島原城跡の二ノ丸から本丸への正面入口にあたる正面枡形虎口の石垣には、最大径3mの鏡石が5個組み込まれているなど豊臣系城郭の典型的な様式がうかがえます。一方で、本丸南西隅には高さ約17mの高石垣が築かれており、隅角部には算木積みの形式が色濃く見られます。このように島原城跡に石垣は、豊臣系城郭の様式を継承しつつ、近世城郭への過渡的要素を併せ持っています。
島原城跡の「石垣」と一口に言っても、使われている技法や構築時代などの違いがあり、その姿は様々です。こうした個性豊かな石垣を楽しむことも島原城跡を散策する醍醐味!ぜひ、多様な魅力にあふれる石垣をご堪能ください。