令和8年度 施政方針
令和8年3月島原市議会定例会の開会に当たり、令和8年度における市政運営の方針並びに当初予算の大綱等について施政方針を申し述べ、市民皆様並びに議員各位のご理解とご協力をお願いする次第であります。
人口減少及び少子高齢化の急激な進展や長引く物価高騰の影響等により、今後の地方存続や地域経済の維持への岐路にあるといえる今日、市民の生命と財産を守り、安全・安心を届け、未来の子ども達へ引き継ぐふるさとを創り、育てることが、今の私に課せられた最大の使命であります。
このような中、昨年は島原市が昭和15年に市政を施行して85周年の節目の年であり、4月1日に開催した記念式典では、市民の皆様をはじめ多くの方々とお祝いすることができました。これからも「市民と街が主人公の島原」を目指し、市民の皆様と力を合わせ、今後50年先、100年先の島原市の発展につながるよう、市政運営に全力で取り組んでまいります。
さて、我が国経済は、所得環境の改善が進む中で各種政策効果も下支えとなり、個人消費が増加するとともに、危機管理投資や成長投資の取組が進展するなど、引き続き国内需要中心の経済成長となることが期待されております。
一方、地方財政におきましては、物価高や金利上昇への対応など経済・社会構造が変化していく中、社会保障関係費や人件費の増加、地方創生・人口減少対策や脱炭素化、デジタル化、国土強靭化、インフラ老朽化対策等に係る歳出増が見込まれており、全国市長会など地方6団体が発表した令和8年度地方財政対策についての共同声明によりますと、国と一体となって、物価高を乗り越え、危機管理投資と成長投資を通じた「強い経済」を実現していくため、地域経済の活性化や最重要課題である人口減少対策等に全力で邁進していくとされております。
本市は、島原市第五次行政改革大綱に掲げる「島原の未来を創る市政運営の実現」を目指し取り組んでおり、「市民の生活を守る!こどもたちの未来を創る!」をテーマとして編成した令和8年度一般会計当初予算は、臨時特別給付金などの物価高対策事業、障害者自立支援給付費、こども家庭センター整備経費、学校給食の負担軽減に要する経費のほか、ふるさとしまばら寄附金事業、畜産クラスター構築事業費補助金等の農業振興経費、自転車歩行者専用道路等の道路整備経費など総額約274億4,000万円を計上したところであります。
また、国民健康保険事業など3つの特別会計を含めた令和8年度当初予算の総額は、約348億4,700万円となっております。
令和8年度一般会計当初予算は、令和5年度から令和7年度までの継続事業でありました島原市温水プール整備事業が完了したところでありますが、物価高騰や賃金上昇の影響、さらには、少子高齢化に伴う社会保障費や老朽化が進む公共施設の改修等に係る経費が大幅に増加したことから、必要な経費の確保に苦慮したところであり、加えて、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金事業にかかる経費、約4億3,800万円を計上しております。
予算編成に当たっては、各事業の必要性や緊急性など総合的に内容を精査しながら予算の削減に努め、また、各部署においても業務内容の見直しを行った結果、令和7年度当初予算から約3億8,100万円の減額となりました。
厳しい財政状況の中ではありますが、ふるさと納税をはじめとした自主財源の確保とあわせ、地方創生をはじめとした国、県などの重点施策の動向に常にアンテナを張り、本市にとって有利な補助金や交付金などの特定財源の確保に努める一方で、令和7年度に実現した企業誘致やロケツーリズムの推進、こども家庭センターの整備をはじめとした子育て支援、新たな島原版地域コミュニティづくり、国の物価高騰対応重点支援交付金を活用した物価高対策など、特に重要な施策につきましては、必要な予算措置を行い、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
以下、重点的な施策について、部門ごとに申し上げます。
1 総務部門
人口減少問題は、本市におきましても最重要課題であることから、若年層の人口増加のための支援や結婚を希望する人への支援、子育て世代への支援など、総合的な人口減少対策事業に取り組んでまいります。
取組の内容として、移住の推進については、テレビ番組やCMにより全国から注目を浴びている島原鉄道大三東駅等も活用しながら、SNS等により「しまばら暮らし」の良さを効果的に発信するとともに、移住希望者が求める要望に応じ、空き家バンク登録物件のほか空き店舗、空き倉庫の情報提供や体験住宅の活用、オーダーメイドツアーの実施など、きめ細かな支援を行ってまいります。
また、地域おこし協力隊による地域課題の解決、新たな資源の発掘、魅力発信などの活動で地域活性化を図ります。そして、本市と継続的な関わりを持つ関係人口の創出を通じ、地域の活力向上と将来的な移住促進に努めてまいります。
島原の魅力を効果的に情報発信するため、映画やドラマ、CMなどのロケ誘致を行い、きめ細かな撮影サポートを行ったことにより、多くの撮影が島原で行われています。2月27日から公開されるハリウッド映画「レンタル・ファミリー」では、島原鉄道大三東駅も撮影の舞台となっており、主演のアカデミー賞主演男優賞受賞のブレンダン・フレイザーさんと、柄本明さんによるシーンが撮影されております。
本作は、国内外の劇場で公開されることから島原に興味を持ってもらえる絶好の機会となり、海外の方を含め多くの方が本市を訪れることに大きな期待をすると同時に、市民皆様が島原の魅力を再発見するきっかけとなり、郷土愛の醸成にもつながるものと感じております。今後も、切れ目のない情報発信を行い、移住定住やふるさと納税の増加等につながるよう「島原のファン」を増やし、島原の活力になるようロケツーリズムを推進してまいります。
さらに、大三東駅を中心とした周辺地域の活性化や賑わい創出に向けた新たな取組も検討してまいります。
生活交通路線である公共交通機関を維持するため、経営が厳しい島原鉄道に対し、バス路線の維持費を助成するほか、鉄道の存続と安全性の確保を図るため、安全輸送設備等整備に係る事業費について国・県・沿線3市で補助を行うほか、鉄道事業の運営に係る支援も沿線3市で行ってまいります。
