しながら旬の情報を効果的に発信するとともに、島原城や武家屋敷などの歴史や文化を体験できる地域特有の観光資源を磨き上げることで海外からの訪日外国人旅行者や富裕層の取り込みにも努めてまいります。
 さらに、島原復興アリーナや平成町人工芝グラウンド等を中心とする市内スポーツ施設の積極的な活用によるキャンプ・合宿やスポーツ大会などの誘致に努めます。
 特に、全国高等学校選抜フェンシング大会が昨年3月の第47回大会から3年連続で本市開催が決定しており、さらに、令和13年3月の第55回大会までの合計9年間連続で本市開催が内定するなど、様々な競技において高い評価を受けているところであり、新たな競技の誘致にも積極的に取り組んでまいります。
 施設の管理・運営については、島原城をはじめ、鯉の泳ぐまち観光交流施設、浜の川湧水観光交流施設、島原温泉ゆとろぎの湯で指定管理者制度を導入しており、指定管理者と連携し、更なるサービス向上を図ります。
 温泉給湯事業については、ヒートポンプによる給湯システムの適切な維持管理に努めるとともに、温泉の安定供給と事業の円滑な運営を図ります。

6 建設部門
 活力ある地域づくり、安全で快適なまちづくり、利便性の高い都市づくりを目指し、生活道路や排水路などの生活環境の整備、中心市街地の活性化を目的とした市道堀町縦線など幹線道路の整備を図ってまいります。
 また、島原鉄道廃線跡地を活用した自転車歩行者専用道路の整備については、南島原市と連携を図りながら、交流人口の増加を見据えてナショナルサイクルルートの認定に向けた取組を進めます。
 高規格道路「島原道路」の出平町から有明町間の延長約3.4キロメートルについては、着々と工事が進捗しており、有明町から雲仙市瑞穂町間についても大三東インターチェンジの橋梁の工事や用地取得に向けた交渉も進められていますので、引き続き早期完成に向けて国や県に要望してまいります。なお、インターチェンジ周辺においては、土地利用におけるゾーニングを行い、移住者をターゲットとした居住誘導や防災拠点の整備について、今後検討してまいります。
 島原城築城400年にあわせ、安全で快適な歩行空間の創出のためにお堀側に歩道を設置し、歩行者が安心して歩ける歩道整備を行うとともに、島原城周辺の景観や災害に強いまちづくりのための無電柱化事業による電線の地中化を引き続き実施してまいります。
 また、雲仙普賢岳噴火災害の教訓を踏まえ、「二度と自然災害による犠牲者を出さない」という思いから、令和6年10月に無人化施工の未来と自主防災組織をテーマとして「2024火山砂防フォーラム」を開催します。
 都市計画道路の整備については、親和町湊広場線と安徳新山線の用地取得が順調に進捗しており、当該2路線の交差点部から工事に着手しているところで、本年は、新湊川の橋梁工事に着手します。また、霊南山ノ神線については、開通に向けて工事を進めており、令和6年9月の供用開始を予定しています。
 今後も引き続き、都市計画道路全線の早期完成に向けた取組を更に進めてまいります。
 公園・緑地の充実については、将来にわたって安全に公園が利用できるよう公園施設長寿命化計画を策定しているところであり、今後、効果的な維持管理や計画的な更新を行ってまいります。また、綺麗な白土湖を取り戻し活用するため、白土湖再生プロジェクトとして水中の状態を把握するための調査を実施し、改善策を検討してまいります。
 生活排水対策については、市独自の浄化槽設置上乗せ補助や宅内配管工事への補助を行い、単独処理浄化槽やくみ取便槽から合併処理浄化槽への転換を促進し、汚水処理人口の増加を図っており、令和2年度末時点の汚水処理人口普及率52%が令和5年度末は約56%になる見込みであります。今後も県の平均である83.6%を目指し、取組を進めてまいります。
 空き家問題については、空き家の増加が防犯面などの機能を低下させるだけでなく、管理不全な空き家が周辺住民の生活環境への悪影響にもなることから、第2期島原市空家等対策計画による空き家の「発生予防・適正管理・活用推進」について、関係機関と連携を図りながら進めてまいります。利活用については、特に空家等の活用を促進する区域を検討するなど、総合的かつ計画的に推進してまいります。

