うら盆の宵を彩る伝統行事 精霊流し
今年も暑い夏の日が続いています。時折り夕立ちが欲しいと思ったりします。
そのような中に、ふるさと島原はお盆を迎えます。精霊流しは、島原市最大の行事です。麦わらと竹だけで作った船に、切子灯篭を乗せたシンプルだけど情緒感たっぷりの船は、日が暮れて暗くなり、ローソクの灯りが点くと、勇壮で自己主張をする年に一度の見せ場を迎えます。
担ぎ手の「ナマイドー」の掛け声とともに、練り回し場で激しく揺れ動く姿は、ふるさとへ帰郷したご先祖さんや、初仏さんの魂の叫びと私は感じます。
そして、最後は、有明海へ浮かび、彼方へ流れて行く精霊船には、先人たちへの思い出と、また来年会えるようにとの願いが交錯します。
そして何事もなかったかのように、ふるさとのお盆は終わり、暑かった夏も過ぎ去って行こうとします。
私は、広馬場の交差点で生まれました。毎年、精霊船を見続けて来ました。
今年も、来年も、そしてこれからもずーと先も。
島原市長 古川 隆三郎