コミュニティバス「予約・あいのり・たしろ号」は、毎月約5,200人の利用があり、市民の移動手段として欠かせない存在となっております。今後もEV車による脱炭素社会の実現や、搭載したAEDによる乗客や地域の安全・安心の確保など、市民に寄り添う公共交通機関となるよう役割の充実と車両や停留所の追加などの利便性向上に努めるとともに、将来的なドライバー不足を見据え、第2種免許が無くても区域限定でたしろ号を運転できるような制度改正について国へ働きかけを行い、また、老朽化した車両を更新し、持続可能な運行を図ります。
デジタル化については、国が進める自治体システムの標準化に取り組み、住民サービスの向上及び行政の効率化を目指してまいります。また、近年増加の傾向にあるサイバー攻撃などから市民の大切な情報を守るため、セキュリティ対策を強化するとともに、安定した情報システム運用に取り組んでまいります。
また、市民が便利さを実感できる行政サービスの実現に向け、パソコンやスマートフォンを使って、いつでもどこでもオンラインで申請手続き等ができる電子申請サービスの利用拡充や、AIの活用などを積極的に進め、業務効率化を図ってまいります。
マイナンバーカードの普及については、公民館、事業所等への出張申請サポートや、障害、病気、要介護状態などで外出が困難な方に対するご自宅への出張申請サポートを引き続き実施してまいります。
また、行政サービス窓口「しまばらん窓口 とるっと」では、引き続きパスポート業務や各種証明書発行業務、マイナンバーカードの申請受付及び交付を行うなど、今後も利便性の向上を図ってまいります。
市の広報については、市民皆様が島原を好きになってもらえるような分かりやすく楽しい広報しまばらの作成に取り組むほか、市ホームページの充実やSNSを活用した更なる情報発信の強化を図り、島原の魅力を市内外へ積極的に発信してまいります。
職員研修については、自治大学校や市町村アカデミー等への派遣研修をはじめ、行政実務や社会経済全般に関する幅広い知識を習得するための研修を充実することで、職員の能力向上及び意識改革を図りながら、時代の変化に対応できる職員の育成を進めてまいります。
市税などの収納については、令和6年度決算で現年度分収納率が市税で約99.0%、国民健康保険税で約96.3%と一定の水準を維持しており、今後とも収納率の向上に取り組み、税収の確保に努めてまいります。
市有財産については、自主財源確保を図るため未利用地の売却を積極的に進めるとともに、公共施設等総合管理計画を現在の目標である床面積の削減のみでなく、あわせて維持管理経費の削減など新たな成果指標を検討することで、計画の実効性を確保し、本市の財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設の最適な配置に努めてまいります。
市分譲地の売却促進及び定住促進事業については、仁田住宅団地及び安中地区分譲地を対象として、土地の購入者や住宅新築後の定住者、若年世帯で市外からの移住者に奨励金を交付し、定住促進及び地域経済の活性化を図ってまいります。
地籍調査事業については、平成22年度から実施しておりますが、令和8年度は市役所本庁舎周辺の森岳地区の一部、霊丘地区の一部の一筆地調査の実施を予定しており、引き続き計画的に調査を実施してまいります。
入札・契約事務については、新たに電子入札システムを導入することにより、入札参加者の利便性の向上や事務のより一層の効率化、入札の競争性、透明性の向上を図ってまいります。また、引き続き優秀工事表彰を行うことにより、公共工事の適正な施工の確保や品質向上に努めてまいります。
現在、地域コミュニティづくりについては、全国的にも人口減少等により町内会・自治会をはじめ、各種団体の機能の維持や課題解決が難しくなってきております。
そのような中、本市が取り組んでいます地域住民が主体となり、子どもの見守り、ルールを守ったゴミ出し、地域住民同士による日常での声かけなど、子どもからご高齢の方まで顔の見える関係づくりが地域コミュニティの大事な部分と認識しているところであります。
それぞれの地域にあった島原らしい強い絆による地域づくりに取り組むため、地域住民の要望や意見を反映させるパイプ役として国の集落支援員制度を活用し、引き続き安中地区、三会地区、杉谷地区に集落支援員を配置するとともに、令和8年度は有明地区にも配置する予定であります。このような中で、安中まちづくり協議会に続き、令和7年12月には市内で2つ目となる杉谷まちづくり協議会が発足したところであり、以降も、順次他の地域にも専任の集落支援員を配置するなど、小学校区を基本とし各地域の活性化を図ってまいります。
また、持続可能な地域コミュニティを構築するうえで、女性の参画は必要不可欠であるため、コミュニティづくりに団体や個人の枠にとらわれず、誰もが地域活動で大いに活躍できるよう、引き続き支援を行ってまいります。
町内会・自治会については、地域住民がお互いに協力し合い、支え合いながら、住みよい豊かなまちづくりを実現するため、島原市町内会・自治会連合会と相互に連携しながら、年間を通して様々な取組を行い、町内会・自治会への加入促進を図ってまいります。
防犯対策については、セーフティライト(防犯灯)の整備や防犯意識の啓発活動のための各種施策を講じ、協力団体と連携して見守り活動を実施し、安全で安心なまちづくりを推進いたします。
交通安全対策については、関係機関・団体等と連携しながら、広報活動や交通安全教育を実施し、交通弱者の事故防止対策や交通道徳の高揚を図るとともに、交通事故の防止に努めてまいります。
男女共同参画については、引き続き男女共同参画リーダー育成事業など各種セミナーを開催するとともに、審議会等へ女性が参画しやすい環境づくりなどに取り組んでまいります。
消費生活相談については、消費生活相談員資格(国家資格)をもった相談員を配置し、近年、増加傾向にある消費生活をめぐるトラブル等に対応しております。さらに、市民が抱える様々な悩みや不安を的確に把握し、適切な助言により問題解決に向けた相談体制の一層の充実を図ってまいります。
2 福祉保健部門
