武家住宅「旧篠塚家(きゅうしのづかてい)」
下ノ丁の北端、東に門を開いて建つ「旧篠塚家」。一般に公開されている武家住宅の一つです。篠塚家は、郡方祐筆(こおりかたゆうひつ)(書記 しょき)の家柄と伝えられています。
19世紀前期の建築と考えられる旧篠塚家の主屋は、棟がT字型の茅葺き(わらぶき)で、ゲンカン・チャノマ・ダイドコロ・オトコザ・ツギノマ・オンナザといった部屋があります。
柱は杉材を用い、オトコザとオンナザには座敷飾りがありますが、簡素な造りとなっており、やや古めかしく感じられます。
敷地の東側には庭園があり縁を設けた座敷から眺めることができるようになっています。敷地の西側には、果樹が植えられていました。
敷地の東側に庭園と座敷を設けることは、旧篠塚家をはじめとする鉄砲町の武家住宅の特徴となっています。これは東側へ傾斜する鉄砲町の立地特性だけではなく、東側には有明海と島原城を望むことができるためでもあったようです。
*表記は参考文献の名称に準じています
○参考文献:「島原市鉄砲町伝統的建造物群保存対策調査報告書」島原市 平成21年3月
(『広報しまばら』平成24年7月号「ふるさと再発見」)
 |
【写真】旧篠塚家 |