7 消防防災部門
 全国各地で自然災害が頻繁に発生し、その災害が大規模化、多様化、激甚化する中、今回発生した能登半島地震では、半島地域の交通インフラの脆弱性が顕在化し、公助が入るまでの間、地域住民が自ら支え合い、協力し合って避難生活を送られており、地域に即した新たなコミュニティで、子供から高齢者まで顔が見え、声を掛け合い、支え合う地域の絆の必要性を改めて強く感じたところです。
 そのため、地域で自助・共助を担う自主防災会の組織再編を更に進め、日本一の自主防災会を実現するため、地域の要である消防団や関係機関と連携を図り、各種訓練を実施するとともに、防災教育の専門家を招聘して地域防災力と防災意識向上のための講演会や自主防災組織をテーマとした「2024火山砂防フォーラム」を実施してまいります。
 防災行政無線施設については、主要装置が更新時期を迎えることから、国の財源措置を活用して高機能化を図ることで、長寿命化と施設の安定運用に努めてまいります。
 あわせて、大型化する自然災害に伴い、避難施設の開設頻度や避難者数が増加していることから、避難所機能の充実を図るとともに、防災食などの災害備蓄品の計画的な配備を進めてまいります。
 溶岩ドーム対策については、引き続き長崎河川国道事務所による直轄砂防管理が行われており、今後も国直轄機関の存続や九州大学地震火山観測研究センターの観測体制強化を含め、防災関係機関と連携を図ることで、地域における安全・安心がより大きくなるよう安全対策に取り組んでまいります。
 眉山対策については、計画的な治山施設の整備促進、堆積土砂の排除や航空実播による植生の回復などが実施され、さらには、豪雨による災害事象シミュレーションのソフト対策についても分析調査を実施いただいており、引き続き林野庁をはじめ、関係機関と連携を図ってまいります。
 消防団については、常備消防との連携を図りながら、各種訓練を通じて消防団員の資質の向上やスキルアップに努めるとともに、「管轄区域及び消防団員定数等の見直し」に対しての消防審議会の答申結果を踏まえ、変化する社会情勢に即応した消防団体制の充実強化に努めてまいります。

8 教育部門

 教育は、郷土や国の将来を左右する最優先の政策課題の一つであり、郷土の発展を担う誇りと責任を自覚し、国際社会でも活躍できる心豊かで創造性に富み、変化への対応力を身に付けた人材を育成していくことが大事と考えます。

 今後とも、噴火災害復興の体験から学んだ「生命・きずな・感謝の心」の精神を引き継ぎ、学校、家庭、地域の教育力を結集して、心豊かで活力ある生涯学習社会の構築と広い視野に立った施策の推進に努めます。

 児童生徒の学力の向上については、確かな学力を更に身に付けさせるため、引き続き国・県の学力調査に加え、市独自に学力調査を行うことにより、児童生徒の学力の実態を把握し、学習指導の充実、改善を図ります。さらに、GIGAスクール構想の実現のために整備された一人一台端末と高速通信ネットワークの活用の充実を図り、児童生徒一人ひとりに応じた指導の充実に努めます。

 児童生徒の心の育成については、豊かな感性や情操を育む道徳教育の一層の推進を図るとともに、全ての小中学校に配置している学校司書と連携して、学校図書館運営を更に充実させ、読書活動を推進します。

 また、島原半島ユネスコ世界ジオパークからふるさとの自然を学び、ふるさとへの愛着と誇りを持ち、遠く離れた地からもふるさとの発展を願う児童生徒を育むためにふるさと教育の充実に努めます。

 いじめ・不登校・虐待問題については、いじめアンケート調査の実施をはじめ、全ての小中学校へのスクールカウンセラーの配置や全中学校への心の教室相談員の配置に加え、スクールソーシャルワーカーの有効活用を図ることで、関係機関と連携し、相談業務の充実を図りながら、早期発見、早期対応及び未然防止に努めます。

 国際化への対応については、外国語指導助手7人を配置して小学校の外国語科、外国語活動及び中学校の外国語科の授業の充実を図り、英語によるコミュニケーション能力を養います。あわせて、児童生徒に英会話の楽しさを実感させるため、島原市ジオパークイングリッシュキャンプを引き続き実施します。

 特別支援教育については、全ての小中学校へ学習支援員を配置するとともに、医療的ケアを必要とする児童生徒を支援するため、看護師資格を有する支援員を配置し、支援体制の更なる充実を図ります。

 小中学校の施設整備については、個別施設計画に基づき、第五小学校、大三東小学校、有明中学校の外壁改修及び防水工事を行います。また、学校照明設備については、高野小学校、大三東小学校、第一中学校のLED化を行います。

 休日における部活動の地域移行については、子どもたちがスポーツや文化活動に継続して親しむことができる機会を確保するため、学校や外部指導者、関係団体と協議を重ねながら、引き続き本市の実態に応じた移行に向けて検討を進めます。

 小中学校の再編に係る基本計画については、令和5年12月に国立社会保障・人口問題研究所から発表された地域別将来の人口推計によりますと、島原市の0歳から14歳の人口は、2050年は2020年と比較した場合、50%減少することと想定されています。

 本市においても、少子化により学校の小規模化が進行する中、児童生徒の教育効果を高めるために望ましい学校規模を構築できるよう、令和6年度においても、地域住民をはじめ、小中学校や保育園、幼稚園、認定こども園の保護者を対象に現状の課題を共有するとともに、丁寧な説明を行います。

 学校給食については、令和6年度においても高騰する食材の増額分を給食費の値上げではなく年間一人当たり小学生8,200円、中学生9,000円を市で負担することによって保護者の負担を軽減する「おいしくいただきます子育て応援学校給食費支援事業」を実施します。なお、給食の無償化については、全国の子どもが一律に恩恵を受けるべきであり、自治体によって格差が生じることがないよう全国市長会等でも重要課題として今後も要望してまいります。