福祉保健分野については、少子高齢化と人口減少社会が進展していく中、著しい社会環境の変化や複雑化・多様化する福祉保健サービス需要に対応し、明るい市民生活の実現に向け、きめ細かなサービスを推進してまいります。
高齢者福祉については、高齢者が安心して暮らし続けられるよう医療や介護、予防、住まい、生活支援のサービスを提供する地域包括ケアシステムの更なる深化・推進に向け、関係機関と連携し取り組んでまいります。
障害者福祉については、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの総合的な提供により、障害のある人もない人も地域で安心して暮らせる共生社会の実現に向け、関係機関と協力・連携して支援してまいります。
生活保護については、生活保護制度を適正に運用し、就業機会の提供など保護世帯の自立を推進いたします。あわせて、生活保護受給者以外の生活困窮者に対しても、引き続き関係機関等と連携し、安心して自立した生活が営まれるよう相談や支援に取り組んでまいります。
児童福祉については、島原市こども計画(令和7年度~令和11年度)に沿って、全ての妊産婦や子育て世帯、こどもに対し、出産前から子育て期にかかる切れ目ない支援を包括的に行う施設として、令和8年度中に、こども家庭センターを十八親和銀行旧島原支店の場所に設置し、周辺のまちの賑わいと協調しながら、利便性も兼ね備えた施設を目指します。
昨今の地域コミュニティなど人と人との支え合いやふれ合いが低下している現状が子育てに大きく影響していることを踏まえ、親育ちへの情報提供や妊娠期から小学校1年生までの「はじめの100か月」に豊かな遊びと体験の獲得や親子の愛着形成の手助けに重点を置く支援を充実してまいります。
また、豊かな経験や知恵を持つ高齢者の方のご協力を頂くことで、子育て環境に厚みを持たせるとともに、全ての市民が気軽に立ち寄り、世代間の交流や情報交換・相談ができる地域の拠り所となるよう準備を進めてまいります。
少子化及び家庭や地域の子育て力の低下による子育て家庭の孤立化、経済的不安など厳しい子育て環境の中でも全ての家庭が安心とゆとりをもって子どもを産み、子育てを楽しむことができ、将来の地域社会を支える子どもが健やかに成長できる環境の整備を進めてまいります。
「とことん子育てにやさしいまち島原」の更なる実現のため、第2子以降の保育料の完全無料化や副食費の助成、乳幼児から高校生世代までの医療費の給付などの経済的支援、次世代を担う児童の健全育成や子育て支援の充実を図るとともに、ひとり親家庭に対する生活の安定や自立のための支援を推進してまいります。
母子保健については、妊産婦健診や産後ケア事業、離乳食教室をはじめとした各種教室、乳幼児相談などを行い伴走型相談支援の充実を図るほか、妊婦のための支援給付金を活用した経済的支援を実施し、安心して出産・育児ができる環境づくりを推進してまいります。
また、不妊治療や不育治療を受けられる方の経済的負担の軽減を図るため、医療費の助成を行い、子どもを望まれる方の支援を行ってまいります。
医療対策については、医師会等の関係機関と連携し、市民が安心できる救急医療体制の維持・充実、看護師などの医療人材の確保を図ってまいります。
特に、島原市医師会看護学校は、これまで地域の医療と介護を担う看護人材の確保に貢献してきましたが、少子化等に伴う入学生の減少により運営が非常に厳しくなっております。閉校となれば、地域の医療と介護を担う看護人材の確保がより一層困難になることが想定されることから、長崎県と半島3市が連携して看護学校の存続に向けた支援についての協議を引き続き行ってまいります。
あわせて、令和7年7月末に島原半島最大の産婦人科病院が閉院しました。市内唯一の産婦人科医院に対しては、出産が集中し過重な負担とならないよう、産後ケア事業については、県内全ての産科医療機関で利用できるよう、調整を行ってまいります。また、婦人検診については、検診を希望する全ての市民が受診できるよう、引き続き島原市医師会に協力をいただいてまいります。
慣れ親しんだ地域で、安全かつ安心して妊娠・出産ができる環境整備は人口減少対策の最も重要な施策であるため、産科医療体制の整備を国、県に対し要望してまいります。
市民の健康づくりについては、健康増進計画及び食育推進計画に基づき、健康づくり推進員、食生活改善推進員協議会をはじめ、関係団体と連携し、市民との協働により取り組むとともに、各種がん検診や人間ドック、成人歯科健診などの健康増進事業にも取り組んでまいります。
予防接種事業については、定期予防接種では乳幼児の予防接種のほか妊婦を対象としたRSウイルスワクチン、高齢者の帯状疱疹やインフルエンザの予防接種など14種の接種勧奨と実施を、任意予防接種では乳幼児から中学生までのインフルエンザ予防接種助成事業を継続して実施し、社会全体の感染症のまん延予防及び個人の発病や重症化予防に取り組んでまいります。
国民健康保険事業については、都道府県単位化に伴う事務事業を円滑に遂行するとともに、ジェネリック医薬品の普及や特定健康診査の受診率向上に努めてまいります。また、糖尿病性腎臓病を原因疾患とする人工透析への移行を防止・遅延することを目的に、糖尿病性腎臓病重症化予防事業を実施し、医療費の適正化に取り組んでまいります。
後期高齢者の保健事業については、人生100年時代の本格的な到来を見据え、運動の継続や栄養状態の改善、社会参加の促進などのフレイル予防対策に取り組み、高齢者の健康づくりの支援を行います。
あわせて、医療費削減や健康寿命の延伸を目的として高齢者の健康増進のための保健事業と介護予防事業を一体的に取り組んでまいります。
3 環境部門
地球温暖化対策については、本市は令和5年4月に島原市ゼロカーボンシティ宣言を行い、脱炭素社会実現を目指すことを表明いたしました。これ以上の地球温暖化を食い止め、2050年までに本市の目標である9万トンの温室効果ガスを削減するため、島原市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)に基づき、行政・市民・事業者が一体となった様々な取組を推進してまいります。
