景華園遺跡
島原市中野町にある景華園遺跡。畑の真ん中に大きく平たい石が鎮座しています。その記録は古く、『深溝世紀』には元禄12年(1699)に藩主松平忠雄公がこの地に別邸「景華園」を造営した際、4、5個の巨石があり、これを移したところ銅剣2本が出土したとの記載があります。
この巨石こそ市指定有形文化財「景華園遺跡の支石墓掌石」であり、約2000年前の弥生時代中期に島原一帯を統治した者の墓標であると考えられます。また、景華園遺跡の支石墓掌石の一つが、島原城内に移設され市指定有形文化財に指定されています。
昭和33年には土砂採取の工事中に甕棺3基が発見され、甕棺内部から出土した鉄剣形銅剣2本と管玉3連(119点)、細形銅剣の鋒部破片1点は、県指定有形文化財に指定されています。
その後も耕作などにより、甕棺と絹布片、玉類や鉄製鍬先など、貴重な遺構・遺物が発見されています。