長崎県から日本脳炎注意報の発表がありました
長崎県では日本脳炎の流行予測を目的として、毎年6月から9月の間に日本脳炎ウイルスの増幅動物であるブタ10頭を対象にウイルス感染状況を調査しています。
令和7年度第2回目調査(令和7年6月25日に採血)の結果、1頭のブタから日本脳炎ウイルスに感染したことを示す抗体を検出しました。
日本脳炎ウイルスは、ブタの体内でいったん増え、ブタの血液中に出てきたウイルスを蚊が吸血し、蚊が人を刺すことによって感染するため、日本脳炎が発生しやすい状況になったと考えられます。
夏本番を迎え、蚊が活発に活動する時期であることから、日本脳炎の予防対策を図りましょう。
日本脳炎とは
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによって起こるウイルス感染症であり、ヒトはウイルスを持っている蚊(主にコガタアカイエカ)に刺されることにより感染します。
患者発生は西日本に多く、蚊の発生時期である夏から秋にかけて報告されています。
ヒトからヒトへの感染はなく、また感染者を刺した蚊に刺されても感染することはありません。
*潜伏期間*
6〜16日
*症状*
数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、急激に、光への過敏症、意識障害、けいれん等の中枢神経障害を生じる。
*発病率*
感染者のおよそ100〜1,000人に1人
*致死率*
脳炎を発症した場合、20〜40%(幼児や高齢者では危険が高くなります。)
予防方法
*日本脳炎ワクチンの予防接種を受けましょう。
ワクチンにより、日本脳炎の罹患リスクを75〜95%減らすことができると報告されています。
定期予防接種の対象者は、できるだけ早めに予防接種を受けましょう。
*蚊に刺されないように工夫しましょう。
・コガタアカイエカは、田んぼやゆるやかな清流が主な発生源となっており、活動時間帯(夕方〜夜明け)には屋外で過ごすことを避ける。
・戸外で過ごすときは、できるだけ皮膚の露出を避ける(長袖、長ズボン等の着用)。
・虫除けスプレー等を活用する。
・網戸を閉め、蚊が家の中に入らないようにする。