また、連携協定を締結している長崎総合科学大学をはじめ、関係機関と連携し、家畜糞尿や野菜残渣等を利用したバイオマス発電事業の導入に向けた調査・研究をさらに推し進め、市民の足である「EVたしろ号」への電力供給に活用するなど、クリーンエネルギーの地産地消の仕組みづくりに引き続き取り組んでまいります。
廃棄物処理については、ごみ処理経費に要する財政負担を軽減することを目的として、可燃ごみの排出量1人1日850グラムを目指し、4万人のごみ減量プロジェクトによる生ごみの水切りや、古紙類、容器包装プラスチック等の分別の徹底、草木ごみの乾燥排出等に引き続き取り組みます。また、事業系一般廃棄物の減量化を目指す「オフィスダイエット作戦」でも、オフィスペーパーの減量化に関して事業所を個別訪問し、ご理解とご協力をお願いしてまいります。さらに、3010運動を通じた食品ロス削減など、民間とも連携しながらごみ減量化に引き続き取り組んでまいります。
あわせて、収集運搬業務の更なる効率化を図るため、ごみ収集のステーション化を引き続き推進してまいります。
資源・不燃ごみについては、島原リサイクルプラントで中間処理した後、島原地域広域市町村圏組合で処理するほか、リサイクルできるものは資源化に努めているところであり、今後も市民皆様への周知を徹底し、再資源化の推進を図ってまいります。
環境衛生対策については、島原半島窒素負荷低減計画に係る飲用井戸水の水質検査や地下水の湧水量調査を実施するほか、野犬捕獲や不法投棄防止の周知等を通じて、生活環境の向上を図ってまいります。
また、市民生活に不可欠な施設である、しまばら斎場や前浜クリーン館についても設備の機能を維持するための更新、修繕等を計画的に実施し、健全な管理・運営に努めてまいります。
4 農林水産部門
農林水産業は、食糧を国民に供給するうえで大変重要な役割を果たすとともに、本市地域経済の活性化を進めるうえで極めて重要な産業であります。
しかしながら、依然として続く国際的な原材料価格及び輸入物価の高止まりによる生産資材や飼料などの高騰による生産コストの増大に加え、近年、危惧されている地球温暖化に伴う気候変動による環境の変化など、将来的にも農林水産業を取り巻く情勢は厳しいものがあります。
このような中、本市の農業については、県下随一の農業地帯である強みを生かし、元気で豊かな産地を目指すため、経営基盤の強化を重点施策として、国・県の補助事業などを積極的に活用し、経営規模の拡大や農作業の省力化、生産コストの縮減、先進技術を活用したスマート農業や次世代施設園芸等の促進を図るとともに、災害級の猛暑や豪雨等の激甚化する気候変動に対応できる強い産地づくりを進めてまいります。
あわせて、規模拡大に必要な労働力の確保対策として、労力支援システムの強化に努めるとともに、外国人雇用にも取り組みながら、担い手への農地集積、集約化等の推進を図り、本市農業の競争力強化に努めてまいります。
担い手対策については、本市は比較的農業後継者に恵まれた地域でありますので、引き続き経営開始資金や経営発展支援事業など、新規就農者に対する助成を活用し、UIターン就農を含め、次世代を担う若手農業者の更なる育成を図ってまいります。
有害鳥獣による農作物への被害防止対策については、引き続き猟友会や関係機関と連携した捕獲体制の強化と侵入防止柵の整備を進めてまいります。
畜産関係については、鳥インフルエンザや豚熱などの家畜伝染病の予防と安定的な畜産振興を図るため、家畜飼養施設における衛生管理の徹底に努めるとともに、畜産クラスター構築事業を活用した施設整備や優良な家畜の導入等により、生産基盤の維持・拡大を進め、競争力の強化と経営の維持・安定を図ってまいります。
耕地関係については、基盤整備事業の実施により担い手の経営規模拡大、耕地利用率の向上や高収益作物の導入による農業所得の増加など、事業による一定の効果が得られており、これにより農業後継者の定着にもつながり、地域に活力が生まれております。
現在、県営基盤整備事業により三会原第4地区、中原・寺中地区、一野地区及び東大地区の4地区が事業を実施中であり、引き続き円滑な事業の推進を支援してまいります。
また、都市部の農地についても、都市計画区域との調整を行いながら、優良農地の確保に向け基盤整備を検討してまいります。
農業用用水路や農道等については、維持補修・管理に努めるとともに、ため池の防災減災機能の強化を図り、あわせて多面的機能支払交付金制度の活用により農地・農業用施設の維持管理や地域環境の保全を行う地域団体への支援を行ってまいります。また、土地改良施設の適切な維持管理や将来にわたる組織の体制強化を図るため、土地改良区合同事務所等への支援も継続してまいります。
林業関係については、今後も引き続き、松くい虫防除対策や市有林・分収林等の健全な育成と保全に努めてまいります。また、森林環境譲与税の活用により、私有林の整備を促進し、防災機能などの公益的機能を有する森林資源の適正な管理に努めるとともに、未来の林業を支える担い手の育成を図ってまいります。
水産業については、漁業者や漁獲量の減少が進む厳しい状況となっているため、引き続き漁業を支援する取組が必要であります。
担い手の確保対策としては、後継者の育成、就業後の漁業定着が必要であることから、県の事業を活用した新規漁業就業希望者の就業研修等の取組を支援してまいります。
漁場環境の保全については、漁場生産力・水産多面的機能強化対策事業を活用した干潟耕耘やアサリの放流、教育との連携の中で子どもたちや漁業者と共にアマモなどの藻場を復活させる取組への支援を継続してまいります。
水産資源の確保については、有明海栽培漁業推進協議会などと連携し、地域の特性に合った魚種の種苗放流を継続することで、漁獲の安定を図ってまいります。
養殖業の推進については、令和6年度に県と共に整備を支援した大三東地区のワカメ養殖施設により、令和7年度から水揚げが開始されているところであります。さらに、漁業者及び漁業協同組合が取り組んでいるカキやアサリの試験養殖についても、県と共に支援を行うなど、今後も有明海に適した養殖種の可能性を模索し、将来的な漁業者の所得向上に向けて「つくり育てる漁業」を推進してまいります。
