○島原市情報公開条例
平成16年6月29日条例第7号
島原市情報公開条例
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、市民の公文書の公開を請求する権利を明らかにするとともに、公文書の公開及び情報提供の推進に関し必要な事項を定めることにより、市の諸活動を市民に説明する市の責務が全うされるようにし、市政に対する市民の理解と信頼を深め、もって公正で開かれた市政の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、図面、地図、写真、フィルム(マイクロフィルムを含む。)及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
イ 図書館、美術館、博物館その他これらに類する施設において、一般の利用に供することを目的として、又は歴史的若しくは文化的な資料若しくは学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
ウ 公文書の作成の補助に用いるため一時的に作成した電磁的記録
(2) 公文書の公開 公文書を閲覧等に供し、又はその写しを交付することをいう。
(3) 実施機関 次に掲げる機関をいう。
ア 市長、水道事業管理者、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会
イ 議会
ウ 島原市土地開発公社
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、市民の公文書の公開を求める権利が尊重されるようにこの条例を解し、又は運用するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることがないよう最大限の配慮をしなければならない。
2 実施機関は、行政情報の適切な保存と迅速な検索に資するため、行政情報の整備に努めるものとする。
(利用者の責務)
第4条 この条例の規定に基づいて公文書の公開を受けたものは、これによって得た情報をこの条例の目的に即して適正に使用しなければならない。
(公文書の公開を請求できるもの)
第5条 次に掲げるものは、実施機関に対し、公文書(第5号に掲げるものにあっては当該利害関係に係る公文書に限る。)の公開を請求することができる。
(1) 市内に住所を有する者
(2) 市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
(3) 市内に存する事務所又は事業所に勤務する者
(4) 市内に存する学校に在学する者
(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有するもの
(公文書公開の原則)
第6条 実施機関は、公文書の公開の請求(以下「公開請求」という。)があったときは、公開請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、公開を請求したもの(以下「公開請求者」という。)に対し、当該公文書を公開しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより、明らかに公開することができない情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、若しくは識別され得るもの又は特定の個人を識別することはできないが、公開することにより、なお個人の権利利益が害されるおそれのあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により何人でも閲覧できるとされている情報
イ 公表を目的として実施機関が作成し、又は取得した情報
ウ 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報
エ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報で、公開することにより当該法人等又は当該個人の競争上又は事業運営上の地位その他正当な利益が損なわれると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 人の生命、身体又は健康を保護するため、公開することが必要と認められる情報
イ 人の財産又は生活を、法人等又は事業を営む個人の違法又は著しく不当な行為によって生ずる重大な支障から保護するため、公開することが必要と認められる情報
ウ ア又はイに掲げる情報に準ずる情報であって、公開することが公益上必要と認められるもの
(4) 市政運営に関する情報であって、次に掲げるもののいずれかに該当するもの
ア 市の内部又は市と国若しくは公共団体(以下「国等」という。)との間における調査、審議、検討又は協議に関する情報で、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれのあるもの
イ 市又は国等が行う検査、入札、試験、交渉、争訟、人事その他の事務事業に関する情報で、公開することにより、当該又は同種の事務事業の目的の達成が損なわれるおそれのあるもの
ウ 市と国等との間における協議、依頼、要請等に関する情報で、公開することにより、市と国等との協力関係又は信頼関係が著しく損なわれるおそれのあるもの
(5) 実施機関の要請を受けて、公開しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公開しないこととされているものその他当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(6) 公開することにより、人の生命、身体、財産等の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序の維持に支障を生ずるおそれのある情報
(7) その他公開することにより、行政の公正かつ円滑な執行に著しい支障を生ずることが明らかな情報
(公文書の部分公開)
第7条 実施機関は、公開請求に係る公文書に前条各号のいずれかに該当する情報が記録されている部分がある場合において、その部分を容易に、かつ、公開請求の趣旨を損なわない程度に分離できるときは、その部分を除いて、当該公文書を公開しなければならない。
(公益上の理由による裁量的公開)
第8条 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報(第6条第1号の情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当該公文書を公開することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第9条 公開請求に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開情報を公開することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。
