島原農業高等学校でIoTに関する特別授業を開催しました!
島原市が事務局を務める島原市IoT推進ラボ(*1,*2)主催で、長崎県立島原農業高等
学校において特別授業「島原農業高等学校におけるIoTを活用した新しい農業」を開
催しました!
この特別授業は、島原市の農業の将来の担い手となる島原農業高等学校の生徒を対象
に、IT・IoTを利用した先進的な農業(スマート農業(*3))に触れてもらい、島原市
の農業における生産性向上、就農率向上、農家の人手不足解消を目的として開催した
ものです。
概要
・開催日時:令和元年11月15日(金) 13:50~15:40(授業の5、6時間目)
・場 所:長崎県立島原農業高等学校 視聴覚室
・対 象:園芸科学科2年生34名・講 師:株式会社長崎再興 代表取締役社長 甲斐亮 氏、代表取締役 川下勝也 氏・技術提供:三井共同建設コンサルタント株式会社(IoTデバイスのシステム提供他技術支援)・ドローン展示協力:島原雲仙ドローンスクール ※チラシ→
特別授業チラシ(PDF:2.32メガバイト) 
講師二人(川下氏、甲斐氏)からの講演
授業の前半は、(株)長崎再興の川下氏、甲斐氏から、広い意味でのIT、IoTの話やスマート農業に関する話について、生徒にわかりやすく講演していただきました。
川下氏による講演内容
川下氏からは「IoTがもたらす 新しい世界」と題して、IT、IoTとは何なのか、これまでの情報化の歴史とその変化により世界や生活がどのように変わってきたか、今後、5Gが普及していくとどういう世の中になっていくか、といったことについて、クイズも交えながら講演していただきました。
【写真】川下氏による講演:「IoTがもたらす 新しい世界」
甲斐氏からは「スマート農業な未来って、どんな未来?」と題して、スマート農業を
進めることによって、最終的に「幸せになる」ということを説明していただきました。
具体的には、スマート農業を導入することによって、マニュアルで記録していた栽培
記録がデータ化され、収集、記録、分析が楽になる、といったことや、農薬散布や作
物の収穫等の肉体労働が、ドローンの使用や自動収穫ロボットにより改善される、と
いう内容でした。
【写真】甲斐氏による講演:「スマート農業な未来って、どんな未来?」
IoTデバイスを使った実習
授業の後半は、ラズベリーパイ(*4)を使って製作したIoTデバイス(技術支援:三井共同建設コンサルタント(株))を島原農業高等学校の水菜・小松菜が栽培されている
ハウスとビワが栽培されているハウスにそれぞれ設置し(設置している状況はスマホ
で教室の生徒にライブ配信)、遠隔地の教室からデータ(温度、湿度、照度、飽差(*5)、
ハウス内の静止画)が測定・記録されていることを確認しました。
【写真】IoTデバイスと農薬散布用ドローン
【写真】IoTデバイスにより測定されたデータとハウス内の写真
先生・生徒の感想
先生からは「スマート農業に関する学習を学校で始めるうえで、(私たち)先生にとっても
よいスタートになった。引き続き島原市IoT推進ラボと協力してイベントを実施したい。」
というコメントや、生徒からは「温度や湿度が外から見ることができるし、カメラもついて
いるため、今後の生育が楽しみ」といったコメントがもらえました。
脚注
*1 IoT: Internet of Thingsの略。「モノのインターネット」を意味する。今までインター
ネットでつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことをIoTと呼んでいる。
*2 島原市IoT推進ラボ:経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、地域にお
けるIoTプロジェクト創出のための取組を「地方版IoT推進ラボ」として選定し、支援してい
*3 スマート農業:ロボット技術やICT(情報通信技術)を活用して、省力化・精密化・高品
*4 ラズベリーパイ:カード型のコンピュータボードにCPU・メモリ・USB・LAN・HDMI
などが搭載されており、一昔前のパソコン並みの性能を持つ。教育用コンピュータとして開
発されたため、比較的安価であり、個人がIoTデバイスを自作するのによく使用される。
*5 飽差:ある温度と湿度の空気に、あとどれだけ水蒸気の入るかを示す指標。空気1m3当た
りの水蒸気の空き容量をg数で表す(単位:g/m3)。