これまでトラフグやアワビなどの養殖に活用されてきた島原市陸上養殖施設については、現在、閉鎖している状況でありますが、利活用を図るため、県と連携し、公募による施設の売却等を進めてまいります。
さらに、安全で快適な就労環境の創出や水産物の生産性の向上を目指し、漁港における浮桟橋や斜路等の整備についても年次的に進めてまいります。
農林漁業体験実習施設「舞岳山荘」については、令和7年度に実施したバイオトイレの整備に続き、令和8年度は外壁や内装等の改修を行い、利用者のより快適な環境整備を図ってまいります。
また、絶好のロケーションと豊かで良質な水源を誇る舞岳源水など、施設が持つポテンシャルを生かし、利用者の増加を図るとともに大手企業の参入や企業誘致などの民間活力を視野に入れながら、より有効的な活用を検討し、施設の更なる魅力アップや利便性の向上を図ってまいります。
5 商工観光部門
商工業については、商工会議所、商工会などの関係機関と連携のもと、地元企業の経営基盤の安定と強化に全力で取り組んでまいります。
中小企業者の経営安定については、商工団体による経営指導等に対する支援をはじめ、中小企業の経営に必要な資金調達を円滑化することを目的とした島原市中小企業振興資金や、事業者の借入に係る利子及び保証料を支援する中小企業振興利子補給制度などの施策に取り組んでまいります。
商店街を含む中心市街地の活性化については、空き店舗と出店希望者のマッチングを支援するしまばら出店応援ナビ制度や、空き店舗への出店に係る改修費等を支援する商店街活性化事業を実施し、持続可能な商店街づくりを推進いたします。
また、大手広場を中心として、近隣商店街や地域住民等と一体となり、市民や観光客が集い、賑(にぎ)わう特産市「島原城大手門市」を開催することにより、中心市街地の賑わい創出と活性化を図ってまいります。
さらに、市内県立高校5校と共に、はみ出せ島原!高校生共創プロジェクト事業を実施し、長崎県をはじめ学校や地域、地元企業等との連携により、各高校の魅力の向上や地域活性化の促進を図ってまいります。
また、市内の県立高校において、専門的な技能を習得し一流の人材を育てるため、半島外からも選ばれるオンリーワンの魅力ある学科等の設置を目指し、即戦力として社会で活躍できる環境づくりに努めてまいります。
雇用・労働対策については、厚生労働省長崎労働局との連携を更に密にし、人材の確保や育成をはじめ、多様な人材が活躍できる就労支援や雇用の安定を図ってまいります。
また、県や島原公共職業安定所などの関係機関と連携のもと、島原半島企業説明会を開催し、高校の新規学卒者の地元就職を促進するとともに、市内事業所に就職する高校や大学等の新規学卒者やUIターン者を支援する雇用拡大支援事業を実施し、新規雇用の創出と拡大に努めてまいります。
さらに、高齢者の生きがいづくりや意欲と能力をもった高齢者の積極的な社会参加を促すため、島原市シルバー人材センターの円滑な事業運営に向けた支援を行うとともに、勤労者の福祉の増進を図るため、勤労者会館の円滑な運営に努めてまいります。
創業支援については、経営基盤が不安定な創業者に対し、創業支援等利子補給事業補助金により融資に対する支援を行うとともに、創業支援ワンストップ相談窓口「しまばら創業サポートセンター」を通じて、経営面、財務面、労務面など様々なサポートを行うことにより、創業による地域産業の活性化を図ってまいります。
本市経済の発展は、新規企業の立地や既存地場企業の活力増大が大きな原動力になるものと思われることから、本市への企業誘致を実現するため、工業用水に適した優良な湧水などの島原特有の資源をアピールしながら、企業誘致に積極的に取り組み、安定した雇用の場を確保するため、「若者が残りたい!都会から戻りたい!」などの思いが実現できるよう、様々な方向から誘致に取り組んでまいります。あわせて、新規企業の市内への立地や地場企業の規模拡大を促進するため、企業立地促進・雇用創出事業奨励金を活用し、産業の振興と雇用の創出を図ってまいります。
また、働く場の多様化が加速する中、三大都市圏から本市に一定期間滞在してテレワークを行う方や、本市をサテライトオフィス等の設置候補地の一つとして検討している企業等の現地視察に対して交通費を支援する島原でしてみんねテレワーク支援事業補助金を活用し、本市へのサテライトオフィスの誘致を図ってまいります。
加えて、旧堀部邸等を活用したワーケーション活用事業に取り組むことで、誘致企業と地元企業との交流による産業の活性化や、移住・定住及び二地域居住等による関係人口の拡大を図ってまいります。
また、ドローン技術向上のフィールドとして、水無川流域の砂防指定地を活用した資格取得などの人材育成や技術開発の拠点を目指し、国や県、関係企業等との協力連携による実証事業の実施などに取り組んでまいります。
物産振興については、島原市産品のブランド化、販路拡大及び新商品開発の3つを大きな柱とし、継続的で丹念な取組を行ってまいります。そのため、新商品開発や品質向上への取組の支援とともに、特産品認定制度の認定品をはじめとする商品群を物産展等で積極的に紹介する特産品認定・催事支援事業を実施いたします。また、島原市産品振興による地域活性化事業の推進により、本市で水揚げされるシバエビ・昆布・ワカメなどの水産物や本市で生産される生姜・スイートコーンなどの農産物等を使用した良質な島原の地場産品や特産品に、消費者視点を重視した高付加価値を加えるためのブラッシュアップを行い、農水産業の生産者や製造業者といった異業種間の協力体制を整え、あわせて出口戦略(売り先)にも取り組み、都市圏への販路拡大を図ってまいります。
有明の森フラワー公園及び物産館本館については、直営での管理・運営を行い、引き続き来場者に親しまれる公園づくりに努めてまいります。
ふるさと納税については、厳しい財政状況下にある本市において、自主財源を確保する有効な手段としてだけではなく、地場産業の振興にも大きく寄与しております。
全国の皆様から頂いた寄附金は、地域の活性化や教育、福祉の充実、子育て支援など、多くの事業に活用しているところであり、引き続き本市の取組を応援していただけるよう寄附金の使い道や新規事業プロジェクトなどの情報を積極的に発信してまいります。今後も、寄附金30億円の受入れを目標として、地場企業の生産性の向上や事業拡大、魅力ある地場産品の創出につながる新規企業の誘致を行い、官民一体となって、本市の更なる魅力アップにつながる返礼品の開発に取り組んでまいります。