(公文書の請求の方法)
第10条 公文書の公開を請求しようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求書を実施機関に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人等にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 請求しようとする公文書を特定するために必要な事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が定める事項
2 実施機関は、請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求者に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の公開の請求に対する決定)
第11条 実施機関は、前条第1項に規定する請求書を受理したときは、当該請求書を受理した日から起算して15日以内に、公文書の全部又は一部を公開する旨の決定(以下「公開決定」という。)、公文書の公開しない旨の決定、第9条の規定による公開請求を拒否する旨の決定又は公開請求に係る公文書を保有していない旨の決定を行わなければならない。ただし、前条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の決定(以下「公開決定等」という。)は、議会を除く実施機関にあっては、当該実施機関から公開決定等について専決の権限を付与された者等が、議会にあっては、議長が行う。
3 実施機関は、やむを得ない理由により、第1項に規定する期間内に公開決定等をすることができないときは、請求を受理した日から起算して45日を限度としてその期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、遅滞なく、当該延期の理由及び延長後の期間を書面により公開請求者に通知しなければならない。
4 公開請求に係る公文書が著しく大量であるため、公開請求を受理した日から起算して45日以内にそのすべてについて公開決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合は、第1項及び前項の規定にかかわらず、実施機関は、公開請求に係る公文書のうちの相当の部分につき当該期間内に公開決定等をし、残りの公文書については相当の期間内に公開決定等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、第1項に規定する期間内に、公開請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
(1) 本項を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について公開決定等をする期限
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第12条 公開請求に係る公文書に市、国、他の地方公共団体及び公開請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、公開決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、公開決定に先立ち、当該第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(1) 第三者に関する情報が記録されている公文書を公開しようとする場合であって、当該情報が第6条第2号ウに規定する情報又は同条第3号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第8条の規定により公開しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該公文書の公開に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、公開決定をするときは、公開決定の日と公開を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、公開決定後直ちに、当該意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、公開決定した旨及びその理由並びに公開を実施する日を書面により通知しなければならない。
(公文書の公開の通知等)
第13条 実施機関は、公開決定等を行ったときは、速やかに、当該決定の内容を書面により公開請求者に通知しなければならない。ただし、公文書の全部を公開する決定が直ちに行われ、かつ、即時に公文書の公開ができる場合は、当該決定の通知は、口頭によることができる。
2 前項の場合において、公文書の公開をしない旨(第7条の規定により公文書の一部を公開しないことを含む。)を通知する場合は、前項本文の規定による書面にその理由を記載しなければならない。この場合において、期間の経過により、当該公文書が第6条各号に掲げる情報に該当しなくなる時期をあらかじめ明示することができるときは、その時期を記載しなければならない。
(公文書の公開の方法)
第14条 公文書の公開は、実施機関があらかじめ指定する日時及び場所において行う。ただし、電磁的記録については、その種別、情報化の進展状況等を勘案して、市長が定める方法により行う。
2 実施機関は、公文書の原本を公開することにより当該公文書が汚損され、又は破損されるおそれがあるときその他相当の理由があると認めるときは、当該公文書の写しにより公文書の公開をすることができる。
(費用の負担)
第15条 前条の規定により、公文書の写しの交付(電磁的記録にあってはこれに準ずる方法として市長が別に定める方法を含む。)を受ける者は、当該公文書の写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
2 前項に定める費用の額は、市長が別に定める。
(審査会への諮問)
第16条 公文書の公開決定等又は公開請求に係る不作為について行政不服審査法(平成26年法律第68号)による不服申立てがあったときは、当該不服申立てに対する裁決をすべき実施機関の長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、島原市情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
(1) 不服申立てが不適法であり、却下するとき。
(2) 裁決で、不服申立ての全部を認容し、当該不服申立てに係る公文書の全部を公開することとするとき。ただし、当該公開決定等について反対意見書が提出されているときを除く。
