「天如塔」は、1909年に建てられた高さ11メートルの八角形の塔で、内部にある2重螺旋階段がある非常に稀なものとして建築学上でも高い評価を受けている貴重な建物です。
しかし、近年、老朽化や台風などの被害で倒壊の危険があったことから、市民の有志でつくる修復委員会が全国に募金を募り、また県や市の助成を受けて、今回修復されました。
この「天如塔」は、明治時代多くの人々に慕われた広田言証師がアジア各地を訪ね、そこで出会った「からゆきさん」をはじめとする多数の方々からの寄進で建立された100年を超える歴史のある塔で、唯一の「からゆきさん」の遺跡として、平成13年に市指定有形文化財に、平成16年には県景観資産建造物にそれぞれ指定されています。
「からゆきさん」に代表される特異な歴史と建築上の価値をもつ「天如塔」の存在を今後も広く周知していきたいと思います。