本市の観光関連産業につきましては、コロナ禍前と同水準まで回復してきており、今後の取組としては、多様化する旅行形態や海外からのインバウンド層に対応できる地域の特性を生かした滞在型、体験型、周遊型観光の推進に注力してまいります。
また、令和7年度に4度目の再認定を受けた島原半島ユネスコ世界ジオパークの資源でもあり、国史跡の島原城跡などの歴史的財産をはじめ、湧水庭園「四明荘」に代表される湧水や温泉、雲仙岳災害記念館などのジオパーク関連施設を最大限に活用するとともに、ジオパークをテーマとした九州オルレ島原コースの魅力アップに努めてまいります。
観光客の受入体制については、島原観光ビューローや近隣市をはじめ、様々な観光関係事業者と連携を図り、広域的な観光振興策としてサイクルツーリズム事業による半島及び市内周遊コースの造成や地域の食の磨き上げ事業等に取り組み、滞在時間を長くし、観光消費額を増加させる施策を展開してまいります。
交流人口の拡大については、観光客の多数を占めている福岡方面をはじめ、シリコンシーライン構想による半導体企業が進出している熊本方面からの誘客強化のため、従来のパンフレットによるPRからインターネットやSNSなどの活用にシフトしながら旬の情報を広く効果的に発信するとともに、島原城や武家屋敷などの城下町の歴史や和の文化を体験できる地域特有の観光資源を磨き上げることで、付加価値を向上させインバウンドや富裕層の取り込みにも努めてまいります。
さらに、スポーツキャンプ、大会等の誘致については、島原市温水プールをはじめ、島原復興アリーナや平成町人工芝グラウンドなど施設が充実しており、屋内外を問わず様々な競技において高い評価を受けていることから、引き続き行政と民間で組織している島原市スポーツキャンプ等誘致実行委員会と連携し誘致に努めるとともに、新たな競技誘致にも積極的に取り組んでまいります。
特に、令和7年11月にオープンした島原市温水プールについては、宝酒造株式会社島原工場から提供いただく温水を活用しており、環境に配慮し、1年を通じて快適に多世代で楽しめる施設であります。市民の健康増進とスポーツ振興や市内小学校の水泳授業での活用はもとより、九州大会規模の公式大会の開催が可能でありますので、今後、大会等の誘致につながるものと大いに期待しております。
施設の管理・運営については、島原城をはじめ、鯉の泳ぐまち観光交流施設、浜の川湧水観光交流施設、島原温泉ゆとろぎの湯で指定管理者制度を導入しており、指定管理者と連携し、更なるサービス向上を図ってまいります。
温泉給湯事業については、宝酒造株式会社島原工場から排出されるお湯を熱源としたヒートポンプ方式による官民連携の給湯システムにより、引き続き温泉の安定供給と事業の円滑な運営を図ってまいります。
6 建設部門
建設部門については、「活力ある地域づくり」、「安全で快適なまちづくり」、「利便性の高い都市づくり」を目指し、社会情勢の変化に対応した持続可能な都市経営の実現に向けて、基盤整備を計画的に推進してまいります。
まず、地域活性化と交流人口拡大に向けた基盤整備として、最重要課題である高規格道路「島原道路」については、地理的条件に恵まれていない島原半島地域の生活基盤の整備と広域的な物流・交流の促進のため、引き続き国や県に対し全線の早期完成に向けた強力な要望活動を展開してまいります。
特に、今後完成予定の島原三会インター及び大三東インターの供用開始を見据え、インターチェンジ周辺における土地利用について、農業振興地域との調整を図りながら、防災拠点の整備や適切な居住の誘導に向けた検討を引き続き進めてまいります。
また、中心市街地の活性化を支援する基盤として、市道堀町縦線の改良工事について、早期完成を目指して残る用地取得と工事を精力的に進めてまいります。
さらに、都市計画道路(親和町湊広場線、安徳新山線)についても、計画的に用地取得を行っており、令和7年度に新湊川の橋梁工事が完成したところで、令和8年度は用地買収が全て完了した安徳新山線の工事を行い、全線の一日も早い完成に向けた整備を更に加速させてまいります。
新規重点施策として、地域振興と交流人口の増加に資する道の駅建設について、令和8年度は重要課題の一つとして位置づけ、そのための基本計画の策定に着手いたします。検討内容は多岐にわたりますが、現状整理、施設コンセプト、地域にもたらす整備効果、具体的な管理運営手法などの検討を行うとともに、雲仙・普賢岳噴火災害や令和6年能登半島地震から得られた教訓を基に、災害時には地域の皆様が安心して避難できる拠点として、また、物資の集積や復旧活動の拠点となるような防災機能の強化を検討してまいります。
また、県内最大の農業生産地である島原半島の新鮮で質の高い一次産品等の魅力を道の駅を通じて全国に発信しブランド化を進められるような、情報発信機能の充実についても検討いたします。
さらに、道の駅を単なる通過点とせず、地域住民の皆様が集い、交流を深める地域コミュニティの拠点としても、大いに期待されると考えております。
以上のことを踏まえ、道の駅整備を通じて、交流人口を増やすだけでなく、地域と継続的な関りを持つ関係人口の増加にもつなげ、持続可能な地域活性化を目指し、令和9年度以降の事業着手を見据え、事業化に向けた地質調査、測量、概算事業費算出などの詳細な調査を実施し、準備を整えてまいります。
次に、安全・快適な生活環境の整備として、島原鉄道廃線跡地を活用した自転車歩行者専用道路の整備については、南島原市との連携のもと、令和8年度の完成を目指してまいります。完成後は、観光振興を視野に入れ、ナショナルサイクルルート認定に向けた取組を長崎県と連携しながら本格的に実施してまいります。
また、歴史的景観の保全と災害に強いまちづくりを推進するため、島原城周辺の無電柱化整備事業を継続して実施し、電線の地中化と並行して安全で快適な歩行空間となる歩道整備を引き続き進めてまいります。