2 実施機関は、前項の諮問に対する答申を受けたときは、その答申を最大限尊重して当該不服申立てに対する裁決を行わなければならない。
3 第1項の不服申立てについては、行政不服審査法第9条第1項の規定は、適用しない。
(諮問した旨の通知)
第17条 前条第1項の規定により諮問した実施機関は、次に掲げる者に対し、諮問した旨を通知しなければならない。
(1) 不服申立人及び参加人
(2) 公開請求者(公開請求者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該不服申立てに係る公開決定等について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が不服申立人又は参加人である場合を除く。)
(第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続き)
第18条 第12条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。
(1) 公開決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、又は棄却する裁決
(2) 不服申立てに係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る公文書を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)
第19条 削除
(公文書の任意公開)
第20条 実施機関は、第5条の規定により公文書の公開を請求できるもの以外のものから公文書の公開の申出があったときは、これに応ずるよう努めるものとする。
2 第15条の規定は、前項の規定による公文書の公開について準用する。
(公文書の検索資料の作成)
第21条 実施機関は、公文書の検索に必要な資料を作成し、一般の利用に供するものとする。
(情報の提供)
第22条 実施機関は、市政に関する情報を市民に積極的に提供するよう努めなければならない。
(出資法人の情報公開)
第23条 市が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資している法人であって市長が別に定めるものは、この条例の趣旨にのっとり、情報の公開に努めなければならない。
(指定管理者の情報公開)
第24条 実施機関から地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により、公の施設の管理を行うこととされた指定管理者は、その保有する情報であって自己が管理を行う同法第244条第1項に規定する公の施設に関するものの情報の公開に努めなければならない。
(実施状況の公表)
第25条 市長は、毎年この条例の規定に基づく公文書の公開の実施状況を公表するものとする。
(他の法令等との調整)
第26条 この条例は、公文書の公開の手続が別に定められている場合は、適用しない。
2 この条例は、公民館等において現に市民の利用に供することを目的として管理している図書、図面、刊行物、パンフレット等については、適用しない。
(委任)
第27条 この条例の施行について必要な事項は、市長が定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年7月1日から施行する。
(島原市情報公開条例の廃止)
2 島原市情報公開条例(平成7年島原市条例第1号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。
(経過措置)
3 この条例の施行の際現に旧条例第5条の規定によりなされている公文書の公開請求は、この条例第5条の規定による公開請求とみなす。
4 この条例の施行の際現に旧条例第13条第1項の規定によりなされている行政不服審査法に基づく不服申立ては、この条例第16条第1項の規定による不服申立てとみなす。
5 この条例の施行の際現に旧条例第14条第1項の規定による島原市情報公開審査会の委員である者は、この条例の施行の日に第19条第4項の規定により審査会の委員として委嘱されたものとみなす。この場合において、これらの者の任期は、同条第5項の規定にかかわらず、平成16年12月31日までとする。
6 この条例の施行の際現に旧条例第15条の規定によりなされている公文書の任意公開は、この条例第20条の規定による任意公開とみなす。
7 第3項から前項までに規定するもののほか、この条例の施行前に旧条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例中これに相当する規定がある場合には、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
(有明町の編入に伴う経過措置)
8 有明町の編入の日(以下「編入日」という。)前に、有明町情報公開条例(平成13年有明町条例第20号。以下「有明町条例」という。)の規定によりなされた決定、処分、請求その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
9 編入日前に、有明町条例の規定によりなされた公文書の公開の請求に対する決定その他の処分及び公開する公文書の適用範囲及び公開に係る手数料については、前項の規定にかかわらず、有明町条例の例による。
10 編入日前に有明町が保有していた公文書については、本市の公文書とみなし、この条例の規定を適用する。
附 則(平成17年9月30日条例第27号)
この条例は、公布の日から施行する。ただし、附則に3項を加える改正規定は、平成18年1月1日から施行する。
附 則(平成28年3月25日条例第7号)
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 行政庁の処分又は不作為についての不服申立てであって、この条例の施行前にされた行政庁の処分又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。
附 則(令和5年3月27日条例第1号抄)
(施行期日)
第1条 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(島原市情報公開条例の一部改正に伴う経過措置)
第3条 この条例の施行の際現に前条の規定による改正前の島原市情報公開条例(以下「旧条例」という。)第19条の規定により設置された島原市情報公開審査会(以下「旧審査会」という。)の委員である者又は施行日前において旧審査会の委員であった者に係る旧条例第28条の規定による職務上知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、この条例の施行後も、なお従前の例による。
2 この条例の施行前にした行為及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。