「肥前島原松平文庫」とは
 「肥前島原松平文庫」は、旧島原藩主松平家が歴代にわたり蒐集(しゅうしゅう)・所蔵していた古典籍類を中核とする資料保存機関です。旧松平家所蔵の古典籍類は、現在長崎県有形文化財に指定されています。
         三河国深溝(ふこうず)を出自とする深溝松平家は、代々、好学と篤学の家柄として知られていました。1669(寛文9)年、丹波国福知山から島原に移封された松平忠房は、その家風もあり、文学・歴史・兵法・絵図など、広く天下の貴重本を蒐集しました。歴代藩主も学問を好み、古典を愛し、これらの遺風が継承されていきました。また、これらの蔵書類の中には、1793(寛政5)年に設立された藩校「稽古(けいこ)館」の教科書として活用されたものもあり、藩学の基礎の樹立と、数多の人材の輩出に役立ってきました。        
  廃藩置県後は、松平家の管理事務所に保管され、一部、旧制島原中学校の古典の教科書として利用されるなどしていましたが、1948(昭和23)年、島原公民館図書部に移管され、1964(昭和39)年4月10日、島原城天守閣再建を記念して、松平家から島原市に正式に寄贈されました。
  また寄贈に先駆けて、資料の整理・分類がなされ、1961(昭和36)年に『肥前島原松平文庫目録』が完成しました。
 蔵書類の構成は、歴史・宗教・政治・経済・教育・風俗・自然科学・医学・産業・芸術・諸芸・武術・演劇歌舞・語学・文学に関するもの、藩政の記録など和書・漢籍等約3千件、約1万冊(地図類を含む)に及びます。この中には、『甲州式目 (こうしゅうしきもく)』、『蜻蛉日記(かげろうにっき)』、『夜寝覚(よるのねざめ)』、『古今六帖 (こきんろくじょう)』などの日本最古の写本に属するものや、『栄花物語(えいがものがたり)』のように 木製活字で印刷されたものなど、貴重本や希有(けう)本として注目されているものも多く含まれています。
 これに加えて、藩政の記録である「旧島原藩日記」(島原市指定有形文化財)や、旧藩士・町方の資料など、郷土ゆかりの古文書史料も収集・保管しています。
         当庫には、学者、自治体史編さん室、研究・読書グループなど、地元はもとより全国各地からの来庫があります。歴史・文学(和歌、連歌、物語)・教育(孝子、儒学史)・芸術(能、狂言、大名の文芸)・政治経済(近世武家社会、近世政治史、対外関係史、幕府法度)・宗教(神道、儀式と仏教)・風俗(各時代の儀式)など、調査研究の対象として幅広く活用されています。 
 
 
 
閲覧規程
1. 松平文庫収蔵庫蔵書(以下蔵書という)を閲覧するときは、所定の閲覧願を提出して許可を受けてください。2. 閲覧は、島原図書館内の松平文庫閲覧室でおこなってください。3. 蔵書の写真撮影は、学術研究・調査などについて必要と認めたものに限ってこれを許可します。4. 写真撮影にあたっては、所定の写真撮影許可願を提出して許可を受けてください。5. 撮影した写真は、学術研究・調査などの目的以外に使用することはできません。6. 蔵書の翻刻・掲載を行うときは、あらかじめ翻刻・掲載許可願を島原市教育委員会に提出して許可を受けてください。 
 
【資料使用許可申請様式変更のお知らせ】
当庫所蔵資料の使用許可に関する申請様式は 令和7年4月1日受付分より下記の新様式となりますのでご注意ください。
※申請の利便性向上のため、これまでの「翻刻・掲載許可願」と「史料使用許可願」を統合した様式になります。
 
 
施設情報
| 所在地 | 〒855-0036 長崎県島原市城内1丁目1202(島原図書館内) | 
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| TEL | 0957-64-4117 | 
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| FAX | 0957-64-3925 | 
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| 開館時間 | 10時~12時、13時~17時 | 
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| 休庫日 | 月曜日 日曜日及び祝日
 毎月末日(月末が月曜の場合は翌火曜日)
 年末・年始
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※閲覧を希望される場合は、ご予約をお願いいたします。
※島原図書館については島原図書館ホームページ (外部リンク)をご覧ください。
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