生活排水対策については、令和3年度に公共下水道整備計画を廃止し、災害にも強い合併処理浄化槽による整備へ方針転換したことで、令和4年度から転換促進策として、本市独自の浄化槽設置上乗せ補助を令和9年度までの時限措置として実施中であります。市民皆様からも高い評価をいただいており、これまでの成果を検証しながら、引き続き公衆衛生の向上と水環境の保全を図り、県の平均普及率84.8%を目標に汚水処理人口普及率の更なる向上に努めてまいります。
都市計画の見直しについては、昭和9年の区域指定以降、昭和48年に用途地域の拡大、平成8年に用途区分の見直しが行われています。その後は、大幅な見直しは行われておらず、令和7年度で都市計画税の課税区域の見直しを行い、車社会や人口減少社会といった社会情勢の変化と現在の土地利用の実情を踏まえた全体的な見直しを、令和8年度から本格的に検討し、豊かな農業地域を守りながら、企業誘致や居住・都市機能の誘導など、機能的でコンパクトなまちづくりを目指した将来像の策定に着手いたします。
空き家対策については、第2期島原市空家等対策計画に基づき、「発生予防・適正管理・活用推進」を三本柱として関係機関との連携を強化し、管理不全な空き家への指導強化に加え、移住・定住促進の視点も取り入れた空き家の利活用を促す具体的な施策を検討してまいります。
令和8年度は、道路網の基盤が大きく進展し、道の駅建設に向けた計画が本格化する重要な年となります。今後も市民皆様の安全・安心を確保し、未来を見据えた持続的な都市づくりに邁進してまいります。
7 消防防災部門
全国各地で自然災害が頻繁に発生し、その災害が大規模化、多様化、激甚化する中、令和6年元日に発生した能登半島地震では、半島地域の交通インフラの脆弱性が顕在化し、公助が入るまでの間、地域住民が自ら支え合い、協力し合って避難生活を送られており、地域に即した新たなコミュニティで、子どもから高齢者まで顔が見え、声を掛け合い、支え合う地域の絆の必要性を改めて強く感じたところであります。
そのため、地域で自助・共助を担う自主防災会の組織再編と機能強化を進め、日本一の自主防災会を実現するため、地域の要である消防団や関係機関と連携を図り、各種研修や避難訓練等を実施してまいります。
あわせて、大型化する自然災害に伴い、避難施設の開設頻度や避難者数が増加していることから、避難所機能の充実を図るとともに、防災食などの災害備蓄品の計画的な配備と、令和7年度に整備した新たなハザードマップによる防災啓発を進めてまいります。
溶岩ドーム対策については、引き続き長崎河川国道事務所による直轄砂防管理が行われており、今後も国直轄機関の存続や九州大学地震火山観測研究センターの観測体制の維持強化を含め、防災関係機関と連携を図ることで、地域における安全・安心がより大きくなるよう安全対策に取り組んでまいります。
眉山対策については、計画的な治山施設の整備促進、堆積土砂の排除や航空実播による植生の回復などが実施されており、引き続き林野庁をはじめ、関係機関と連携を図ってまいります。また、地震災害等における眉山崩壊シミュレーションについて、特段の措置を講じられるよう国へ強く要望してまいります。
消防団については、常備消防との連携を図りながら、各種訓練を通じて消防団員の資質の向上やスキルアップに努めるとともに、管轄区域及び消防団員定数等の見直しに対しての消防審議会の答申結果を踏まえ、変化する社会情勢に即応した消防団体制の充実強化に努めてまいります。
8 教育部門
教育は、郷土や国の将来を左右する最優先の政策課題の一つであり、郷土の発展を担う誇りと責任を自覚し、国際社会でも活躍できる心豊かで創造性に富み、変化への対応力を身に付けた人材を育成していくことが大事と考えております。
今後とも、噴火災害復興の体験から学んだ「生命・きずな・感謝の心」の精神を引き継ぎ、学校、家庭、地域の教育力を結集して、心豊かで活力ある生涯学習社会の構築と広い視野に立った施策の推進に努めてまいります。
島原市教育振興基本計画については、令和8年度から第4期(令和8年度から令和12年度まで)の計画期間がスタートします。計画の進捗に当たっては、社会状況の変化を見据えつつ、毎年度実績の点検と評価を検証しながら、学校教育、生涯学習、文化財、スポーツ等の各分野に設定した目標の達成に向けて努めてまいります。
児童生徒の学力の向上については、確かな学力を育むために、国・県に加え、市独自の学力調査を行うことにより、児童生徒の学力の実態を把握するとともに、1人1台端末を活用した授業や家庭学習の改善を図り、一人一人に応じた学習指導に努めてまいります。また、引き続き全ての小中学校へ学習支援員を配置し、特別支援教育の充実に努めてまいります。
英語教育の推進については、グローバルな人材育成を目指した英語教育の充実を図るために、引き続き外国語指導助手を配置し、学校の授業に加え、島原市ジオパーク・イングリッシュキャンプやスピーチコンテストの開催など、英語に親しむ機会をつくることで、英語によるコミュニケーションへの関心や能力を養うとともに、英語学習への関心を高めるために、英語検定試験の受験料を支援してまいります。
児童生徒の心の育成については、豊かな感性や情操を育む道徳教育の一層の推進を図るとともに、全ての小中学校に配置している学校司書と連携して読書活動を推進してまいります。また、島原半島ユネスコ世界ジオパークからふるさとの自然を学び、ふるさとへの愛着と誇りを持ち、遠く離れた地からもふるさとの発展を願う児童生徒を育むためにふるさと教育の充実に努めてまいります。
いじめや不登校問題については、全国的に増加傾向にある中、いじめアンケート調査の実施をはじめ、全ての小中学校へのスクールカウンセラーの配置やスクールソーシャルワーカーの有効活用を図ることで、関係機関と連携し、相談体制の充実を図りながら、早期発見、早期対応及び未然防止に努めます。
また、全中学校に配置している心の教室を「校内教育支援センター」として位置づけ、これまでと同様の教育相談に加え、多様な子どもの学びの支援に努めます。
小学校の水泳授業については、有明プールと新たに建て替えた島原市温水プールの公共施設において、全ての小学校の水泳授業を実施します。