 また、物価高騰に対する保護者への負担軽減のため、令和7年度に入学する児童に対し、通学かばんを支給する「子育て応援新入学児童通学用かばん支給事業」を引き続き実施します。

 社会教育については、市民一人ひとりがその生涯にわたって自分に適した手段や方法で学び続けるとともに、学びの成果を適切に生かすことができる社会の実現に努めます。特に公民館については、市民の生涯学習や地域コミュニティの拠点としての機能の在り方について検討を進めます。

 島原市ココロねっこ運動については、地域ぐるみの子育てを目的に、豊かな心と郷土愛を育む、強いきずなで結ばれた地域づくりに努めます。

 また、放課後や夏休み期間中に安全で安心して活動できる子どもの居場所を確保し、主体的な学習習慣を身に付けさせるための活動や体験交流活動の機会とするため、スクールキッズと放課後子ども学習室に取り組みます。

 文化の振興については、地域文化の活性化を図るため、市民が主体となった運営を更に充実させながら自主文化事業、美術展、音楽祭、市民文化講座などを開催します。

 令和7年度に長崎県において開催される国民文化祭については、子ども狂言など本市の特色あるプログラムや「きもの」の全国大会の開催準備を進め、地域文化の次世代への継承やふるさとへの愛着、誇りの醸成につなげます。

 文化財については、市内の文化財の総合的な計画となる島原市文化財保存活用地域計画に基づき、市民皆様と一体となり保存と活用に努めます。特に県指定史跡となっている島原城跡につきましては、令和6年度中に国の史跡指定の申請を行うよう取組を進めます。

 肥前島原松平文庫については、6年間にわたる古文書調査事業の成果を基にした史料の保存活用と更なる調査研究を行います。

 生涯スポーツについては、島原市スポーツ推進計画に基づき、市民一人ひとりがスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、スポーツを通じて交流するなど、常にスポーツが市民のそばにあるようなまちを目指し、市民体育祭をはじめ、各種スポーツ大会を開催します。

 全国高等学校総合体育大会「弓道競技」が令和6年8月に開催されます。「弓道をするもの、ささえるもの」が一つとなって思い出多き大会となるよう円滑な競技運営に努めます。

 ジュニアスポーツについては、トップアスリートが夢に向かって努力することの大切さなどを子どもたちと一緒に語り合う「夢の教室」を引き続き開催し、子どもたちの心の教育の充実と競技力向上に努めます。

 また、本市は「スポーツ国際交流都市」として、国内外からのトップレベルのスポーツ選手の合宿や大会等の誘致を積極的に行い、スポーツによる交流人口の拡大と地域活性化に努めます。

 スポーツ施設の管理・運営については、適切な維持管理を行い、更なるサービスの向上を図ります。特に新プールの建設については、市民に親しまれるプールとなるよう令和7年度完成に向けて整備を進めます。


9 水道部門
 水道事業については、令和5年度末には第7次拡張事業が完了し、令和6年度からは新安中配水池が供用開始され、安中地区においても上の原水源の水道水が供給されることで、懸案であった水質も改善される見込みであります。
 また、人口減少社会の進展による給水収益の減少や更新需要の増加等に対応した今後の本市水道のあるべき姿を模索し、新たな基本計画や経営戦略の見直しを行い、方向性を見定めていく時期であります。
 「安全でおいしい水をいつまでも」を基本理念に、安全、強靭、継続を3つの柱とし、持続可能な水道事業経営のため、今年度、水道料金等懇話会を設置したところであり、広く意見をお聞きしながら適正な水道料金について検討してまいります。
 維持管理については、老朽管路の更新事業を主として実施し、管路更新・耐震化率及び有収率の向上に努めてまいります。

 以上、令和6年度における各部門の主要な施策について、申し述べてまいりました。
 令和6年1月1日に発生した能登半島地震につきましては、国や全国の自治体による被災地への支援がなされておりますが、本市では職員やトイレカーの派遣等を行い、必要とされる被災地への支援を行ってきたところです。今後も状況を見ながら、引き続き職員の派遣等の支援を実施してまいります。
 私が市長に就任してから、11年が経過いたしました。
 私は日頃、常に市民目線で、一人の市民として市政を推進し、子どもたちからご高齢の方々まで、一人でも多くの市民の笑顔を見たいと思っております。
 令和6年は、島原城築城400年の節目の年となります。
 大変厳しい財政状況下ではありますが、年間を通して関連イベントを開催し、島原城の新たな文化や魅力を創造するとともに、「城下町 島原」のシンボルとして島原城が築き上げてきた歴史や文化を次世代に伝承していき、本市の魅力を全国に発信する絶好の機会と捉え、皆さんと一緒に取り組んでまいりますので、市民皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。


                                          令和6年2月29日

                                                      島原市長 古川 隆三郎



 

 


 


 

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