学校給食については、令和8年度の給食食材費として小学生1人当たり月額5,760円、中学生1人当たり月額6,570円と予定しております。国において、令和8年度から始まる小学校の給食費の支援額として、小学生1人当たり月額5,200円を支援することが決定されたことに伴い、小学生においては、1人当たりの食材費から国の給食費負担軽減交付金による支援額を差し引いた月額560円、年間6,160円を、中学生においては、食材の高騰分として1人当たり月額1,670円、年間18,370円を市で支援することで、保護者の負担を軽減する「おいしくいただきます」子育て応援学校給食費支援事業を実施してまいります。
また、令和9年度に入学する児童に対し、通学かばんを支給する子育て応援新入学児童通学用かばん支給事業を引き続き実施いたします。
近年、本市の出生数は250人を割っており、人口減少の進行に危機感を持っています。そのような中、小中学校の将来的再編については、これまでの説明会で頂いた意見をもとに学校教育の在り方やまちづくり、地域コミュニティなど全庁的な視点に立って再編計画案を検討し、引き続き小中学校や就学前の保護者をはじめ、地域住民の皆様に丁寧な説明を行ってまいります。
部活動の地域展開については、陸上部活動において令和7年4月から地域クラブとしての活動がスタートしました。さらに、競技団体や学校等関係者と協議しながら、他の部活動の地域展開を進めてまいります。
小中学校の施設整備については、個別施設計画に基づき、第一小学校、第三中学校の外壁改修及び防水工事を行います。学校照明設備については、第一小学校、第四小学校、第五小学校、第三中学校のLED化を行います。また、有明学校給食センターについては、空調設備の更新を行います。
社会教育については、市民一人一人がその生涯にわたって自分に適した手段や方法で学び続けるとともに、学びの成果を適切に生かすことができる社会の実現に努めてまいります。特に、公民館については、市民の生涯学習の場を維持しながら地域コミュニティや幅広い活動の拠点としての機能の在り方について、コミュニティセンターへの転換を含め検討してまいります。
島原市ココロねっこ運動については、地域ぐるみの子育てを目的に、豊かな心と郷土愛を育む、強い絆で結ばれた地域づくりに努めてまいります。
また、放課後や夏休み期間中に安全で安心して活動できる子どもの居場所を確保し、主体的な学習習慣を身に付けさせるための活動や体験交流活動の機会とするため、スクールキッズと放課後子ども学習室に取り組んでまいります。
文化の振興については、地域文化の活性化を図るため、市民が主体となった運営を更に充実させながら自主文化事業、美術展、音楽祭、市民文化講座などを開催いたします。特に、子ども狂言など本市の特色あるプログラムを通じ、地域文化の次世代への継承やふるさとへの愛着、誇りの醸成につなげてまいります。
社会教育施設及び文化施設の管理・運営については、適切な維持管理を行い、更なる生涯学習環境の向上を図ります。また、島原城跡が国指定史跡になったことに伴い、島原文化会館の開館延長の判断を行うため、耐震診断を行うとともに、市立公民館の照明設備についてLED化を行います。
文化財については、本市の文化財保護におけるマスタープランやアクションプランを定めた島原市文化財保存活用地域計画に基づき、文化財の保存と活用に取り組んでまいります。
国史跡の島原城跡保存活用計画については、国、県、有識者により組織した検討委員会において、策定を進めてまいります。加えて、令和7年8月に崩落した島原城跡東堀端石垣については、国の支援を受けながら修復に取り組んでまいります。
また、市内各所における圃場整備の進展に伴う埋蔵文化財の調査等をより一層進めてまいります。
肥前島原松平文庫については、所蔵資料に加え寄贈及び寄託された史料の調査を進め、保存と活用に努めてまいります。
生涯スポーツについては、島原市スポーツ推進計画に基づき、市民一人一人がスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、スポーツを通じて交流するなど、常にスポーツが市民のそばにあるようなまちを目指し、市民スポーツ祭をはじめ、各種スポーツ大会を開催いたします。
ジュニアスポーツについては、トップアスリートが夢に向かって努力することの大切さなどを子どもたちと一緒に語り合う「夢の教室」を引き続き開催し、子どもたちの心の教育の充実に努めるとともに、大学と連携してスポーツ講習会等を開催し、子どもたちの競技力向上やスポーツ指導者の育成支援を行い、更なるスポーツの振興に努めてまいります。
また、本市は「スポーツ国際交流都市」として、国内外からのトップレベルのスポーツ選手の合宿や大会等の誘致を積極的に行い、スポーツによる交流人口の拡大と地域活性化に努めてまいります。
スポーツ施設の管理・運営については、適切な維持管理を行い、更なるサービスの向上を図ります。
9 水道部門
水道事業については、「安全でおいしい水をいつまでも」を基本理念に、安全、強靭、継続の3つの柱を堅持し、持続可能な水道事業経営の推進に努めてまいります。また、令和7年度に改定した水道料金を基盤に、更新した島原市水道事業基本計画及び経営戦略に沿って老朽管路の更新や耐震化を進め、管路更新率・耐震化率・有収率の向上を図ります。
さらに、令和6年度に策定した島原市上下水道耐震化計画に基づき、社会資本整備総合交付金を活用した水道総合地震対策事業(重要施設配水管)を実施し、災害時の強靭性を高めるとともに、人口減少や更新需要の増大に対応し、効率的で健全な事業運営を徹底してまいります。
以上、令和8年度における各部門の主要な施策について、申し述べてまいりました。
私は、平成24年の就任以来「オンリーワンの島原市」を目指して「市民目線の政治」をモットーに独自の施策を実行してまいりました。
このことは、これからも変わることなくスピード感のある市政運営の舵取り役として精一杯チャレンジするとともに、市民の皆様と共に笑顔あふれる島原の未来を見据えながら、「市民と街が主人公の島原」を合い言葉に全身全霊で取り組んでまいりますので、市民皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
令和8年2月26日
島原市長 古川 隆三郎